[INTERVIEW Part 1]──今回のアルバムは、よりロック色が強くなったことや、メロウな歌モノも目立つこともあって、今までに増してmoveの楽曲の幅広さを感じるアルバムになりましたよね。今作を作られる上で何か軸となるモノはあったんですか?
t-kimura:いや、今回はですね、逆に軸を一つに絞らない感じで作っていった感じなんですよ。前作の『Deep Calm』というアルバムを“戦争”と“平和”をテーマに作ったので、すごくディープで重い感じになったから、今回はあえて視野を広げて作りたかったんです。社会的なテーマを掲げて音楽を作るのは、この先も不変だと思うんですけど、そこにばかりテーマを絞りすぎてしまうよりも、そこに音楽のいろんな楽しみ方を取り入れる形で届けていけたらな、と思ったんです。
motsu:歌詞的にも前作はテーマが重かったこともあって、どうしても片寄りぎみになってしまっていたんですけど、今回は、すごく素直に書けたんですよ。それに、今回はレコーディング期間的にも余裕があったこともあって、気持ち的にも余裕が持てたことも大きかったと思うんです。余裕があったと言っても4ヶ月くらいだから、一般的には決して余裕のあるスケジュールじゃなかったんですけど、move的にはかなりじっくりと作れるスケジュールだったんです(笑)。本当に、今までずっとmove一色で毎日が過ぎていって、オフの部分がなかったんで、どうしても視野が狭くなってしまっていて。それもあって、今回は意識的に外に出て遊ぶようにしたんです。普段行くことのないカラオケとかに行って、画面に出てくる他のアーティストの歌詞を改めてまじまじと読み返したりね。そのときに、“難しい言葉って歌詞にならないな”“伝わらなくちゃ意味がないんだな”って感じたこともあって、今回は今までに使ったことのない言葉で歌詞を書いたりしたんです。
──なるほど。今回yuriさんも「Noizy Tribe」で作詞されてたりもしますよね。
yuri:そうなんですよ、初めて形になりましたね。最初motsuさんが書いてくれていた歌詞があったんですけど、曲を聴いて、自分なりにすごくしっくりくる言葉が出て来たんで、motsuさんに相談して書かせてもらったんですよ。
motsu:FAXで送られてきたその歌詞を見て、すごくアリじゃないかなって思ったんで、一発返事でOK出した感じでしたね。視野を広げる意味でもすごくいいことだと思ったし、yuriが音を感じてこの言葉を選んできたということにも、すごく意味を感じたんで。
yuri:今回自分で作詞したことで、とても自信が持てたので、これをきっかけに今後も作詞をしていけたらいいなと思ってます。この曲は『頭文字[イニシャル]D』(講談社ヤングマガジンに'95年から連載されている、しげの秀一原作の人気アニメ)のオープニングテーマにもなっているんですよ。
t-kimura:4曲目に収録されている「Nobody reason~ノアの方舟」も『頭文字[イニシャル]D』のエンディングテーマなんですけど、このアニメ用にイチから作ったんですよ。初回限定盤にはアニメとmoveの映像がリンクしたDVDも付いてますので、是非そこもチェックしてほしいですね。
motsu:僕はヤンマガ(ヤングマガジン)愛読者なんで、テーマソングとして自分達の曲が起用されたってことを誇りに思ってます。毎週ヤンマガ読みながらその喜びを噛み締めてますからね(笑)。
yuri:これを機会に、'05年は、また海外のアニメ・フェスティバルに参加したいです!