空気を震わせ、心を震わせる音楽、浅田信一ライヴ・レポート
浅田信一<Live Tour Odyssey~BAND SPECIAL~>5.28@渋谷クアトロ
音波と振動という音楽を構成する要素のうち、耳で"聴く"という聴覚で受ける音波に対し、振動は脳の深部に刺激を与え、情緒面に作用すると言われている。そもそも音は、空気の振動により聴こえるものだけれども、ライヴを観た後々まで音像が消えないライヴというのは、まさしくそのライヴ時の空気が脳に作用するくらいに震えていたからなのだと思う。5月28日に渋谷クラブクアトロで行なわれた浅田信一のライヴも、その例外ではなかった。
古市コータロー(G/コレクターズ)、TOKIE(B/LOSALIOS,AJICO)、玉田豊夢(Ds/100s,ta-ta)という強力なメンバーが奏でるバンド・サウンドに支えられながら、逞しく、けれど繊細さを欠かない歌を次々と繰り出す浅田。2002年からソロ活動を開始したものの、SMILEの活動休止後は"何を歌っていけばいいのか"ということすら見えなかったという彼だが、尾崎豊を世に送り出したことで知られる須藤晃氏との出会いにより、シンガー・ソングライターとしての指針を見い出し、2枚のミニ・アルバムを2003年にリリース、そして初のフル・アルバム『Odyssey』を、今年2月にリリースした。"音楽の冒険家"という意味を込めて作られたこのアルバムで、デジタルと生音をバランス良く配した音作りと、メロディ・メイカーとしての振り幅の広さを見せた。また、それと同時に、力強い前向きな意思表明を歌詞の中に綴っていた。そして、この2年間にはなかった勢いで、バンド・セットや弾き語りなど、様々なスタイルでライヴを行ない、その集大成と言えるのが<Live Tour Odyssey~BAND SPECIAL~>と題されたこの日のライヴだった。
淡いスポットライトの中で一人佇み、アコースティック・ギターとハーモニカのみでこの上なく丁寧に歌われた「GRAND CITY APARTMENT」は、孤独感を共有することで温もりが生まれるような温度感を放ち、アグレッシヴにオーディエンスを煽るダンス・チューン「最速のカモメ」や、痛々しいほどの青い詞と一瞬で聴き手を虜にするメロディを成す「CHERRY BLOSSOMS」では、バンド編成ならではの躍動的なプレイで高揚させる。そして本編ラストに披露された「Voyager」では、穏やかながらも熱気を含ませて"音楽の冒険家"としての不安や希望を吐露。チル気味なメロディとの相乗効果により、いつか訪れる現実と不確かな未来に込めた自信をつなぐような<いずれ僕らが灰になっても生きた証は残るはずさ>というフレーズを印象づけた。空気を震わせ、心を震わせる音楽。この日、浅田信一が紡いだ言葉と音は、鮮やかな音像として今日も私の内側で響いている。 文●望木綾子
<Live Information>
■LOFT presents SATURDAY NIGHT R&R SHOW 2004 Vol.3
6/12(土)新宿LOFT 18:00 OPEN / 19:00 START
出演:浅田信一、高野寛、メレンゲ
料金:\3,150(前売り)*ドリンク別 チケット:ぴあ、LOFT店頭にて発売中。
【問】LOFT 03(5272)0382(※こちらは“ふたりOdyssey”で参加!)
■Pop Life
6/15(火)渋谷O-East 18:00 OPEN / 18:30 START
出演:浅田信一、千綿ヒデノリ、ワカバ他
料金:¥3,300(前売り)*ドリンク別 チケット:ぴあ、ローソン、イープラス、O-East店頭にて発売中
【問】Disk Garage 03-5436-9600 (※こちらは“ひとりOdyssey”で参加!)
■妙なる楽の音vol.1
7/25(日)渋谷CHELSEA HOTEL 18:00 OPEN / 18:30 START
出演:浅田信一、tae他
料金:\2,000(前売り)*ドリンク別 (※こちらは“ひとりOdyssey”で参加!)
<ひとりOdyssey~reprise~>
■「音の輪」~京の都から~
6/7(月)京都・磔磔 18:30 OPEN/19:00 START
料金:\3,000-(前売) *ドリンク別
出演:千綿ヒデノリ、松ヶ下宏之、浅田信一、森山公一&松崎智浩(オセロケッツ)
【問】サウンドクリエーター06-6357-4400
■「音の輪」~シャチホコの街から~
6/8(木)名古屋E.L.L 18:30 OPEN/19:00 START
料金:\3,000-(前売)*ドリンク別
出演:千綿ヒデノリ、浅田信一、森山公一&松崎智浩(オセロケッツ)、SAVE FREE(名古屋)
【問】E.L.L 052-201-5004
音波と振動という音楽を構成する要素のうち、耳で"聴く"という聴覚で受ける音波に対し、振動は脳の深部に刺激を与え、情緒面に作用すると言われている。そもそも音は、空気の振動により聴こえるものだけれども、ライヴを観た後々まで音像が消えないライヴというのは、まさしくそのライヴ時の空気が脳に作用するくらいに震えていたからなのだと思う。5月28日に渋谷クラブクアトロで行なわれた浅田信一のライヴも、その例外ではなかった。
古市コータロー(G/コレクターズ)、TOKIE(B/LOSALIOS,AJICO)、玉田豊夢(Ds/100s,ta-ta)という強力なメンバーが奏でるバンド・サウンドに支えられながら、逞しく、けれど繊細さを欠かない歌を次々と繰り出す浅田。2002年からソロ活動を開始したものの、SMILEの活動休止後は"何を歌っていけばいいのか"ということすら見えなかったという彼だが、尾崎豊を世に送り出したことで知られる須藤晃氏との出会いにより、シンガー・ソングライターとしての指針を見い出し、2枚のミニ・アルバムを2003年にリリース、そして初のフル・アルバム『Odyssey』を、今年2月にリリースした。"音楽の冒険家"という意味を込めて作られたこのアルバムで、デジタルと生音をバランス良く配した音作りと、メロディ・メイカーとしての振り幅の広さを見せた。また、それと同時に、力強い前向きな意思表明を歌詞の中に綴っていた。そして、この2年間にはなかった勢いで、バンド・セットや弾き語りなど、様々なスタイルでライヴを行ない、その集大成と言えるのが<Live Tour Odyssey~BAND SPECIAL~>と題されたこの日のライヴだった。
淡いスポットライトの中で一人佇み、アコースティック・ギターとハーモニカのみでこの上なく丁寧に歌われた「GRAND CITY APARTMENT」は、孤独感を共有することで温もりが生まれるような温度感を放ち、アグレッシヴにオーディエンスを煽るダンス・チューン「最速のカモメ」や、痛々しいほどの青い詞と一瞬で聴き手を虜にするメロディを成す「CHERRY BLOSSOMS」では、バンド編成ならではの躍動的なプレイで高揚させる。そして本編ラストに披露された「Voyager」では、穏やかながらも熱気を含ませて"音楽の冒険家"としての不安や希望を吐露。チル気味なメロディとの相乗効果により、いつか訪れる現実と不確かな未来に込めた自信をつなぐような<いずれ僕らが灰になっても生きた証は残るはずさ>というフレーズを印象づけた。空気を震わせ、心を震わせる音楽。この日、浅田信一が紡いだ言葉と音は、鮮やかな音像として今日も私の内側で響いている。 文●望木綾子
<Live Information>
■LOFT presents SATURDAY NIGHT R&R SHOW 2004 Vol.3
6/12(土)新宿LOFT 18:00 OPEN / 19:00 START
出演:浅田信一、高野寛、メレンゲ
料金:\3,150(前売り)*ドリンク別 チケット:ぴあ、LOFT店頭にて発売中。
【問】LOFT 03(5272)0382(※こちらは“ふたりOdyssey”で参加!)
■Pop Life
6/15(火)渋谷O-East 18:00 OPEN / 18:30 START
出演:浅田信一、千綿ヒデノリ、ワカバ他
料金:¥3,300(前売り)*ドリンク別 チケット:ぴあ、ローソン、イープラス、O-East店頭にて発売中
【問】Disk Garage 03-5436-9600 (※こちらは“ひとりOdyssey”で参加!)
■妙なる楽の音vol.1
7/25(日)渋谷CHELSEA HOTEL 18:00 OPEN / 18:30 START
出演:浅田信一、tae他
料金:\2,000(前売り)*ドリンク別 (※こちらは“ひとりOdyssey”で参加!)
<ひとりOdyssey~reprise~>
■「音の輪」~京の都から~
6/7(月)京都・磔磔 18:30 OPEN/19:00 START
料金:\3,000-(前売) *ドリンク別
出演:千綿ヒデノリ、松ヶ下宏之、浅田信一、森山公一&松崎智浩(オセロケッツ)
【問】サウンドクリエーター06-6357-4400
■「音の輪」~シャチホコの街から~
6/8(木)名古屋E.L.L 18:30 OPEN/19:00 START
料金:\3,000-(前売)*ドリンク別
出演:千綿ヒデノリ、浅田信一、森山公一&松崎智浩(オセロケッツ)、SAVE FREE(名古屋)
【問】E.L.L 052-201-5004
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