【インタビュー】EGO-WRAPPIN’、アナログ2タイトルに新鮮なサマーアンセム「間違いなくととのいます」

■今の日比谷野音は今年が最後だから
■“ありがとう” “おつかれさま”も込めながら
──細かなことですけど、「Treasures High」と「Sunny Side Steady」は、エンディングがフェイドアウトなのが新鮮でした。最近のポップスは、フェイドアウトで終わることがあまりない気がするので。
森:どっちの曲もダンスミュージックなので、フェイドアウトだなと。ダンスミュージックは永遠に続いていく感じがあって。“線路は続くよどこまでも”みたいなイメージも伝えたいので。“終わりはないで”っていう感じにしたくなるというか。
──なるほど。
森:ダンスミュージックで“ダダーン!”って締めるイメージはあんまりないかな。昔のファンクとか、ダンス系も一発録りしながらバンドが超盛り上がって、ずっと演奏が続いたりして。スタッフが「いつまでやるんや?」と思ったり、エンジニアも「まだ終わってないなあ」と感じたり。でも、盤にしないとあかんから「ここでフェイダー下げるしかないな」ってフェイドアウトが生まれたのかもしれないし。まだまだやるんだっていう音楽家の性みたいなものが表れてるのかな、フェイドアウトには。
中納:あと我々、イントロはめちゃめちゃ考えるんですけど、アウトロはあんまり考えないクセがあるんです(笑)。
森:“ダダーン!”って終わらせるのって、恥ずかしいってなるんですよ、なんか(笑)。
──「Sunny Side Steady」のフェイドアウトも、とても気持ちいいです。ロックステディのアレンジ、やはり絶妙にハマっていますね。「サニーサイドメロディー」はどちらかというとギターをフィーチャーした感じでしたし。
森:そうですね、基本二人でやりましたね。いい曲って、どういうバージョンでも行けることがあるんですよ。
──「Sunny Side Dub -Prince Fatty Dubwise-」もダブのサウンドが気持ちいいです。
森:よっちゃん(中納良恵)はホリー・クックとかの音楽が好きで、あれもプリンス・ファッティが関わってたりするんです。僕はコロナの期間にいろんなレコードとかを探してて、それでプリンス・ファッティの音源が出てきたので、聴いたらすごく良くて。そこからいろいろ買ったりするようになったんです。
──冒頭で、「きっかけとか出会いとかいろいろとあった」とおっしゃってましたが。
森:たまたま知り合いにプリンス・ファッティと繋がりがある人がいて、「彼にやってほしいんやけど」と伝えて、今回のミックスをお願いしたんです。彼は今年1月にDJツアーで来日して。いろんな音楽が好きだという話を聞いてたんですけど、その時はずっとレゲエをかけていて、“レゲエ愛のある人や”と。その愛にも惹かれて「この人にやってもらいたい」ってなったんです。マイペースな人なのかなとも思ってたんですけど、ちゃんとした人でした。タイトなスケジュールの中、すぐ取りかかって音のテストを送ってくれて。
中納:ナイスガイだったね。
森:「誘ってくれてありがとう」という感じで、すごく謙虚な人でした。
──2枚のアナログ盤のリリースを経て、今年も野音の<Dance, Dance, Dance>ですね。7月12日は日比谷野外大音楽堂、8月2日は大阪城音楽堂。日比谷野音に関しては今年秋から改修されるそうなので、現在の施設でのEGO-WRAPPIN’の最後のライブとなります。
中納:年に一回、野音をずっとやらせていただいてるのはラッキーやなと思ってます。なかなかスケジュールを押さえるのが難しいらしいですから。最後の日比谷野音は、噛み締めてやりたいですね。東京も大阪も“野音は特別や”と思ってお客さんも来てくれてはるから、はじけ方が他の会場とちゃうなあというのも感じます。日比谷はオフィス街やのにお酒を飲みながら音楽を聴けて、なかなかのスポットですよね。
森:大阪の野音もいろんな思い出があるんですよね。地元というのもありますし。
中納:大阪はクーラーボックスにビールとかを入れまくったお客さんが来てくれます。
──音楽と野外とお酒は最高の組み合わせですからね。
中納:最高ですよ。すごい贅沢。今の日比谷野音は今年が最後だから、「ありがとう」「さよなら」「おつかれさま」もちょっと込めながらやりたいです。
森:<Dance, Dance, Dance>は、これからも続けていくので。
中納:新しくなった日比谷の野音でもやりたいです。
森:今回の野音は、新曲の「AQUA ROBE」と「Treasures High」、あと「Sunny Side Steady」も生演奏で聴けるんで、それが大トピックちゃいます?
中納:たしかに!
森:その3曲がより感じられる場所やと思いますよ。
──野音で聴いたらととのいますか?
森:間違いなくととのいます(笑)。
取材・文◎田中大
ライブ撮影◎仁礼博


■アナログ2タイトル同時リリース
2025年7月2日(水)発売
※同日配信開始
▶LP『Treasures High / AQUA ROBE』
TFJC-38137 2,750円(税込)
12inch (45rpm)
配信リンク:https://tf.lnk.to/treasureshigh_aquarobe
▶EP『Sunny Side Steady / Sunny Side Dub -Prince Fatty Dubwise-』
TFKC-38138 2,200円(税込)
7inch (33rpm)
配信リンク:https://tf.lnk.to/sunnysidesteady

■<EGO-WRAPPIN’ “Dance, Dance, Dance”>
【東京公演】
2025年7月12日(土) 日比谷公園大音楽堂
open17:00 / start18:00
【大阪公演】
2025年8月2日(土) 大阪城音楽堂
open16:30 / start17:30
▼チケット
7,500円(税込 / 指定・立見)
関連リンク
◆EGO-WRAPPIN’ オフィシャルサイト
◆EGO-WRAPPIN’ レーベルサイト







