【インタビュー】CROWN HEAD、本格始動から2ヵ月でメジャーデビューを果たしたSNS総フォロワー数40万超えバンドの衝撃「賭けてみようと思いました」

■メジャーデビュー曲は3週間で完成させました
■それもマスタリングまで。余裕でしたよ(笑)
──ところで皆さん、それぞれ一人でも音楽活動ができるスキルと才能を持っていると思うんですけど、なぜ、そんな4人が場合によっては個性がぶつかり合うこともあるバンドというスタイルを、ソロプロジェクトやユニット全盛の今、選んだのでしょうか?
Lumel:僕はさっき「一人でも音楽を作れるようになりたかった」と言いましたけど、音楽ってやっぱり好きな人や音楽性が合う人と一緒にする時が一番楽しいし、幸せだと思います。このメンバーと出会ってから、人間的にも学ぶことが多いし、特にMotoのボーカルは僕が持っていないものというか、足りないところをフォローしてくれる。この4人で演奏しているとき、本当に生きているって感じるんです。そういうバンドだけでしか味わえない魅力が絶対にあると僕は思うので、必ずバンドをやりたいと思っていました。
Tasuku:バンドって誰かに「やれ」って言われてやるものじゃないと思っていて。“こいつとやりてえ。だからやる”っていうものだと思っているんです。hirotoと再会したバンドでは、参加というかたちだったからか、そういう気持ちに全然なれなかったんですよ。何か違ったんです。でも、一人だけ熱い奴がいて、それがhiroto。これまでいろいろなバンドをやってきましたけど、僕以上に熱くなれる人っていなかった。でも、hirotoを含め、この3人とは初めて“こいつらとだったらやりたい”って思えたんです。
──だからこそ、バンドを組んだのだ、と。
Tasuku:はい。そこが一番大事っていうか、バンドってただやるんじゃなくて、誰とやるかが重要なんだと思います。音楽性ももちろんだけど、それ以上に人間性を含め、“こいつのここが好きだから一生やりたい”って、そう思えるメンバーとメジャーデビューする前に出会えて、本当にうれしかったです。

──この4人が揃って、どれくらいでしたっけ?
Tasuku:2ヵ月です。
──2ヵ月とは思えないくらい、この4人にはいいグルーヴがあるように感じます。
Tasuku:毎日会ってるから、たった2ヵ月でも1年ぐらいの濃さがあるんですよ。
hiroto:“なぜバンドなのか”、その理由はTasukuが言ってくれたとおりだと思うんですけど、僕は音楽専門学校に行っている時、けっこうスタジオミュージシャン志向だったんですよ。だから、テクニックをどんどん磨いていって、どんな現場でも行けるようになりたいと思っていたんです。でも、自分の記憶を遡ったとき、ジョン・フルシアンテみたいにバンドで輝くギタリストっていうのがイメージとして、自分の中にすごくあって。だから、音楽専門学校時代は、とりあえず上手くなろうという思考でやってましたけど、卒業してからはバンドで輝けるギタリストを目指してというか、そうなるために、その他のいろいろな活動をやっているという感覚でした。
──Motoさんはこのバンドに参加するために、茨城から上京してきたそうですね。
hiroto:水戸から大好きな納豆も捨てて、上京してきたんだよね(笑)?
Moto:いや、納豆は今も好きだし食べてるし(笑)。“なんでバンドをやるのか?”っていうと、バンドって僕の中で絶対的にカッコいいという前提がまずあるんです。
Tasuku:そうだよね。
Moto:だから今、バンド以外の方法もあるとかは、本当に関係なくて。プラス、このメンバーと出会った時、音楽に対する真摯な向き合い方をみて、“この熱量を自分でも感じたいなら、やっぱりこのバンドでやらなきゃ”って思ったんです。もちろん、バンド経験はほとんどなかったし、ボーカルとしてセンターに立つことへの不安もありましたけど、最初に顔合わせしたとき、「じゃあ歌って」っていきなり歌わされたんですよ(笑)。その時間がすごく楽しかったし、“これをもっとやっていけば、絶対もっといいものができる”って感じられたので、このバンドに入ろうって決意しました。

──ところで、メジャーデビュー曲となる「Hidden」は、なんでも3週間で完成させて、リリースしなきゃいけなかったそうで。
Tasuku:そうなんですよ。もともと作っていた曲だったんですけど、それが橋本環奈さん主演ドラマのオープニングテーマに決まって。急遽リリースすることになったので、急ピッチで音源を完成させることになったんです。
──曲そのものは、どんなふうに作っていったんですか?
Tasuku:hirotoとLumelが作った曲の土台になるトラックがあって、なんならメロディーもLumelが少し当てていたんですね。それを“誰が歌えるんだ?”ってところから、hirotoがMotoを呼んできたっていう。そこからMotoと僕が歌詞を書いて。
hiroto:プロデューサーやエンジニアをやっているハク(haku2)っていう友人とアレンジしていったんです。
Lumel:もちろん、その中にはメンバーのアイデアもあって。
──土台になるトラックを作った時は、ドラマのオープニングテーマになることは決まっていたんですか?
hiroto:いえ、そういう話は全然なくて、自分たちがただ作りたいから作り始めたんです。けど、「この曲はドラマに合うんじゃないか」っていうお話をいただいたので、ドラマにふさわしいものにアレンジしていったという感じですね。
Tasuku:ドラマ主題歌としてたくさんある候補曲の中の一つだったんですけど、まさか僕らの曲が選ばれるとは思ってなくて。むしろ、“これではないだろう”ぐらいに思ってたら、気に入ってもらえて、“え、そうなんだ。この曲なんだ”って。最初は本当にそんな感じで、そこから3週間で完成させました。
hiroto:それもマスタリングまでね。
Lumel:全然余裕でしたよ(笑)。
──その中で一番大変だったのは、どんなところでしたか?
Lumel:キーがかなり高いところじゃないかな。僕はMotoがこの曲を歌うのを最初に聴いて、とても魅力的だと思いましたけど、Motoは「これはちょっと…」って(笑)。
──あ、そうそう、この曲のキーはこの高さじゃなきゃダメだったんですか?
Tasuku:ダメでしたね。
Lumel:表現したいものがあったんですよ。不安定な感じから、サビでばーっと開く感じを出したくて。そこは譲れなかったです。メロディーを作ったとき、僕は歌うつもりはなかったから、“誰かがんばって歌ってください”と思ってました(笑)。
Tasuku:女性が主人公のドラマってことを考えると、やっぱりこの高さだったんじゃないかな。
hiroto:Motoはこれまでこういう歌い方することってあんまりなかったよね?
Moto:そうだね。ここまで高い声を出すってことはなかった。
Tasuku:ヴァースが低くて、サビで高くなるっていう展開は、ドラマ側からの要望でもあったんですよ。
Lumel:そこは僕らが、この曲でもともとやりたかったことと一致してました。
Tasuku:でもまぁ、全員がこれまでやったことがないような楽曲なんですよ。
Lumel:レコーディングの裏話を一つ明かすと、アウトロのhirotoのギターソロは一発OKだったんです。1回目に弾いて、それが音源になっちゃったっていう。
hiroto:ギターソロで終わる曲って、今どき珍しいですよね。
Tasuku:そうそうそう、あんまりない。
──確かに。最後、サビを繰り返さずにギターソロでエンディングという発想がおもしろいと思いました。そのギターソロはどんなふうにアプローチしていったんですか?
hiroto:曲がかなりロック的ではあるし、歌詞の意味合いも、主人公が最後に自分の居場所を見つけて、世界が開けていくみたいなところがあるから、前向きなアグレッヴさを出したいなと思って弾き倒してみました(笑)。中盤に入っているギターソロと聴き比べてもらうと、また違う印象になっていると思う。
Lumel:曲の中に最低一回は“hirotoタイム”が欲しいです。
hiroto:Lumelはギターソロを“hirotoタイム”って呼んでるんです(笑)。
──ヴァースではアルペジオを含め何本か重ねているギターが、サビではバッキングだけになるというメリハリの付け方がいいですね。
hiroto:ありがとうございます。そこのアレンジはハク君も一緒にやってくれたんですけど、最初は裏メロみたいなフレーズを幾つか入れてもいいかなと思っていたんですよ。でも、ツインボーカルになる強みを生かすなら、むしろ入れないほうがいいんじゃないかってなりました。







