【インタビュー】CROWN HEAD、本格始動から2ヵ月でメジャーデビューを果たしたSNS総フォロワー数40万超えバンドの衝撃「賭けてみようと思いました」

日韓混合ロックバンドCROWN HEADの活動開始は2025年3月。そこからわずか2ヵ月でメジャーレーベルからデビューというあまりにもスピーディーな展開には当の本人たちも驚いたはずだ。しかし、その一方でTasuku(Dr)、hiroto(G)、Lumel(B)──楽器隊の3人がCROWN HEAD以前から活動を共にしていたことを考えると、3人はずっと以前からデビューするチャンスを窺っていたに違いない。
そこに橋本環奈主演のテレビドラマ『天久鷹央の推理カルテ』のオープニングテーマを任されるという幸運が舞い込み、最後のピースとしてMoto(Vo)がぴたっとはまって、3人から4人に増えたバンドの運命は大きく動き始めた。たすまる。名義でYouTuber/インフルエンサーとして、SNS総フォロワー数40万人を持つ活動もしているTasukuはSNSのプロフィールに“本業はドラマー”と記すぐらいだから、念願のメジャーデビューだったのだろう。
前述したテレビドラマのオープニングテーマである1stデジタルシングル「Hidden」を5月20日にリリースした4人からバンドに対する熱い思いを聞き、そんなストーリーを思い描きながら、CROWN HEADの今後に大いに期待している。急展開も含め、彼らの活動はこれからさらに勢いづいていきそうな予感。「Hidden」の煌めきを放つエモーショナルなロックサウンドは、CROWN HEADのとある一面でしかないそうだ。チャレンジングだったというその「Hidden」を経て、バンドは現在進行形で成長を続けている真っ最中だ。
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■このメンバーと出会って
■彼らとならやっていけるって
──早速ですが、この4人がどんなふうに出会い、どんなところで意気投合して、バンドを結成することになったのか教えていただけますか?
Tasuku:ギターのhirotoとは3つ目のバンドなんですけど、そこからLumel、Motoというふうに仲間が増えて、デビューが決まったんです。
──あ、Tasukuさんとhirotoさんはもともと一緒にバンドをやっていたんだ。
hiroto:もともとはお互いに別のバンドをやっていて、対バンしたりしてたんですけど、ある人がSNSでメンバーを集めたバンドで久しぶりにTasukuと再会して。そこからまた別のバンドになったとき、エンジニアとかトラックメイカーとかを他のバンドでやっていたLumelが手伝いで入ってくれたんです。Lumelは歌も歌えるしベースも弾けるし、ちょうど俺たちに足りないパートだったんで「一緒にやらないか?」って話をしたら、Lumelも乗ってくれて。でも、ベースを弾きながら歌うっていうのも大変だから、「メインのボーカルがいたほうがバンドの形としていいんじゃないか」って話になって、僕の幼馴染のMotoを誘ったんです。
──Motoさんはhirotoさんの幼馴染だったんですね。
hiroto:実はそうで。幼稚園の頃から一緒なんですけど、もちろん音楽をやっていたことは知ってましたし、声質とか人間性とか、このバンドにちゃんとフィットするだろうって感じてたので。それで二人に紹介して、それから4人で一緒にやってきて、今、ちゃんとハマったっていう。ざっくりとした結成の経緯はそんな感じです。

──Lumelさんと知り合ったのは、Tasukuさんとhirotoさんが所属していたバンドに手伝いとして加入したとのことですが?
Tasuku:知り合いの紹介でした。最初は手伝ってもらってたんですけど、やっているうちにLumelは裏方じゃもったいないというか、表に出たほうがいいと思うようになって。日本に来てからはシンガーソングライターとして活動してたんですけど、もともと韓国ではベース&ボーカルでバンドをやってたんだから、「バンドやろうぜ」って(笑)。
──Motoさんは、バンド経験はあったんですか?
Moto:学生の頃、hirotoと少しだけやったぐらいで、あとはずっと弾き語りの動画を投稿するっていう活動をしていたので、ちゃんとやったことはないんですよ。
──なるほど。みなさんの音楽的なバックグラウンドも聞かせてほしいんですけど、それぞれこれまでにどんな音楽を聴いてきましたか?
Moto:人生で初めて買ったのは、平井堅さんのアルバムだったんですけど、それが小学校の低学年でした。でも、その頃はまだ、歌は好きだけどバンドは聴いてなくて。中学生になってから、たしかグリーン・デイの「Basket Case」を聴いて、こんな音楽があるんだ!となって、一番ハマったのがオアシスでした。でも、同時に秦基博さんとか、ハナレグミさんとか、ああいう飾らない佇まいの、歌に説得力がある弾き語りもずっと好きでした。
──その中で一番影響を受けたのは?
Moto:歌はやっぱり秦基博さん。バンドとしてはオアシスですね。
Tasuku:だから(オアシスのリアム・ギャラガーの真似をして)手を後ろに組んで歌ってました(笑)。
Moto:そうそう。でも、それやると「もっと動け」って言われちゃう(笑)。

──hirotoさんはレッド・ホット・チリ・ペッパーズのジョン・フルシアンテに影響を受けたそうですね。
hiroto:そうですね。11歳の時に、たまたまテレビでレッチリ(レッド・ホット・チリ・ペッパーズ)を見て、“あの人、カッコいい”と思ったのがジョンだったんですよ。あんなふうに自分もギターを弾きたいと思って、親にギターを買ってもらって、そこから独学でやり始めたんです。“ジョン・フルシアンテっていう人なんだ”ってことを知ったのは後々なんですけどね。そこから中学でMotoとバンドをやりつつ、高校1年の時にプロになろうと決意して、高校卒業後、音楽専門学校に入学したり、ロサンゼルスに行ってギターを教わったりっていうのを経て、バンド活動とか、サポート活動とか、レッスン業とかを経験しました。だから、アーティストとして表に出ることを目指しながらいろいろやってきて、今、このメンバーでメジャーデビューさせてもらえることが、すごくうれしいです。
Moto:ジョン・メイヤーも好きじゃん?
hiroto:ああ、そうだね。スタイルはまた違いますけど、ジョン・メイヤーもギタリストとして、すごく好きですね。

──Tasukuさんは?
Tasuku:僕は小中学校では音楽をやってなくて。カナダに住んでいた時に音楽に出会ったんですけど、実は僕もきっかけはレッチリなんですよ。ドラムのチャド・スミスを見て、ドラムをやろうと思いました。ドラムをやっているカナダ人の先輩もチャドが好きで、その人と同じドラムの先生に教えてもらったり、カナダでレッチリのライブを観に行ったり、そこから音楽にハマっていきました。
──洗足学園音楽大学に通っていたそうですね?
Tasuku:はい、卒業しています。大学1年までカナダだったんですけど、日本に帰ってきて、音楽をやりたいと思って、洗足学園に入学しました。
──マカロニえんぴつの後輩ということですよね?
Tasuku:そうです。同じロック&ポップスコースの後輩です。マカロニえんぴつさんが5期で、僕は6期でした。

──そして、Lumelさんはどんなバックグランドを?
Lumel:中学生の時、オアシスを見てギターに興味を持ったんですけど、ミューズとメタリカを見て“ベースってカッコいい”と思ったので、ミューズの「Hysteria」とか「Time is Running Out」とかのベースをコピーしてました。最初は趣味だったんですけど、中学校を卒業する時に音楽を仕事にしたいと思って、17歳で音楽大学に入りました。大学ではボーカルをメインにやっていましたけど、その後、韓国でバンドを組んでベース&ボーカルとして活動していたんです。そのバンドが解散してからは、一人でも音楽を作れるようになりたいと思って、トラックメイク、ミックス、マスタリング、エディットを勉強して、シンガーソングライターとして活動するようになったんですね。
──TAIL(向井太一)の楽曲制作も行ってますよね。
Lumel:1年半前に日本に来て、日本ではプロデューサーとしての活動をメインにやりながら、機会があったらバンドはやりたいとずっと思っていたんです。そうしたら、このメンバーと出会って、彼らとなら時間を掛けてやっていけると思えたので、このバンドに賭けてみようと思いました。







