【対談】ミヤ[MUCC] × Sacchan [DEZERT]、ツーマンツアーは「ヤバいことが起こりそうな空気感」

■例えばの話、X JAPANみたいな曲を
■DEZERTがやったらウケません?──ミヤ
──さすが、話の流れを作るのがうまいのも先輩ならではですよ。そのツーマンツアー<【Is This The “FACT”?】TOUR 2019>を2019年1月に行ないますね。
ミヤ:うちらはDEZERTのツアーに呼ばれた形なんですよ。
Sacchan:後輩から誘うっておもしろくないですか、というところから話が始まったんですよ。後輩からがっついて、そこに乗っかってくれる受け皿の大きい先輩はMUCCでしょうって読みが、なんとなく誘う前からあって。だったら全力で後輩を潰しに来てくださるって感じも、MUCC先輩からひしひしと感じられてて。あんまりないですよね、後輩から誘ってツーマンでツアーもするというのは。
ミヤ:ツアーはなかったかな。そこもおもしろいポイントだろうし。もちろん潰しに掛かる勢いで、全力でやるのは当たり前の話なんだけど、それ以上のところに2バンドが行けたらいいなって気持ちがけっこうあって。そのときだけのツーマンライブで終わっちゃうのもイヤだし、せっかくツアーだし、普段やらないようなこともできそうだなって。広げたいですよね。
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| ▲ミヤ[MUCC] |
──ということは、すでに頭の中に幾つかの企みもあるんですか?
ミヤ:あります、あります。
Sacchan:えっ!?
──誘った側が驚いているけど(笑)。
ミヤ:いや、知ってると思う(笑)。ライブやって、例えばセッションして、普通に終わりってだけじゃなくてね。あまりやらないことや、お互いのファンが喜ぶようなことを形にしたいです。
──それが具体的になんなのかは、あまり質問しないほうがいいですか?
ミヤ:今の時点でどこまで言っていいのか……というのはあるんですけど、DEZERTが作った曲をMUCCがやるんですよ。そしてMUCCが作った曲をDEZERTがやる。
──つまり、お互いがお互いのために新曲を書き下ろして、交換し合うということですよね?
ミヤ:そう。それってお互いに音楽的なリスペクトがなきゃ不可能なんですよ。そこで、逆にお互いの個性も分かるし。すごくおもしろいだろうなって。ライブでやろうって話から始まり、やるなら音源に残してもいいんじゃないってことにも膨らんでいて。DEZERTのほうからはすでに曲も上がって来ているんですよ。最初はDEZERTが作った曲にMUCCが歌詞を付けて混ぜようって話だったのに、歌詞付きで曲が届いた(笑)。多分、歌詞もできちゃったんでしょうね。だからルールは、まずそこで破られていて、どうしようかなと(笑)。
Sacchan:まだデモ段階なんですけど、MUCC先輩が演奏してくれることを想定して、うちのボーカルが曲も詞も作ったはずなんです。
ミヤ:こっちもそういう感じで作る予定です。まだできてはいないんですけど。
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| ▲Sacchan[DEZERT] |
──作曲段階から相手をちょっと分析しながらですか?
ミヤ:分析というか、俺はなんとなくイメージあるんで、それを頭に入れて曲を作ると思いますね。ただ、DEZERTから俺らに来た曲はけっこう……(笑)。
──いきなり言葉を失って、ただただ笑い始めてますが。しかも苦笑いな感じ(笑)。
ミヤ:“うわっ、これを俺らがやるんだ!?”っていう感じの曲なんですよ。ムチャ振り感もあるし、DEZERTっぽさもある。どこまで本気で、どこまでが冗談なのか分からない曲でした。
Sacchan:あの、まず僕が作った曲じゃないってことをミヤ先輩には伝えておきたいんですが(笑)。僕もその曲を聴いて「これを渡すんだ……」と思って。ギリギリだろうなってところで、もしやってくれたらおもしろいだろうなって思いもあります、はい。
ミヤ:だから、その話もしたくてね。どこまでアレンジを変えるかってこととか。変えすぎてもおもしろくないし、全く変えなくてもおもしろくない。俺の中ではイメージはすでに湧いているけど。あとは、俺がDEZERTに渡す曲を作るだけで。
──つまり、ムチャ振り返しの一発を?
ミヤ:別の方向でのムチャ振りしようと思ってます。こういうアプローチをDEZERTはしないよねってことを、俺が作った曲でやってほしいというか。
Sacchan:めちゃくちゃ難しいとかですか?……やっぱ怖いです、先輩(笑)。
ミヤ:例えばドラマーがSORAだから、とかもイメージの中にあるんです。こういうプレイを見たいなとか、こんなのは好きなはずだけどDEZERTではやってないよねとか。
──それはプロデューサー感覚ですね。
ミヤ:まあ、そうですね。こういう曲を千秋が歌ったらウケるなとか(笑)。X JAPANみたいな曲をDEZERTがやったらウケません? 例えばの話ですよ。
──例えるのにそのバンド名を出すかね(笑)。
ミヤ:あはは。俺、一応サポートメンバーだから(笑)。
──たしかに(笑)。そういう企画によって、バンドとしてまた殻を破るきっかけにもなりそうですね。
ミヤ:あとはDEZERTのお客さんとMUCCのお客さんがそれぞれライブ会場にいて、お互いにそれぞれのバンドは知っていると思うけど、より楽しみながら別の部分まで知るきっかけになればいいし。単純に音楽の楽しみ方を共有するって話で、自分の聴いてきた好きな音楽をお客さんにも知ってもらうって感覚と同じなんですよ。ただそれを2バンドのフィルターを通して伝えたほうが、絶対に楽しい。









