いい音爆音アワー vol.62 「ナイス!アレンジ特集」

2016.02.02 14:30

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爆音アワー

いい音爆音アワー vol.62 「ナイス!アレンジ特集」
2016年1月20日(水)@風知空知

音楽業界人は「アレンジ=編曲」という言葉をけっこう使いますが、一般的には案外なじみがないみたいですね。でもたとえば、「イントロがいい」とか「ギターのフレーズが好き」とか「リズムが面白い」なんて会話はよくあるわけで、それらは実はどれもアレンジについて語っていることになるんですね。
つまり「アレンジ」=「どういうサウンドにするかを決めること」。
で、そのように何か印象に残るってことは「ナイス!アレンジ」と言っていいと思いますし、中には特にどこってことはないけど全体にいい感じという場合もありますよね。それもナイス!です。
アレンジが違えば同じメロディでも印象が全然違ってきます。アレンジによって、大したことない曲が(^^)、ボツになりそうだった曲が(^^)、めちゃポップになって大ヒットしたという例も多々あるのです。

福岡智彦 (いい音研究所)

セットリスト



  • The Beatles「Come Together」
    ただのロックンロールを、歴史的名曲にしたアレンジの力。


  • The Rolling Stones「Jumpin’ Jack Flash」
    知らない人がないリフもそうだけど、ザラザラした音の肌触り自体がもうストーンズ。


  • The Jimi Hendrix Experience「All Along the Watchtower(見張塔からずっと)」
    作者のボブ・ディランが絶賛したジミヘンの大胆アレンジ。


  • Cactus「Long Tall Sally」
    「アメリカのツェッペリン」が、リトル・リチャードのロックンロール・スタンダードをヘヴィ・ロックにアレンジ。痺れます。


  • Dave Stewart & Barbara Gaskin「Locomotion」
    プログレ風味の緻密なアレンジで、シックスティーズの名曲が華麗な復活。


  • Scritti Politti「Small Talk」
    1983年5月に発売されたYAMAHA DX-7をいち早く駆使し、80年代サウンドの基盤を作ったシンセ・ポップ・バンド。


  • Laura Mvula「Green Garden」
    まるで異空間に迷い込んだような気分になる、独特のアレンジ。


  • The Corrs「Angel」
    ケルトの血とトレンディなポップ・アレンジの絶妙なブレンド、そこにこのエンジェル・ヴォイスとくればもう逆らえません。


  • 小林旭「ダンチョネ節」
    民謡にマンボ・サウンド。そしてアキラの伸びやかな歌唱で、なんとも豪快な世界。


  • PUFFY「MOTHER」
    なんでもないようなフォーク・ロック・アレンジなんだけど、「And I Love Her」のギター・フレーズの巧妙な配置によって忘れられない作品になった。


  • ちあきなおみ「無駄な抵抗辞めましょう」
    レジェンドになりつつある天才歌手のかる~い歌を、楽しく聴かせる明るいアレンジ。


  • アン・ルイス「女はそれを我慢できない」
    計算し尽くされた歌謡曲アレンジ。ツボを押さえてます。


  • 大沢誉志幸「e-Escape」
    若くして亡くなった大村雅朗さんは、ほんとにセンスのいいアレンジャーでした。


  • チャクラ「いとほに」
    アヴァンギャルドの地平に限りなく挑みながら、なおれっきとしたポップ・ミュージックであるという、知られざる大名曲。


  • 桐島カレン「憂鬱な姫君」
    本人は歌手になる気はなかったらしいけど、このアレンジは本気入ってますね。


  • カーネーション「世界の果てまで連れてってよ」
    次々と景色を変える賑やかなアレンジは、たしかに「世界の果てまで連れてって」くれる気分。


  • David Bowie「Starman」
    死の2日前に『ブラック・スター』というアルバムをリリースするなんて、デヴィッド・ボウイは最期までほんとのスター・マンでした。


  • The Doobie Brothers「Long Train Runnin’」
    イントロクイズの初級問題。2拍で判る個性はアレンジの理想形。


  • Led Zeppelin「Immigrant Song(移民の歌)」
    イントロクイズの超初級問題。このリズムパターン自体がもうZEPの専売特許。


  • The Police「Message In a Bottle(孤独のメッセージ)」
    アレンジがかっこいい上に、演奏がかっこいい。最強のトリオでした。


  • Daryl Hall & John Oates「Private Eyes」
    R&B+New Wave、彼らの生み出したサウンドこそ「The 80年代」。


  • U2「With Or Without You」
    アイリッシュ・ロック・バンドをヒーローからスーパースターに押し上げたアレンジ。


  • 10cc「I’m Not In Love」
    ボツになりかけた曲から生まれた奇跡のアレンジ。何度聴いてもすごい。