【インタビュー】Ken Yokoyama、ギターを語る「グレッチは僕の生き方を投影してくれる」

■グレッチは歴史の長いブランドですし、伝統を壊したくはない
■ただ、新しい使い方を提案したいんですね。可能性を広げたいというか

──今、数え上げていただいただけでも8本のギターが登場していて、これまでのKen Yokoyamaサウンドを代表するものも、新たな箱モノも入ったバラエティに富んだものになっているわけですね。さらに新しいところでは、グレッチから健さんのシグネチュア・モデルG6136T-KF FSR Kenny Falconがリリースされることが発表となりました。“ファルコン”の名を冠しているということは、ホワイトファルコンをベーシックにしたものですか?
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| ▲with Gretsch G6136TLTV White Falcon <The Rags To Riches Tour V>2015.1.21@豊洲PIT |
横山:そうです。見た目はホワイトファルコンの色をグリーンにしただけという感じですね。ファルコンの定義は、ヘッドのシェイプとゴールドスパークルのバインディングにあって、それがないとファルコンじゃないらしいんですね。で、白いファルコンは“ホワイトファルコン”じゃないですか。白じゃないので何か名前を考えなきゃいけないっていうので、“ケニーファルコン”にしました(笑)。
──あのファルコンシリーズに、ご自身の名前を付けられるということもすごいですよね。ホワイトファルコン、ブラックファルコン、シルバーファルコンに並ぶわけですから。
横山:嬉しいですよね。
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| ▲with Gretsch G6136T-KF-FSR Kenny Falcon |
──健さんにとってファルコンの魅力とは?
横山:一番は見た目です、本当に。“こんなに見た目がカッコいいギターがあるんだ!”っていう。ホワイトファルコンは昔から、“世界一美しいギター”だと言われていましたけど、自分で弾くようになってからそれを実感しましたね。やっぱりモノとして好きです。弾き心地に関しても、操作性の違いは多少あれど、レスポールプレイヤーだったらそのまま弾けちゃうと思います。ネック角度もしっかりついているし、ケニーファルコンはネックの握りが太いんです。
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| ▲Gretsch G6136T-KF-FSR Kenny Falcon |
──ケニーファルコンの大きな特徴は、まずキャディラックグリーンのカラーリングにありますが、その他の細かいスペックにも健さんの意向が反映されているわけですよね。
横山:まず色はカントリークラブというモデルの代表色なんです。スペックに関しては、たとえばブリッジのピン留めですとか、現行のホワイトファルコンで既に現場対応ができているので。それでも2ヶ所特別な仕様にしてもらっているところがあるんです。見た目からはわからないんですけど、ピックアップは僕、なるべく弦に近づけたいんですね。
──出力を上げたいということですか?
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| ▲ヘッド表面には「THE KENNY FALCON」の文字の入ったゴールドのネームプレートが。 |
横山:はい。なるべくロスなく、いろんな部分をかせぎたいので結構ギリギリなんですよ。それが通常のネジだとピックアップが上がりきらないので、ピックアップの下にパッドを敷いてもらいました。それによってかさ上げしてもらっているんですね。もうひとつは、レギュラーモデルのマスターボリュームの特性として、絞ると結構ハイが落ちていっちゃう仕様だったので、そこにAnti-Dullサーキットを付けました。そうするとボリュームを絞ってもギラギラした感じが残るんですね。この2ヶ所はちょっとしたこだわりで、ケニーファルコンに採用してもらいました。
──アンプとギターの間にエフェクターを通さない健さんだからこそ、ギター本体の音の部分にますますこだわるという。ライブではこのギターがメインに?
横山:そうですね。僕の手元に届いてから、まだそんなに日が経ってないし、ライブもこなしてないので今はちょこっとしか使ってないんですけど、もうバンバン使っていきたいですね。
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| ▲付属のスペシャルハードケース。 |
──2015年初頭に行われた<The Rags To Riches Tour V>でグレッチを弾く健さんの姿を初めて拝見したんですけど、これまでのパブリックイメージとは違うはずなのに、驚きはあれどもあんまり違和感がなかったんですよね。
横山:たぶん人によって分かれるでしょうね、違和感バリバリの人もいるみたいですよ(笑)。古くからのグレッチファンの方には受け入れ難いところもあるかもしれないですね。僕がグレッチを持っているとか、たとえば僕が今後グレッチを牽引していく立場のギタリストになるのかとか。あの人じゃだめだろうみたいなところはきっとあると思います。
──グレッチという楽器が持つ伝統的なイメージとのギャップですか。
横山:でもまぁ、しょうがないじゃないですか!(笑)。僕もグレッチと関わるようになってよく思うんですけど、グレッチは歴史の長いブランドでもありますし、コアなグレッチファンもいるので、その人たちが培ってきた伝統を壊したくはないんです。ただ、新しい使い方を提案したいんですね。可能性を広げたいというか。結構、ケニーファルコンのカラーリングも暴挙でして。僕もグレッチが大好きですけど、僕よりももっとグレッチが大好きな人からしたら、タブーなことなのかもしれないです、これって。ホワイトファルコンという代表機種に、ほかの機種の代表色を使ったわけですから。でもね、そういうところも無邪気に超えていきたいです(笑)。
──はははは。前回のインタビュー時の名言“横山健だからできるんじゃない。やるから横山健なんだ”という言葉通りですね(笑)。












