■インタヴュー後半
──歌詞で描かれてるのって、星空とか夜空ですよね。そこで、タイトルがあえて「プラネタリウム」なのは?
大塚:球体……プラネタリウムって絶対球体じゃないですか? 普通に夜空を見ると、平面に見えるけど、球体だとくるくる星が回ってる感じがあって。星が時計の代わりみたいな感じかな? 星座とか、季節ごとにどんどん動いていく。記憶の時計もどんどん回っている。そういう感じが出したかったんです。あとは、もともとプラネタリウムが好きで、昔からよく行ってたんです。あ、それが一番の理由かも(笑)。
──歌の中で、感情のテンションの高さというのをすごく感じて、ヴォーカリストとしての表現力の成長をすごく感じました。
大塚:ホントはこのヴォーカルはデビューしてすぐぐらいにもう録ってあって、もうできていたものなんですよ。けど、リリースのタイミングのときにもう1回聴き直したら、ちょっと一生懸命に歌い過ぎてて、それだけ聴くと遠距離恋愛みたいな、誰かがいなくてすごい寂しい、みたいに聴こえちゃったんですよね。それは違うなと思って、もう1回録り直したんです。ちょっと、奥深くというか、しっとりとさせたいなということで、そこら辺は気をつけました。
──新しく録り直したものと、以前のものを比べるとどうですか?
大塚:落ち着きとかは出てきたと思いますね。とにかく、ひたむきな、一生懸命な、というだけで終わらせたくなかったんです、この曲は。やっぱり、どこかで駄目なこともわかってる。けど、貫きたい自分の心もある。そういうものにしたかったですね。
──そういう、表現ができるようになった理由を自己分析すると、どの辺にあると思いますか? たとえば、今年初の全国ホール・ツアーを行ないましたけど、その影響などもあったりするんでしょうか?
大塚:ありますね。ツアーだけじゃなくて、最近思うのは、二十歳超えて、毎日成長してるなって。二十歳から25歳とか26歳ぐらいまでは、停滞しないというか、常に転がってるというか。毎日考えられるし、毎日変われるし、成長もできるという歳かなって。
──なるほど。では最後にカップリングの「drop.」について訊かせてください。まず、「drop.」の.はどんな意味ですか?
大塚:うふふふふ、とくに意味はないんですけど(笑)。ドロップは飴玉のことです。歌詞には“涙玉(なみだま)”も出るんですけど、これは飴玉の仲間です。
──アメがコロンで、.みたいな?
大塚:うふふふ、じゃ、そういうことで(笑)。
──教えてくださいよ(笑)。じゃあ、曲のテーマとかは?
大塚:えへへ(笑)。一番の幸せかなっていうのがテーマですね。
──「drop.」もこれまでにない雰囲気ですね。歌詞にある通り、居心地がいいというか、耳心地がいい曲ですよね。前の「ネコに風船」に続いて、アコギがメインですよね。生楽器にハマってるんですか?
大塚:わたしだったらありそうかな? っていう甘い感じなんですけど、結構なかった曲なので新鮮でした。デビューするまでは、あまり生音に触れる機会がなかったので、どうしても、打ち込みだけでやるしかなかったんですけど。生音を聴きだしてから、深さというか、人間ぽさというか、そういうのが好きになって。ほんとに今、生音にはまってますね(笑)。
取材・文●末吉靖永
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