――今年で結成20年目を迎えたTHE STREET BETASですが、20年間バンドを突き動かし、
ライヴを演り続けてきた衝動とは、一体何だったんでしょうか?
OKI(Vo&G):
10代の終わりにこのバンドを結成したときからずっとと持ち続けてる
「THE STREET BEATSらしいロックを演っていきたい」という想いが、ずっと薄れなかったというか。
むしろ演り続けることによって、その気持ちがどんどん深まったことが一番であり。同時に、ずっと BEATSを支え続けてきた
お客さんたちのいろんな熱い想いが、俺らをここまで走り続けさせた大きな要因にもなってますね。
SEIZI(G):
結局は、つらいことより楽しいことの方が多かったから演れてるんだと思います。
それに、ファンの人がせっかく「好きだ」と言ってくれてるのに、へこたれてる場合じゃないっていうのもあるし。
その気持ちのまま、気がついたら20年も経っちゃったみたいな。
OKI:
結成20周年記念の全国ツアーを廻ったときにも、いろんな曲を……それこそ120曲くらい日替わりでプレイしたんですよ。
中には10何年ぶりに歌う曲とか。もちろん、昔の楽曲でもズーッとリアルタイムで歌ってきた作品もたくさんあるんだけど。
改めて思ったのが、「人間少々時が経ったくらいでは本質はそんなに変わらないな」ということ。
むしろ、ガキの頃に書いた「青くて若く幼いまっすぐな歌」でも、それをライヴで、このメンツで歌うときに、
なんら恥じるものがないというか。
――春に出した20周年記念の2枚組アルバム『THE STREET BEATS 20TH ANNIVERSARY BEST 1984-2004 REBEL SONGS』
を聴いてても、どの歌もいまだリアルな想いを放ってますもんね。
OKI:
けっして特別な人間が特別な視点から歌ってるものじゃなく、演ってる側も聴いてる側も、同じ今をリアルに生きている
人間達なんですよ。だから、いろんな人たちが様々なシチュエーションのもと、自分の想いとして俺らの歌を聴けるんだろうし。
そう言ってくれる言葉が実際に多かったからね。中には、「若い頃に難しかった歌詞が、30代頃になって聴くと染みました」
という感想をもらったり。それは自分らにしても同じこと。ガキの頃に感じてた、なんのてらいもない詞。
その想いが秘める輝きは絶対になくしたくないし、改めて歌から教えられた想いがいっぱいあった。それを、今も胸張って
歌えること自体ありがたいとい言うか。懐古主義とかノスタルジーということじゃなく、今のリアルなものとしてBEATの曲を
プレイできる。それこそが、何よりも俺らの誇りですよ。
――そのときどき、OKIさん自身が感じ続けてきた想いを、身を切りながら唄い続けてきた。
その言葉の数々にリアリティがあるからこそ、僕らもその歌へ強い共感/共通項を覚えてしまうんでしょうね。
OKI:
ROCK’N’ROLLは特別なものじゃない。家で正座して聴く音楽じゃなく、街、人、そういうものと密着したものですからね。
それこそ「生きるBEAT」っていうか、自分らにしかできない BEATSの歌。それを最初から演り続けてたし、
今も俺らは演れてるんですよ。
SEIZI:
だから何時の時代の BEATSの曲を演っても、「古いものにならないなぁ」って感じられる。
――20周年を記念し演った全国ツアーでの反響って、どうでした?
OKI:
いわゆる“代表曲だけを組んでツアー中、同じメニュ-で”的なアニバーサリーじゃなくて、下手すればアルバムの中の
1曲に埋もれがちになってた歌だとか、いろんな時期のいろんなアルバムの楽曲をガンガン演ってきました。
だからお客さんはね、アニバーサリーなツアーという予想を越えてたみたい。イントロ始まって「えっ? うそ~!」というか。
「この歳になってこの曲を聞けるとは思いませんでした」みたいな感想があったりとか。そういうお客さんの喜ぶ顔を見たら
こっちも嬉しくなって、さらにお客さんに喜んでもらおうという形でエールを送りあってゆく。
それをBEATSは、20年間ズーッと演らせてもらってますよね。だから「ありがてぇなぁ」と、いつも思うし。
いい曲を書いて、毎日「今日やるライヴが史上最高」というのを目指しながら、俺らはこれからも日々演り続けてくだけのこと。
そのスタンスは、THE STREET BEATS結成から20年経った今でも変わんない想いですね。
――最後に、各自結成20周年に対する想いを聞かせてください。

山根英晴(B):
今は、何を演っても楽しいんですよ。これから先も、今のバンドの状態を維持しながら、お客さんと一緒に
いい感じで楽しんでいこうと思ってる。
谷元敦(Dr):
今このバンドができることって、本当に色々とあるんですよ。それをやってると楽しいというか。楽しいことは、
アッと言う間に過ぎちゃう。そういう意味でも、日々を楽しみながらこれからも自分らのペ-スで演り続けてくだけですね。
OKI:

いい曲をもっとバンバン書いて、いいライヴツアーをもっともっと重ねていく。そこに俺ら自身が一番期待してるというか。
自分らなりの可能性自体が楽しみなので、これからも日々、頑張っていきたいと思います。
SEIZI:
これからもずっと、「今日は今日演れる最高のことを」「明日は明日演れる最高のことを」ということを繰り返しながら、
進み続けてゆく。結局は、それがTHE STREET BEATSなんですよ。
取材・文 長澤智典