【ライブレポート】The Brow Beat、8周年公演で豊洲PITに描いた∞の可能性

The Brow Beatが6月に開催した<The Brow Beat Live Tour 2026 愛我戯画-メガギガ->の中から、Zepp Shinjukuで6月10日~11日に行った公演の模様を収録したLIVE DVD『The Brow Beat Live Tour 2026 愛我戯画-メガギガ-』を11月25日にリリースする。進化し続ける劇場/激情型ライブモンスターたちが、9月27日(日)には豊洲PITで8周年記念公演<8th Anniversary Live 「∞」 unlimited>を行なった。ここに8年間という時を駆け巡った当日の模様をレポートでお届けしたい。

RyujiとHAKUEIが「サクラサク」と声を上げた。8周年という記念すべき日のライブの幕開けを飾ったのが、活動初期から演奏してきた「日本」だ。いきなり時空を巻き戻した展開に、胸が高鳴った。The Brow Beatが極東から放つ熱風が、身体も意識も否応なく刺激する。殴るような声でRyujiが歌をぶつければ、そこへHAKUEIが彩りを与えていく。2人とも、最初から感情を剥き出しにして襲いかかってきた。気持ちを燃えたぎらせる刺激を受け、場内でも数多くの手が、空で舞い躍る桜の花びらのように大きく揺れていた。
続くhideの「ROCKET DIVE」も、The Brow Beatが活動を始めたときから、ライブで積極的にカバーしてきた楽曲だ。RyujiもHAKUEIも、VISUAL系を強くリスペクトしている。HAKUEIに至っては、彼自身がVISUAL系の象徴となる存在だ。だからこそ、そのルーツに敬意を表す思いから、今でもカバーし続けているのが嬉しい。この曲でも、RyujiとHAKUEIが巧みに歌声のコンビネーションを見せていく。刺々しいRyujiの歌声に、艶めいたHAKUEIの歌声がねっとり絡みつく。2人の歌声が重なるたびに胸が騒ぎだす。観客たちも感情をスパークし、The Brow Beatが作り上げた狂熱の世界へダイブし続けていた。

さらに熱狂の風を吹かせようと、高速でアッパーな「爆風」へ。ハイスピードで突っ走る演奏に乗せて、気持ちを解き放つように、Ryujiが天高く声を響かせる。その姿に向けてフロアから数多くの拳が突き上がる。一度バーストした感情や演奏は、もはや止められない。高速で歌を掛け合うRyujiとHAKUEIのやり取りも含め、2人はこの場に、気持ちを奮い立てる爆風を巻き起こしていった。
その流れを受け継ぐようにとはいえ、まさか、このタイミングでこの曲が飛び出すとは。いつもはライブの後半の盛り上がりを彩る曲として歌ってきた「Snow White」が、ライブの序盤に飛び出した。もちろん場内には、2人と観客たちが《Hi-ho!》と声を交わすやりとりが生まれていた。《Hi-ho!》と叫ぶたびに、身体中から理性がはがれ落ち、本能のままに楽しむ祭り人へと変えていく。《Hi-ho!》と叫びながら、熱狂した姿で飛び跳ねる。
場内に、心電図の音が流れ出す。三味線や尺八などの和な音色に乗せ、Ryujiが、みずからの生きざまを記した言葉を「21グラム」に乗せ、経文を唱えるように歌っていた。その言霊は、この場にいる人たちの身体から、等しく21グラムの魂を解放していく。サビで一気に熱を帯びた演奏と高揚し続けるRyujiの歌声が、観客たちを幽玄の世界へ導いていった。HAKUEIの艶めく歌声に触れるたびに、魂が淫らに悶え狂う。躍動するダンサブルな演奏へ表情を塗り替えたとたん、刺激を受けたその魂は、まるで人魂のように燃え盛りだした。
禁断の世界へ導くように、重厚な音がこの空間を支配する。荘厳かつシンフォニックな演奏を背景に、神の使い魔となったRyujiとHAKUEIが、「Adam」を通して、壊れゆくこの世界を見ながら、悲嘆に暮れていた。絶望に打ちひしがれる心を嘆くように歌うRyujiとHAKUEI。ミドルメロウでグルーヴィーな演奏に身を委ねながら、HAKUEIの祈りにも似た歌と、Ryujiの剥き出した気持ちをぶつける歌声に、今はこの身を預けていたい。神話と現世を織りまぜた物語を通して、今の世と人の心を嘆き、警鐘を鳴らす。その姿勢にも、The Brow Beatらしい息吹を感じていた。
MCでは、Ryujiが8周年を迎えたことへの思いを語っていた。HAKUEIも8周年の思い出を語ろうとするが、突然、電話のベルが鳴り、HAKUEIは、電話の主に呼び出されるままステージ袖に消えていった。

ここからは、Ryujiがソロで歌唱するブロックへ。Ryujiが情熱を満載した歌声を高らかに響かせて「仮面の告白」を歌い出した。言葉のひと言ひと言に深い思いを込めながら、Ryujiは、「たとえ愛し合っても たとえ君が泣いても たとえ届かなくても 僕はここにいる」と、思いを彼方へ飛ばすように歌い上げていた。満員の観客たちが、その姿にずっと心を射抜かれ、釘付けになっていた。
切ないピアノの音色に乗せて、背景に数多くの灯籠が灯りだした。Ryujiは、この曲でも言葉のひと言ひと言に思いを込め、今にも心が壊れそうな低音域の掠れた声で「灯篭流し」を歌っていた。二度と会えない人へ届かぬ思いを届けようと、気持ちを揺らめかせて歌うその姿は、まるで揺らめく灯火のようだ。祈りにも似たその声が,ずっと心を切なく揺さぶり、涙で瞼を濡らしていた。
さらに嘆き、悲しむ気持ちを塗り重ねるように、Ryujiは「unlost」を、あふれ出す思いがこぼれるのも気にすることなく、思いの導くままに歌っていた。あふれる涙を悲痛な声で振り切るように歌う、その姿が心を締めつけた。誰もがRyujiの歌う言葉や思いの行方を追いかけながら、その声にずっと抱かれていた。
勇壮な演奏に乗せて、Ryujiが、老雄の生きざまを讃えるように敬愛する思いを言葉にすれば、みずからも雄々しき勇者となり、「レオという獣」を高らかに歌い上げていた。身を引き裂くほどの声で一人吼え続けるRyuji。鬼気せまるその姿に視線がずっと釘付けになれば、次第にスケールを増して語られる雄大な物語に、身も心も奪われていた。
白衣を着たHAKUEIが、ステージに戻ってきた。でも、その白衣には鮮血が付いていた。HAKUEIは、それは妨害しようとする相手を倒したときの返り血だと言っていた。その言葉は、後の展開へと繋がっていった。
HAKUEIの叫ぶ声を合図に、後半戦へ。身体を貫くような轟音が鳴り響く。爆走する演奏に乗せて、「生き死に、死に生き」が炸裂した。爆裂した演奏の上で、HAKUEIとRyujiが剥きだしの感情を歌や吐き出す言葉にしてぶつけ合う姿が、気持ちを熱く騒がせた。何が嬉しいって、どんどん熱を膨らませてゆく演奏が、途中から「愛我戯画-メガギガ-」に移り替わったことだ。巧みに楽曲を繋ぐ、その冴えた展開が、さらに気持ちを嬉しく騒がせた。
さらに魂を解き放つように、キャッチーでフリーキーな、解放感を満載して疾走する「Grind age」をThe Brow Beatはぶち込んできた。曲が進むほどに熱狂が加速し、天空を駆け巡るような気持ちに染め上がる。熱を振りまいて爆走し続ける楽曲に乗せて、2人と一緒に熱狂のその先まで駆け上がっていこうじゃないか。
鳴風のギターの音が炸裂するのを合図に、The Brow Beat流のラウドロックナンバーの「離人」を、2人はぶちかましてきた。重厚で荒々しい、スケールの大きい演奏が、音の大波となって次々と襲いかかる。艶かしいHAKUEIの歌声と荒々しいRyujiの歌声、2人の個性が交錯し、重なり合い、爆裂する。その重声に導かれるように、フロアからも声が張り上がっていた。今は、雄々しきその衝撃に身悶え、熱狂し続ければいい。
そしてこれまでに描き続けてきた熱狂のドラマをすべて抱きしめるように、壮麗でシンフォニックな「輪廻の歌」をThe Brow Beatは最後の曲として届けてくれた。歌うコンダクターになったRyujiの声へ導かれ、寄り添うように、オーケストラのような演奏が鳴り響く。満員の観客たちが、熱狂を司る司教のような2人に身も心も捧げるように、2人を見つめていた。2人が描き出した雄大な物語が、歓喜に包まれた満員の観客たちの心を飲み込んでいった。
楽屋の廊下を映し出した映像。その前にメンバーが現れては、はしゃぐ姿が映し出されていた。ふたたびメンバーがステージへ。そこには、ライブではお馴染みとなった、Ryujiが所属する劇団ひまわりの後輩のMASAとそっくりな人が立っていた。「彼はMASAなのか?」といぶかるRyuji。他のメンバーは「MASAだろう」と肯定していく。そのタイミングで、背景のスクリーンに、殴られた血に塗れ、道路にへたり込んだMASAの姿が映し出された。彼は、男に拳銃を突きつけられ、「「Member Call」を盛り上げろ」と命令を受ける。それを拒否したMASAが銃で撃たれて命を落とした…と思ったら、映像が逆再生され、脅されている状態に戻り、ふたび脅された。そんなやり取りを続けたうえで、ライブは「Member Call」へと繋がった。
お馴染み、メンバーそれぞれの名前を大声でコールするこの曲では、いつも通りの熱いやり取りが繰り広げられていた…のだが、一人を紹介するたびに、脅されたMASAの映像に切り替わり、「もっと煽れ」と強要されては、MASAが「みんなの盛り上がりが足りない」と観客たちに懇願する姿が映し出されていた。そんな遊び心も加えながら、The Brow Beatは「Member Call」を届けてくれた。
ライブもここで終了となり、偽MASAも含め、みんなで手を繋ぎ、最後の挨拶を終えた…ところで、本物のMASAもステージに姿を現し「今日、誕生日だからもっとライブを続けよう」と、立ち去るメンバーを呼び止めた。そのやりとりの中で、「ここで終わる訳ねぇだろ」の言葉から、「な訳ねぇだろ」へ。この遊び心たっぷりのやり取りが、最近のThe Brow Beatのライブの嬉しい見どころになっている。
「クソ クソ 全部クソ」と歌いながら、メンバーと観客たちが、「な訳ねぇだろ」に乗せて、その場で飛び跳ねて、はしゃぎ出した。「な訳ねぇだろ訳ねぇだろ」と叫ぶ声に合わせて、観客たちが拳を突き上げて、飛び跳ねれば、「クソ クソ 全部クソ」と、普段なら言えない汚い言葉を大声で叫びながら盛り上がっていた。はしたない?な訳ねぇだろ、自分を解放してくれる魔法の言葉って、最高なんだよ。
篝火が灯るステージ。それまでの熱狂ぶりを180度塗り替えるように、Ryujiが「等しく散る花を命と呼ぶとして 心は輪廻を巡る」と、言葉を紡ぐように「紡ぐ」を歌っていた。自分が生きる意味を模索するように歌うRyujiの声と壮麗な演奏に、誰もが釘付けになっていた。今にも壊れそうな、でも、確かな意志を漲らせて歌うRyujiの声と、それを支えるHAKUEIの声に、生きる力を与えられていた。
切々としたピアノの音色に乗せて、Ryujiが今にも壊れそうな声で「いつか花開く 虹が消える前に」と歌えば、艶めいた声で、HAKUEIが「遥か彼方 人の夢は辞世 フィルムの中」と思いを繋いでいく。2人は、思いを言葉にして折り重ねながら「stray child」を歌っていた。淡い光に包まれた世界の中、失意や悲しみの中でさえ、一筋の未来を見つめる思いが、「命の意味 睡蓮の風」と歌う2人の声という絵筆を通して綴られていった。
最後にThe Brow Beatは「睡蓮」を歌ってくれた。マイクを強く握りながら、Ryujiが、命が消えるときまで、その意味を追い求めて生きようと歌いかけてきた。Ryujiは、「行こう命の果てに 待つ永遠を巡るため」と思いを響かせていた。その声に寄り添うHAKUEI。後半に生まれた、メンバーと観客たちによる「命は風に乗り旅をする 命は歌に乗り旅をする」の合唱。やがて、演奏が止み、場内には観客たちによる大合唱が響いていた。きっと誰もが「睡蓮」を通して、生きる息吹と鼓動を感じていたに違いない。
ただし、これで終われるわけがない。ダブル・アンコールとしてメンバーがステージに。Ryujiが「愛を伝えたいのにワカラナイ」と歌い出すのを合図に「ワカラナイアイ」が飛び出した。胸をくすぐるエモーショナルな演奏に乗せて、RyujiもHAKUEIも、胸に溜め込んでいた思いを言葉にしてすべて解き放つように、心晴れやかに歌っていた。その思いを受け止め、フロアでもたくさんの手が揺れていた。
情熱的でドラマチックな幕開けから、さらに熱を膨らませるように「アイリス」へ。軽快に走り出した楽曲に乗せて、RyujiとHAKUEIがマイクを交わしながら、この会場に熱狂の花を咲かせていった。次々と声を交わし、重なり合う2人の歌声が胸を弾ませる。なんて、華やかでドラマチックな演奏だ。2人は「アイリス」を通して、改めて9年目に向かう扉を開け放った。
そして最後にThe Brow Beatは、この場に眩しい希望の光を降り注がせるように、晴れ渡る声で「Browbeat」を歌っていた。RyujiとHAKUEIという最強の両翼で、The Brow Beatはこれからも羽ばたき続けていく。MCでRyujiは「10周年を見据えて」と語っていたが、9年目へ踏み出す今の時点でも、進化の止まない姿を見ていると、2人が歌う声を止めない限り、20周年や30周年だって何も夢物語じゃない。彼らは歌っていた、「ヤバい、飛べそうだ! ほら、その手を伸ばして 連れ去ってあげるよ!」と。その言葉通り、2人が背にした最強の翼が羽ばたき続ける限り、The Brow Beatの歌は風に乗って、いろんな時代を乗り越えながら、大勢の人々の心に響き続けるはずだ。
9年目へと踏み出したThe Brow Beat。次に2人が示すアクションを、今は心待ちにしていたい。

撮影◎菅沼剛弘
文◎長澤智典
■セットリスト<The Brow Beat 8th Anniversary Live「∞」unlimited>
2026年9月27日(日)東京・豊洲PIT
・日本
・ROCKET DIVE
・爆風
・Snow White
・21グラム
・Adam
<MC>
『仮面の告白
・灯篭流し
・unlost
・レオという獣
<MC>
・生き死に、愛我戯画
・Grind age
・離人
・輪廻の歌
ENCORE 1
・Member Call
・な訳ねぇだろ
・紡ぐ
・stray child
・睡蓮
ENCORE 2
・ワカラナイアイ
・アイリス
・Browbeat
■ライブ配信『The Brow Beat 8th Anniversary Live「∞」unlimited』
一般用 視聴券
¥3,500(税込)
[視聴券販売]
Streaming+
http://eplus.jp/tbb-st/
[販売期間]
9月23日(水・祝)12:00〜10月3日(土)21:00
[配信開始時間]
9月27日(日)17:00配信スタート予定
配信予定時間:150分間(変更となる場合があります)
[アーカイブ視聴期間]
10月3日(土)23:59まで
■LIVE DVD『The Brow Beat Live Tour 2026「愛我戯画-メガギガ-」』
2026年11月25日(水)発売
STORE http://thebrowbeat.jp/store/15576

【収録ライブ】
2026年6月10日(水) & 11日(木)
Zepp Shinjuku
2公演 2枚組 LIVE DVD
24P ブックレット付
価格:¥12,100(税込) *送料別途
品番:H3-0012
発売元:H3
[受注受付期間]
9月27日(日)22時〜10月9日(金)23時59分
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