【ライブレポート】w-inds.、デビュー25周年「このツアーで目標ができました。あと25年やろう」

2026.09.11 18:30

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w-inds.が8月26日、デビュー25周年を記念したツアー<w-inds. 25th Anniversary Best Single TOUR 2026 “GOLDEN SINGLES”>を東京・SGC HALL ARIAKEで開催した。彼らのデビュー日である3月14日、神奈川県・パシフィコ横浜国立大ホールからスタートしたこのアニバーサリーツアーの国内最後の公演のレポートをお届けする。

w-inds.の周年ライブといえば、ファンからリクエストを募ったり(10周年)、全シングル曲をパフォーマンスしたり(15周年)、ファンファーストでw-inds. crew(ファンの呼称)を全力で楽しませるのが常。25周年は、そんな彼らが、史上最強に愛を注いでファンの思い出に寄り添い、盛大におもてなしをする企画を年間通じて実施。25周年の1年間を通して、w-inds.の楽曲やみんなの思い出をとことんきらめかせていく“GOLDEN YEAR”にしようと、彼らは3月14日から1stアルバム『w-inds.~1st message~』収録曲を再録して12カ月連続で配信。同日から始まったツアーは“GOLDEN SINGLES”をタイトルに掲げ、シングル曲のみでライブを構成するという最強のBEST OF w-inds.なライブを全国で提供していった。

ライブが終わったいまも、頭のなかで輝きを取り戻した彼らの初期ナンバーがエンドレスで流れて続けている。彼らの仕掛けにまんまとやられてしまった。

「我々、このツアーで目標ができました。あと25年やろうと。50周年までまだ半分ですから」(慶太)
「感謝はたくさん伝えてきましたけど、ここまでいつも支えてくれてありがとう。ここからは俺たちがみんなを支えるから!」(涼平)
「このたび、25年目にしてみなさんはw-inds.crew(=ファンの呼称)からw-inds.になりました」(慶太)
「もうファンじゃなくて、みなさんもw-inds.のメンバーと名乗っていいから」(涼平)

これらは、ライブ中に2人の口から飛び出した名言。こんなw-inds.と、この先もいけるところまで一緒に歩んでいきたい。観客、スタッフ、関係者みんなをそんな気持ちにさせた素晴らしいライブだった。

w-inds.のデビュー記念日に幕開けした今回のツアー“GOLDEN SINGLES”、その国内最終日。駐車場には彼らと一緒にツアーを駆け抜けたトラックが停車している。ナンバープレートは彼らのデビュー日と同じ“314“。そのトラックも、今回は超久しぶりにw-inds.の25周年のアー写を使ったアドトラック仕様。こんなところにもスタッフのw-inds.愛が溢れていた。25周年のシンボルとなったアー写は「ありのままの、素の姿を見て欲しい」というメンバーの希望で撮影したもの。写真の2人は、これまでと違って肩の力が抜け、驚くほどナチュラル。こんな写真を撮りたいと思ったのも、本ツアーをシングル曲だけでやろうと思ったのも、きっと2024年に初期ナンバーのみで構成した<Nostargia>ツアー、最新アルバム『winderlust』を掲げて2025年に行なった<Rewind to winderlust>ツアーを経て、彼らが2人体制でも25年間のw-inds.につながる思い出や楽曲も表現できるようになった。その形をファンもポジティブに受け止めてくれたと確信できたからだと思っている。それが、w-inds.の自信となり、いまの彼らはまさに原点回帰したように、自然体できらめいているのだ。

両脇に階段をつけ、2段組のステージが設置された舞台。場内が暗転すると、舞台後方の画面に宇宙空間が広がる。そこに3つの流星が昇り、その流星がやがて2つになって溶けていく。3人から現在の2人体制へ、まるでw-inds.の歴史を表わしたようなオープニングムービーに続いて、ステージ上段にw-inds.が登場。前回のツアー同様、オープニングはペンライトは禁止。真っ暗な中、2人のシルエットが浮かび上がったあと、照明がパンとつくと、慶太と涼平は青いマントをまとっている。こんなw-inds.、久しぶりに見た。

静かに歌い出したのは、満月が欠け始める“十六夜”をモチーフに悲しい恋を歌った「十六夜の月」。驚きの選曲、だがオープニングムービーの流れを考えれば、申し分ないオープナーに、客席からはなんともいえない悲鳴がもれる。夜空の下、静かに波打つ海に月が浮かぶ幻想的な映像を背負いながら、ボーカルだけに徹する2人。昔から涼平の歌の潜在能力に気づき、2人になって以降、その才能を引きだしていった慶太と、それに答えるべく歌唱力をハイピッチで磨き上げていった涼平。いまのw-inds.だからこそ放てる両者のせつないハイトーンボイスで、聞く者の心を月光のように柔らかく照らして、w-inds.との“記憶”を静かに呼び覚ましていく。

そこにコネクトするためにも、彼らは本ツアーは全曲原曲キーで歌唱すること、オリジナルの振り付けを採用。さらに曲はメドレーにせずにフル尺でパフォーマンスすることにこだわっていた。映像が歴代のジャケットを飾った白亜の宮殿に変わり、マントを脱いだ2人は青いジャケットスーツ姿に変身。キラキラの王子様のような風貌の彼らに歓声が上がる。そして「Long Road」、「NEW PARADISE」、「変わりゆく空」とJ-POPな青春ナンバーを、4人のダンサーたちと連続でパフォーマンス。会場にはたちまち懐かしさと、いまも変わらず目の前で歌い踊るw-inds.にときめく幸せな空間が広がっていく。

「w-inds.、3月に25周年を迎えて、そこから5カ月。ツアーを回って東京に戻ってきました!」(涼平)
「今回やるのはシングル曲のみ。みんな、いろいろ思い出があるでしょ? その1つ1つの思い出を輝かせるパフォーマンスをしたいと思います。準備はいいですか?」(慶太)

慶太が会場を煽ったあと、「Love is message」が始まると、久しぶりに聞くこの曲に観客は歓喜。メンバーと一緒に指でL字を作る振りを繰り出す客席を見て、2人は爽やかな笑顔を浮かべる。さらに続けて、こちらも超久々のアクトとなる「Pieces」が始まると、ファンはさらに驚愕。ヴィジョンに映し出されるカラフルなカケラを見ていると、いろんな時代のw-inds.がパズルのように組み合わさっていまがあるんだという気持ちになっていく。そして、次に「キレイだ」が始まると、w-inds.はステージ上段へと移動。下段のスクリーンに“GOLDEN☆SINGLES”の文字がきらびやかに輝きだし、ここからショーアップされたステージを畳みかけていく。

「キレイだ」の間奏で、観客たちが黄色い歓声を上げるシーンもこの曲の大事な演出のひとつ。いまのw-inds.はこの曲の落ちサビをユニゾンで力強く歌い上げ、「キレイだ」をさらに輝かせていったところから、ディスコソウルな「SUPER LOVER~I need you tonight~」へと繋いでいく流れは、まさにGOLDEN。こでは、涼平が自分たちの1stライブをオマージュしたコール&レスポンスを繰り出し、客席もダンサーたちもはっちゃけまくり。

大きな盛り上がりに包まれた客席にw-inds.の初期代表曲「Paradox」を放つと、会場の空気がガラッと変わる。慶太の歌いだしひとつで、場内にせつなさが充満していくところがたまらない。涼平+ダンサー2人、慶太+ダンサー2人が上段下段のステージに分かれ、3人時代のフォーメーションで踊り、観客の感動を呼び起こしていったあと場内は暗転。逆光のなか、メンバーのシルエットが浮かびあがり、音とピンスポが交差するなか、始まったのは「Because of you」。ダンサーを交えた6人の動き、椅子、サウンド、照明、計算され尽くした圧巻のパフォーマンスでファンを魅了していった。

このあとメンバーは姿を消し、スクリーンにはデビュー前後、ストリートで3人でライブをやっていた頃の懐かしい映像がダイジェストで流れる。なにもかもがまだまだ幼い3人を見て、微笑ましい気持ちになったところに、白を貴重にした衣装に着替えた2人が登場。2人はそのまま両脇の階段に腰掛け、しっとりと「アメあと」を歌い出す。安定感抜群の説得力ある慶太の歌声と、昔の慶太を彷彿させるような涼平のピュアなハイトーンで“君に伝えたかった~いつでもそばにいるよ”“時を越えて 出会えた君の笑顔いつまでも”とと語り掛けるように歌う2人。その言葉だけでもウルウルなのに、ステージ上段ではダンサー3人がこの曲を踊っていて、それがシルエットだけで見えるという演出はたまらなかった。

さらにその感動をダメ押しするかのように、次の「TRIAL」は手書きのリリックビデオが登場。w-inds.のライブで歌詞が流れるのは本当にレアなこと。だからこそ、“何度だって 起き上がるよ 倒れても 痛くても”という歌詞にこれまでのw-inds.の道のりが自然と重なり、ファンたちは静かに号泣。その涙を、夏のツアーでは歌わないウィンターソング「約束のカケラ」を軽やかに歌い踊って、吹き飛ばしていく彼ら。と思いきや、この曲では“思い出は残るけど 想いは薄れてゆく”という一節が、大人になったいまだからこそ、過ごして人生の深みが歌に込められ、心が揺さぶられた。そう、w-inds.が歩んできた25年は、けして平坦な道のりではなかったのだ。

MCではそんな25年を慶太が振り返る。
「自分たちもみんなの人生もいろいろあったと思う。みんなもそうだと思うけど、自分たちもつらいことがあって。それを乗り越えたからこそ、いま心から楽しんですよ。乗り越えたからこそ、あのつらい時間が僕達を成長させてくれたと思う」(慶太)

「アメあと」からの中盤パートは、そんなw-inds.がいまつらい状況にあったり、この先につらいことがあったとしても、これを思い出して輝いて欲しいとうメッセージを歌にのせ、ファンに届けていったブロックだったのだ。

「w-inds.はいろんなジャンルに挑戦してきましたけど。俺たちがカッコよくありたいって自我に目覚めて、とんがってた時期は、そのせいで離れていった人たちもいて(笑)」(慶太)
「元気で可愛らしい僕らが好きっていう人たちは、ね」(涼平)
「でも、そんな人たちが今回たくさん戻ってきてくれてるんで、僕達のカッコいいところを!」(慶太)

自分たちの尖っていた時代をユーモラスにぶっちゃけたあと、ステンドグラスのチャペルをバックに映しながら歌い出したのは、ライブでは久しぶりの披露となるw-inds.初のバラードシングル「ハナムケ」。いまの2人のとんでもない歌唱力を思う存分浴びたあとは、「CAN’T GET BACK」からダンスナンバーを連発。この曲で、まずミュージックビデオと連動したパフォーマンスを仕掛けてファンを惹きつけたあとは、海外のトラックメイカーを器用した楽曲で自分たちの音楽性をどんどん広げていった「Addicted to love」をクールに歌って踊り、そこから日本の歌謡界でまっ先にEDMをフィーチャーしたキラーチューン「New World」を投下。今回はリミックスバージョンではなく、オリジナルバージョンだ。間奏はフォーメーションダンスではなく、慶太、涼平の順番でソロダンスをつないでいくと、会場はすさまじい勢いでヒートアップ! 曲が終わるとすぐさま「盛り上がりますね~」といって慶太が観客を讃え、「ホント嬉しいね」と涼平も思わず声を上げる。

「25年経っても、みんながこんなに新鮮に楽しんでくれて。これなら一生応援してくれる。それぐらいの愛情を感じました。だからこそ、お返ししたい。今回の“GOLDEN☆SINGLES”、この先も考えてるんで、25周年以降もw-inds.をご贔屓に」(慶太)
「同じ音楽を好きな者同士ですから。僕らも自分たちの音楽を守っていきたい思いがあって、それはみんなも同じ気持ちだと思うんです」(涼平)
「僕たちがパフォーマンスを辞めるとそれがストップしてしまう。ずっと更新し続けていくためにも、昔の曲も新しい曲も歌っていきます」(慶太)

そう宣言したあと、「Feel The Fate」からライブはデビュー当時のナンバーを連投してラストスパート。「はい、右肩回して~」という慶太の指示で準備運動をしてから、この曲恒例のダンスをみんなで踊ったあとは、2人の直筆メッセージとツアーロゴが入ったゴールドのテープが客席に降り注ぐなか、「try your emotion」をメンバーと観客が掛け合いで楽しく歌唱。そうして、黄金に輝く宮殿をバックに「Another Days」を、ファンとの絆を深めるように、歌詞の一つひとつを大切に歌い上げて、本編のラストはやはりデビュー曲「Forever Memories」しかない。この曲を通して、ここまでw-inds.を支えてくれた人々に“ありがとう”を伝えたあと、ステージ上段にいた2人は客席に背中を向け去っていく。その後ろ姿は、とても満足げで「こんな世界が見られるんだから、安心してこれからも俺たちについてきて!」といっているようだった。

アンコールはダンスミュージックで世界と日本をつなぐ風を巻き起こそうとしているw-inds.の最新作「Who’s the Liar」で幕開け。サウンドもコレオも「Forever Memories」から様変わりした自分たちを、涼平は「俺たちはこの両方の楽曲ができるのが楽しいし、そこが強みだよね」といって笑みを浮かべる。そして、慶太が「次は僕たちがとても大切にしている曲です」といったあと、「あの頃体制も変わってコロナ禍で活動もできなくて。でも、それを乗り越えたからこそ、いまみんなに会えて、こうして活動できてる。一番つらかった当時、自分たちに向けて書いたんですけど、みんながつらいとき、この曲が光になれたら嬉しいです」言葉をつないで、最後は2人体制になったw-inds.がリスタートした曲「Beautiful Now」をパフォーマンス。その姿は、これまで見たどのライブよりも凜々しくて、頼もしかった。

こうして、本編とアンコールでw-inds.の過去といまをしっかり繋いで、本ツアーの国内公演は終わりを告げた彼ら。1stアルバム曲をRe-Recordingした楽曲の連続配信リリースはこの先も続き、今回のツアーでやらなかった曲を主にパフォーマンスする<w-inds. FAN CLUB LIVE TOUR 2026 “Another Golden”>と題したFC限定ツアーも10月からスタート。25周年を祝うGOLDEN YAERはまだまだこの先も続いていく。

「ちなみに、僕たち25年やってますけど、まだ成功したと思ってませんから」(慶太)
「売れた記憶はないんで」(涼平)
「これから売れてくから」(慶太)

w-inds.25年目、ここからもっともっと売れて、日本の、世界のダンスミュージックに革命を起こして、50周年まで走り続ける。

取材・文◎東條祥恵
写真◎Kippei Ogata