【インタビュー】囁揺的音楽集団AsMRの2ndアルバム『GATE OF NO RETURN』、その全容を紐解く

「1枚目にしてベスト(至高の作品)と称された1stアルバム『MUSIC RECEPTOR』のリリースから、早くも3年。このたび、囁揺的音楽集団AsMRが2ndアルバム『GATE OF NO RETURN』を9月30日に発売する。
本作には、新曲はもちろんのこと、ゲーム『Lirac』の主題歌「cult à la carte」や、ボードゲーム『魔女のお茶会』シリーズのイメージソング「Maleficium」「カルデラの虎」など、いくつものタイアップ曲に加え、中恵光城、霜月はるかとコラボレートした楽曲も収録している。さらに、『少女革命ウテナ』のテーマ曲「輪舞 -revolution」もカバー収録した。メンバーいわく、「根底にある軸は揺るがず、変化球に富んだ表情を描いたアルバム」に仕上がっている。
発売に先駆け、9月19日に囁揺的音楽集団AsMRは、横浜みなとみらいブロンテで結成5周年記念ワンマンライブ<GATE OF NO RETURN>を行う。この日の会場では、2ndアルバム『GATE OF NO RETURN』の先行販売も行われる。
囁揺的音楽集団AsMRが2ndアルバム『GATE OF NO RETURN』に詰め込んだ、幻想浪漫と闇と病みを抱いたメタルシンフォニアな世界観の魅力を、4人が全曲解説という形で伝えてくれた。
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──2ndアルバム『GATE OF NO RETURN』の冒頭を飾るのが、INTRODUCTION/SEとして収録した「FLASHBACK」です。
Ayaka:「FLASHBACK」は、アルバムというGATEを開けるための鍵となるSE曲として作りました。この曲からは、不穏な演奏の中から溢れ出すように、わたしの語りがたくさん流れてきます。その言葉が、アルバムに収録した曲の歌詞に綴られていた一節であったり、このアルバムをイメージする言葉だったりします。しかも、それらの言葉をウィスパーで語るなど、いろんな表情を持って響かせています。つまり、聴こえてくるすべての言葉が、今回のアルバムのテーマと重なるものです。しかも、ぼそぼそと呟く声から、耳元で囁くような声、大きめの声で語る声など、それらが一気に脳味噌にガーッと入り込んでいく。そんなイメージで作り上げました。ぜひ細かい言葉まで拾って聴いてください。
──INTRODUCTIONとなる「FLASHBACK」を受けて、「Point of No Return」が流れてきます。とても重厚で、スケールのある楽曲ですよね。
Milli:メロディーラインと歌詞がとても美しいから、歌っていると気持ちが込み上げてきて、いつも涙声になってしまいます。楽器陣が奏でる壮大なアンサンブルや演奏の重厚感も魅力ですけど、メロディーラインの美しさもわたしの好きなところです。
Ayaka:「Point of No Return」とは、“引き返し不能点”のこと。“到達不能極”という意味を持つ、「ポイントネモ」という言葉が、この曲の元になっています。歌詞を書くうえで、プロデューサーに、「“人間の到達できない場所”を題材にしたい」と言われました。でも、それが場所の説明になってしまってはと思い、場所を擬人化して歌詞に落とし込みました。
GINA:この曲のギターのポイントは、ずーっと裏メロを弾いているところです。ヴァイオリンも裏メロを弾いていますが、emyu:とは違うメロディーを奏でることで、この曲の持つ壮大さや物悲しさをより深く描き出せば、Milliの歌声の綺麗な部分や悲しい表情にも、うまく寄り添いました。そこは、ぜひ聴いて確認してください。
──「ライトリライト」は、MilliさんとAyakaさんのデュエット曲です。
Milli:「ライトリライト」のテーマとなった「マンデラ・エフェクト」とは、事実とは異なることを、多くの人が「それが正しい」と思っている現象のこと。いわゆる「マンデラ効果」と呼ばれている現象を題材にしました。この曲では、わたしとAyakaがデュエットしています。わたしは「僕」の視点で、「君のことを愛している。たとえ殺めてでも、自分のものにしてしまいたい。一つになりたい」という思いを持って歌っています。でも、Ayakaが歌う「君」は、もう一つの世界では存在する人ではなく、概念を指しています。「自分が思っていることは現実とは限らない。何が真実なのかもわからない」という視点のもと、「誰がどこを歌っているのかわからないし、どの楽器がどのメロディーを弾いているのかわからない」、そういう曲として作り上げましたし、歌詞も、そこをモチーフにして書いています。

──心地よく弾む曲調なのも、「ライトリライト」の特色ですよね。
emyu::そうなんです。これまでの囁揺的音楽集団AsMRのGATE(LIVEの意)には、曲に合わせてRECEPTOR(ファンの呼称)が身体を動かしたり、飛び跳ねたり、拳を上げることはあっても、踊る曲はなかったからね。「ライトリライト」はまさに、「踊れる囁揺的音楽集団AsMR」を見せていく楽曲。すごくいい変化球を投げられたなと思います。
GINA:emyu:が「踊れる囁揺的音楽集団AsMR」と言ってくださったように、囁揺的音楽集団AsMRの楽曲の中でも特異な表情を持つ、ポップで、しかも跳ねている楽曲です。わたしはずーっと軽やかな音をカッティングしています。そこがポイントになっているのが一つ。もう一つは、「ちょっと渋いロックなノリを格好よく弾いている」こと。いわゆる、歪みすぎない音で渋めに演奏することを心がけながら、ときにはズキューンとしたインパクトを与えていく。そのために、普段のライブでは使っていないギターを使いました。曲の中で、アームを使った、すごくノイジーでロックなソロパートを見せています。サウンドプロデューサーに、「そこのソロは、布袋寅泰さんを降ろして」と言われたので、布袋さんが弾いているような気持ちになりながら、頑張って弾きました。
──続いては、ボードゲーム『魔女のお茶会』に登場する胡蘭麗のイメージソングとして作った「Maleficium」ですね。
emyu::「還リタイ夜 還レナイ夜」や「終わらない 止まらない」など、すごく歌詞が切ないんですよ。
Ayaka:『魔女のお茶会』に登場する胡蘭麗のイメージソングという理由もあって、魔女をテーマにしています。具体的にいうなら、”悪意のある魔法”をイメージして歌詞を書きました。囁揺的音楽集団AsMRの歌詞を書くうえでわたしが大切にしているのが、「痛みを愛する者たち」というイメージなんですけど。「Maleficium」には、狂気や残酷さ、冷酷さなどを記しています。その中に、一人の少女が心に抱く、切なさや孤独も綴りました。わかりやすくいうと、「病ンデレ」です。わたしが表現するうえで、「病ンデレ」の要素は大好物なので、それを「Maleficium」では表現しています。
emyu::Ayakaは病ンデレと言っていましたけど、人なら誰でも絶対にこういう感情って持っているんですよね。それを、表に出すか出さないかだけのこと。その感情を、Milliがめっちゃ歌い上げてくれるから、GATE中に隣で聴きながらグッときています。しかもボーカル始まりなんですよ。普通なら、先にコードを鳴らし、それで音階をつかんだうえで歌い始めますけど、Milliは絶対音感があるので、無音の状態からいきなり歌い出せるんです。だから、GATEの最後に持ってきても安心できるし、GATEの最後に披露すると、とっても映えるんですよね。
──「Tempestas Dei」は、霜月はるかさんとコラボレートした楽曲です。霜月さんが得意としているブルガリアンボイスを多用した楽曲であり、それを囁揺的音楽集団AsMRの世界と融合させたところが、とても新鮮でした。
Milli: 霜月さんと一緒に、いくつもの声を重ねて録りました。わたし自身、ブルガリアンボイスは初めての体験だったので苦労はしました。でも新しい扉を開いてもらえましたし、ブルガリアンボイスという表現方法が囁揺的音楽集団AsMRにもフィットしているというか、しっかりと囁揺的音楽集団AsMRの色として染め上げることができたなという印象です。
Ayaka:霜月さん自身の持っている世界観の一つが、囁揺的音楽集団AsMRと近しい面もあるからなのか、囁揺的音楽集団AsMRの世界観と重なる美しい歌声を表現できたなと感じています。それでも霜月さんとのコラボレートは、私たちの中に新しい風を吹かせてくれたなと感じています。歌詞の面でSFファンタジーな世界なのも、いつもの囁揺的音楽集団AsMRで表現している視点とは異なるから、そこも新鮮でした。
GINA:ギターとベースがジェント(Djent)系のメタルサウンドなんですよ。なので、ギターも7弦を使っています。「Tempestas Dei」は、リズムがすごく複雑で、ゴーストノートがいろんなところに入ってくるうえに、1番と2番を比べても異なるところに入ってくるから、そこを表現していくのがとても大変でした。ただ、ソロに関しては「好きに弾いてください」と言われたので、好き放題弾きました(笑)。演奏するのに苦戦もしますけど、GATEでやっていて楽しい楽曲です。

──囁揺的音楽集団AsMRが、カバー曲を。しかも、「少女革命ウテナ」のテーマ曲「輪舞 -revolution」を取り上げたのが嬉しい意外性でした。
Milli:「少女革命ウテナ」が放送30周年で、ご縁があったことから「輪舞 -revolution」をカバーさせていただきました。聴き慣れている曲ということもあって、いかに囁揺的音楽集団AsMRらしい歌い方をしていくのか、そこが苦労したポイントでした。
emyu::わたしも、無意識で演奏をすると原曲のパワーに引き寄せられてしまうし、それがわかっていたから、あえて原曲を忘れようと一つの方法を試しました。それが、純粋に譜面だけを見て、そこからインスパイアされた演奏を心がけること。譜面から読み取った音を軸に、そこへ「囁揺的音楽集団AsMRとして演奏をするならこう表現する」というスパイスを振りかけました。メンバーみんなそうですが、原曲にリスペクトがあるぶん、いかに違う面を見せていくのかは全員が苦労した部分でしたね。
Ayaka:コピー演奏になってしまっては、元も子もないですからね。本家では、綺麗なコーラスを生かしたうえで、格好よくロックに歌い上げていますけど「囁揺的音楽集団AsMR流にコーラスを入れるならこんな感じ」など、囁揺的音楽集団AsMRらしさを意識してカバーさせていただきました。
──舞台『ばけどろ』のオープニング主題歌として作り上げたのが、奇々怪々な和の要素を満載した「AYAKASHI奇譚」です。
Ayaka:「AYAKASHI奇譚」も、囁揺的音楽集団AsMRの中に新しい風を吹かせた曲になりました。歌詞は“百鬼夜行”をイメージして書きました。歌詞には、いろんな妖怪が出てくるので、どんな妖怪なのか、想像を巡らせながら聴いてください。「AYAKASHI奇譚」は、和の要素を詰め込んだ、囁揺的音楽集団AsMRとしても新しい要素を組み入れた曲になりました。中で、怪しげなわたしの語りも流れてきます。そこの言葉は、夢野久作先生が執筆した「ドグラマグラ」に出てくる、お坊さんが唱える言葉などを参考にして書きました。
Milli:「AYAKASHI奇譚」は、1曲の中でころころと曲調(表情)が変わっていきます。歌い方も、いろんな妖怪が次々飛び出すイメージで歌っているので、そこに注目してください。
GINA:わたしもこの曲が大好きなんですよ。百鬼夜行というテーマも大好きだったから、このテーマで曲を弾けるとなったときはすごく嬉しくなりました。曲調もポップだし、まるで“ロックナンバーで夏祭りをしている”感覚があるから、この曲が大好きなんでしょうね。
emyu::「AYAKASHI奇譚」の曲世界を描くうえで大切にしていたのが、「大正浪漫」でした。Ayakaちゃんが語る「嗚呼恐ろしき」の言い方も、演奏も、あえてエフェクトをかけて、古いラジオから聴こえてくるような音に仕上げています。めっちゃ大正時代的なんですよ。それこそ『鬼滅の刃』的な感じというか。その雰囲気を彷彿させるから、わたしは好きなポイントです。また、この曲では、アコーディオンを入れています。最初は打ち込みで対応しようと思っていましたけど、打ち込みだといい音の強弱感が出ないから、お友達のアコーディオン奏者の土屋恵ちゃんにお願いをして、弾いていただきました。その演奏が曲にめっちゃはまったことで、古き良きタンゴのような雰囲気を出すことができました。ヴァイオリンとアコーディオンの演奏が混じり合ったあの音色も、まさに大正浪漫ですよね。

──「a・ni・ma」は、小説『幸福の森』のテーマソングとして作り上げた、暗鬱な表情を持つ楽曲です。
Ayaka:作品自体は湿度のあるじっとりとした物語なんですけど、それを表現するうえでわたしは孤独さ、そして森の持つ綺麗さ、そしてそれだけではないちょっと怖い面を言葉にして落とし込みました。森って、ただ綺麗なだけじゃない。綺麗に見える石をどかしたら、中からじっとりと湿った土とそこで蠢く虫が出てきたりもするじゃないですか。ときには、森から抜け出せなくなるような怖さを覚えることもあります。そこから、いろんな湿り気のある思いが湧き上がり、この歌詞を書き上げました。
Milli:「a・ni・ma」は三拍子の楽曲で、前半はピアノの演奏に乗せて歌っています。心がけたのが、森の世界へ誘っていくような歌い方や演奏でした。歌声のキーでは、一番高いところがHigh Gなんですけど。それだけ高いと、普通なら張って歌いがちですが、そこをいかに抑えたうえで高いキーで歌えるか。そこが苦労したポイントであり、聴きどころにもなっています。あまり感情を出しすぎては世界観を壊してしまうので、あえて抑揚を抑えた歌い方も心がけました。
emyu::「a・ni・ma」は、耳をよーく使って聴いてもらうための曲。つまり、いかに聴かせるかをポイントに置いているます。同じバラードでも、囁揺的音楽集団AsMRには「トレモロ」や「Snow drop」という曲があります。2曲ともバラードであり、1曲の中に起承転結というストーリー性がしっかりとあれば、盛り上がる面もあります。でも「a・ni・ma」は、ずっと”静”を大切に表現していく楽曲。しかも、最後のほうで、少し“動”の表情も見せて終わります。むしろ、こういう曲があるからこそ、他の曲が際立つ面もありますよね。
──「カルデラの虎」は、ボードゲーム『魔女のお茶会』に登場するナンドンランドンのイメージソングとして作りました。まるで虎が吼えるような歌い方も、嬉しいインパクトを与えています。
Ayaka:「虎が吼える 轟音」と歌詞を書いたうえで、轟音を、英詞のような響きにして、吼えるような声にして歌ってもらう、そんな遊び心も取り入れています。歌詞の題材になったボードゲーム『魔女のお茶会』に登場するナンドンランドンが、「気高く、美しく、強い」キャラクターの持ち主。そこから、「みんなを束ねる強い女性」や「気高く、美しく、強く生きる女性」をイメージして書きました。言葉も、あえて強く、大きな存在感を放つ単語を選んでいます。
Milli:まるでスケールの大きな映画のエンディングで流れてきそうな曲ですよね。楽曲のテーマになっていたのが、「炎」でした。この曲を歌うときには、炎が燃え盛る中、わたし自身が太い樹木となり、たとえ炎の中であろうとずっと根っこを張り続けた気高き姿でいる……というイメージを持っていました。GATEで「カルデラの虎」を歌うときも、ライブハウスという土台にしっかりと根っこを張り、「みんなついてこいよ」という気持ちで歌っています。あと、「轟音」と歌うときもすごく気持ちいいんです。GATEだと、RECEPTORの熱気や熱狂もそこに加わるから、そのときそのときで血が騒ぎ、その場に相応しい「カルデラの虎」という姿に毎回染まっています。ぜひ、そこにも注目してください。
emyu::「カルデラの虎」は、GATEを重ねるごとにMilliの歌声に妖しさと怪しさが増していくから、毎回の演奏を楽しみにしています。「AYAKASHI奇譚」が和を意識した曲なら、「カルデラの虎」はアジアを感じさせる歌。それこそ、シルクロードや万里の長城、脈々と連なる火山のようなスケールの大きなイメージを、わたしはこの曲に感じています。なので、ヴァイオリンの演奏も中国の楽器の二胡が奏でるような、オリエンタルな旋律も意識して弾きました。
──次に流れるのが、ゲーム『Lirac』の主題歌「cult à la carte」です。
Ayaka:「cult à la carte」は、魔法使いと人間が共存する魔法学校を舞台にした、『Lirac』という作品のテーマソングです。先方から、「ハロウィンのような雰囲気の曲を」とオーダーがあり、サウンドプロデューサーのRookie.Fさんに曲を作っていただきました。ゲームの世界観とすごくマッチする楽曲になったと思います。囁揺的音楽集団AsMRの場合、怪しげなテーマで歌詞を書くことが多いですけど、今回は怪しさも出しつつ、かわいさを意識して歌詞を書けたので、そこも表現していくうえでの楽しさでした。
emyu: :「cult à la carte」は、1曲の中で表情がころっころと変わる曲なんです。曲調が変わるごとに曲の表情も変わるから、切り替えの瞬発力をすごく求められました。いきなり違う顔が次々に飛び出せば、一度曲が終わると見せかけて、またボーンと違う表情が飛び出すなど、まるでジェットコースターのような感覚で、次から次に変わる表情を味わえる曲です。
GINA:この曲はすごいチャレンジでした。1曲の中で、すごい勢いで表情が変わっていくんですよ。イントロで不穏で怪しいギターを弾いていたら、突然、ポップな表情に変わったり、いきなりジャズな表情に変わり、さらにロックなフレーズを弾くなど、表情も次々と変われるし、演奏する側もずっとハラハラしっぱなしで弾いています。そのぶん、RECEPTORにも驚きを与えられるし、みなさんもそこを楽しんでくださっています。

──アルバムの最後を飾ったのが、中恵光城さんとコラボレートした「MYOSOTIS」です。
Ayaka:囁揺的音楽集団AsMRとして初めてコラボレートさせていただいたのが、中恵光城さんでした。「MYOSOTIS」では、中恵さんが歌詞を書いてくださいましたし、囁揺的音楽集団AsMR史上一番ダークファンタジーな、すごく深いテーマの曲になりました。1本の劇のような楽曲で、Aメロ・Bメロ・サビという定義に縛られない、どこを切り取っても異なる曲に聴こえる印象を持ちました。とにかく展開が激しいうえに、同じ繰り返しがない楽曲です。リズムも、弾くフレーズも全部異なる難しい曲ですけどラストに向かって盛り上がっていく展開がすごく気持ちを高ぶらせてくれます。GATEでこの曲を演奏していると、みんなで気持ちを一つにして盛り上がって終われるというのもあって、アルバムでも最後に収録しました。
Milli:「MYOSOTIS」は、最初にストーリーテラーが出てきて、お話を語りながら始まります。そこから1ページずつ物語をめくっていくように展開していく楽曲です。物語自体は、いろんな展開を描き出すから、表情も次々と変わりますけど。最後には、1本の物語が終わるような、劇でいうなら、壮大な物語が盛り上がりを見せたうえで、幕を降ろしていくような楽曲になっています。
GINA:すごくいいなと思えるのが、1曲の中での展開がすごいところです。最初はストーリーテラーの語りに合わせて穏やかに弾きながら、そこから、いきなり演奏が激しく切り替わっていく。そういう表情の変化の妙味を味わってもらいたいです。ソロでも、先にemyu:が弾いて、そこへわたしが続いていきます。emyu:のソロのときは後ろで控えめに弾きながら、自分の番になるとガーッと出ていく。そういうメリハリや切り替えは、わたしに限らず、メンバーみんな意識して弾いているし、それをしっかりと理解したうえでみんな演奏をしているからこそ、成り立っているんだなと、わたしは感じました。
──完成した2ndアルバムの『GATE OF NO RETURN』、どんな1枚として仕上がったのか教えてください。
GINA 1stアルバム『MUSIC RECEPTOR』では、「これが囁揺的音楽集団AsMRだ」という世界観をわかりやすく提示しました。それを、すごく良い意味で裏切ったのが、2ndアルバム『GATE OF NO RETURN』だと思います。『MUSIC RECEPTOR』は暗く怪しい感じを突き詰めました。でも今回の作品は、タイアップ曲が多くてコラボレート曲もあるから、私たちらしい暗くて壮大な曲がありつつも、ポップだったり、踊れたり、いろんな囁揺的音楽集団AsMRを表現できた作品になりました。これまでの囁揺的音楽集団AsMRのイメージを良い意味で覆せたアルバムになったなと、わたしは感じています。
Ayaka:『GATE OF NO RETURN』というタイトル通り、一度、囁揺的音楽集団AsMRの世界に浸ったら、もう引き返せない。そうさせる力を持ったアルバムです。いろんな歌詞にも、「ようこそ囁揺的音楽集団AsMRの世界へいらっしゃいました。もう、ここから引き返せないですよ」というニュアンスを感じさせる言葉を散りばめていますから、そこも探して、楽しんでください。

──9月19日(日)には横浜みなとみらいブロンテで、 5周年記念ワンマンゲート<GATE OF NO RETURN>が行われます。その日に向けての言葉もお願いします。
GINA:もちろん、『GATE OF NO RETURN』に収録した曲たちをたっぷりお届けします。これまでの囁揺的音楽集団AsMRの印象でGATEに足を運んだら、きっと驚かれると思います。曲調が豊かになったぶん、表現していくうえでの表情も豊かになりました。何より、クラシック畑とロック畑という異なる環境にいたメンバーが集まり、5年間という時を一緒に過ごす中でお互いの理解度を深め、それを演奏として描き出せば、バンド力も着実に上げてきました。お互いの心の結びつきを深めた囁揺的音楽集団AsMRのバンド力を、ぜひ、この日のGATEで体感してください。
Milli:囁揺的音楽集団AsMRのワンマンゲートとしては、4回目になります。確実に個々のレベルも、バンドとしての結束力も、回数を重ねるごとにアップし続けてきました。とくに、『GATE OF NO RETURN』で新しい扉を開いたからこそ、今回のワンマンゲートでも新しい扉を開き、みなさんに新しい囁揺的音楽集団AsMRを味わってほしいなと思っています。その扉を解き放つGATEを、ぜひ体感してほしいんです。この日から、アルバムの先行リリースも会場で始まりますしね。まずは、アルバムに詰め込んだ衝撃を、ワンマンゲートを通していち早く感じてください。
文◎長澤智典
2nd Album『GATE OF NO RETURN』

2026年9月30日発売
MUEA-1028
¥3,300(税込)
「FLASHBACK」
「Point of No Return」(テーマ ポイント・ネモ)
「ライトリライト」(テーマ マンデラエフェクト)
「Maleficium」(ボードゲーム「魔女のお茶会」胡蘭麗 イメージソング)
「Tempestas Dei」(霜月はるか×囁揺的音楽集団AsMR コラボレーション楽曲)
「輪舞 -revolution」(少女革命ウテナ OPテーマ Cover)
「AYAKASHI奇譚」(舞台「ばけどろ」オープニング主題歌)
「a・ni・ma」(小説「幸福の森」テーマソング)
「カルデラの虎」(ボードゲーム「魔女のお茶会」ナンドンランドン イメージソング)
「cult à la carte」(ゲーム「Lirac」主題歌)
「MYOSOTIS」(中恵光城×囁揺的音楽集団AsMR コラボレーション楽曲)
<5周年記念ワンマンライブ「GATE OF NO RETURN」>
9月19日(土)
開場 18:00 / 開演18:30
[会場]
横浜みなとみらいブロンテ
https://www.bronth.live/access.html
[出演]
囁揺的音楽集団AsMR
[チケット]
¥5,000 +1D
■会場にて9月30日発売予定 2nd Album「GATE OF NO RETURN」超先行販売決定
チケット購入(WEBは偶数番号、ライブ会場では奇数番号にて販売)
https://www.funity.jp/tickets/muetike/show/AsMR260919/1/1