【ライブレポート】B ZONEプロデュースのゲームオリジナルガールズバンド“F-272”、1stワンマンで脱いだヴェールと濃密な1時間

メディアミックスプロジェクト『ガールズバンドクライ』発のオリジナルゲーム『ガールズバンドクライ First Riff』から誕生したバンド“F-272”が7月20日、東京・代官山UNITにて記念すべき初ワンマンライブ<F-272 1st ONE-MAN LIVE The Dissonant “I DOLL”>を開催した。これまでヴェールに包まれていたバンドが、遂にステージ上に姿を現し音を鳴らした記念すべき一夜のオフィシャルレポートをお届けしたい。
LUCA (Vo:加藤嗄生 / 19歳)、MIYU (G:黒宮八月 / 15歳)、TOWA (G:宇田川琴 / 18歳)、HINANO(B:浅井萌々乃 / 17歳)、YOSHI (Dr:中村有 / 17歳)によって2026年4月に結成されたF-272は、音楽事務所B ZONEのオーディションで選ばれた5人によるロックバンドだ。これまで素顔を明かしていなかった彼女たちが、7月13日配信リリースのネオインダストリアルなデビューデジタルシングル「Diorama」で音源を初公開し、初ワンマン<F-272 1st ONE-MAN LIVE The Dissonant “I DOLL”>を開催する。

F-272が所属するB ZONE GROUPは、高崎晃(LOUDNESS)、松本孝弘(B’z)、春畑道哉(TUBE)、増崎孝司(DIMENSION)など数々のギタリストを輩出してきた音楽事務所であり、F-272は同事務所初のツインギターを擁するガールズバンドだ。ステージ上には、ギターアンプやベースアンプ、ドラムセットが並べられており、余計な装飾を排した光景は、音そのもののを全面に押し出した一夜になることを告げているようだった。
いよいよ開演時間。どんな素顔で、どんな楽曲をどんな演奏で鳴らすのか。心臓の鼓動を模したSEが場内を満たし、期待と緊張が会場全体に交錯した瞬間、ステージを覆っていた幕が振り落とされた。デビュー曲「Diorama」のイントロが響き、F-272の5人が観客の前へ姿を現した。

前述したように、この日までに公開されていた楽曲は「Diorama」ただ一曲。オリジナル音源よりもさらにスピード感と緻密さを増しつつ、バンドサウンドは荒々しい。そして高速カッティングギターが突き刺さる「A Tragic Mirage」へ。映像演出も駆使しながら繰り広げられたのは、F-272というバンドの世界だ。3曲目「Neverland」はメロディとコーラスワーク、そしてアンサンブルの完成度の高さがバンドとしての幅と奥深さを裏付けた。
続けて、バンドのドキュメンタリー映像が流れ、初ライブに望む彼女たちの姿も垣間見ることができた。


ライブ後半の始まりを告げた4曲目「Sanctuary」はインストゥルメンタルナンバーだった。ベース、ドラム、ツインギターによる重厚なサウンドスケープがフロアを包み込む。5曲目の「UNDEAD」では、ギターのMIYUがリードボーカルを担当。ゲームとは別の独自的な表現と重なる歌声がF-272の音楽性の強さを見せつけた。「Shallow」では、ドラマーのYOSHIが性急なリズムと細かなハイハットワークを駆使。手数の多さやパワフルな音圧のみならず、バンド全体をドライヴさせるようなドラムプレイが楽曲の魅力を際立たせた。
そして本編ラストの「Ghost note」へ。どこか不穏で、しかし中毒性の高いこの曲が、もっとこのバンドの音を浴びていたいという余韻を残し、本編を終了した。


この日のセットリストはアンコールを含めて、すべてオリジナル曲だった。作詞作曲クレジットは明かされていないが、今後少しずつ明らかになっていくとのこと。そして、MCはほとんど存在せず、ひたすら楽曲に向き合い続けた初ワンマンは濃密な約1時間だった。ここで改めて、5人が持つポテンシャルについて触れておきたい。
壊れてしまいそうなほど儚く、一度耳にしたら忘れられない芯の強さを兼ね備えたボーカル・LUCAの歌声は、バンドの感情のすべてを代弁する。バンドの中枢とも言えるのが、MIYUとTOWAによるツインギターだ。複雑なフレーズを高い精度でコントロールし合い、楽曲の世界を構築していく。二人のアンサンブルはアートとして成立しているようでもあった。それを支えるリズム隊も強力だ。YOSHIのドラムプレイは、前述したようにパワフルでありながら楽曲に求められる温度感とダイナミクスを的確に描き分ける。ベースのHINANOはクールな佇まいとプレイでバンドの低音域を支配。無駄な動きをそぎ落としたラインで楽曲に荒々しさを重ね、F-272のサウンドをオルタナティヴな方向へと押し広げた。F-272が放つ個性はノイズとオルタナティヴを基調に、メインストリームともアンダーグラウンドとも異なる第三の地平を切り拓こうとしている…そんな未来図が垣間見えた。

そしてアンコールを含む全8曲が終わり、スクリーンに映し出されたのは次なるワンマンライブの告知だった。代官山UNITで確かな“First Riff”を刻みつけた彼女たちの次なる舞台は、2027年1月29日、神奈川・CLUB CITTA’ KAWASAKIで2ndワンマンとして行われる。
■1stワンマンライブ<F-272 1st ONE-MAN LIVE The Dissonant “I DOLL”>
2026年7月20日(月/祝)@東京・代官山UNIT セットリスト
1.Diorama
2.A Tragic Mirage
3.Neverland
4.Sanctuary
5.UNDEAD
6.Shallow
7.Ghost note
encore
en1. Diorama
■2ndワンマンライブ
2027年1月29日(金) 神奈川・CLUB CITTA’ KAWASAKI
※詳細は後日発表

■1stデジタルシングル 「Diorama」
2026年7月13日(月)配信開始
配信リンク:https://f-272.lnk.to/diorama
■ゲーム『ガールズバンドクライ First Riff』
・公式サイト:https://gbc-firstriff.com/
・公式X:https://x.com/gbc_firstriff

