【インタビュー】もりひ、顔に穴が空く“希少がん”と闘病中の22歳のシンガーがCLUB CITTA’公演前に語る「無理はしないけど無茶はする」理由とは

■ほんの少しでも昨日の自分に勝つ
■一緒に一歩ずつ頑張っていきましょう
──初ライブではマカロニえんぴつのカバーも披露されたと思いますが、生で初披露したオリジナル曲「ナカナイカノジョ」について、曲が生まれた時のエピソードを教えていただけますか?
もりひ:先ほどの話に少し戻るんですが、がんが再発したことがわかった時、周囲がみんな泣いてしまったんです。自分自身、小学校から闘病してきたから、“今後は恩返しをしていく新しいフェーズだな”と思っていた矢先の出来事だったので、“なんで大切な人を泣かせてしまうんだろう”と眼の前が真っ暗になって。でも、そんな時に彼女が「私は泣いてないから、前向いて頑張って」と言ってくれたんです。その時に生まれたのが「ナカナイカノジョ」。入院中にもたくさんメッセージをくれたり、見舞いに来てくれたり、本当に辛い時に支えてくれているのが彼女だったので、そういう想いがたくさん詰まった曲なんです。
──そんな大切な曲も披露した初ライブから、今度は5月11日のクラブチッタ川崎で開催されるライブイベント<もりひ unbreakable bond -We Can Do Anything->に繋がるわけですね。
もりひ:そうですね。あの日の体験があって、もっと大きい会場でいろいろな人に見てほしいなって思っていたタイミングで、「クラブチッタでライブをやってみませんか?」ってお話をいただいたんです。で、「やるしかないでしょ!」って。だから全部が繋がっているんだと思います。
──SNSにアップされている「カレンダー」「ラブソングは歌えないけれど」「消えたい夜に」など、オリジナル曲も初ライブ以上に多く披露されることになりそうですか?
もりひ:はい。自分で言うのもなんですけど、心を込めて作って、3曲ともめっちゃいい曲に仕上がったんです。期待していてほしいですね。
──ご自身がしんどい時や辛い時の気持ちも含めて、メロディに乗せて素直に落とし込んでいるので、なおさら滲みるんだと思います。
もりひ:自分が唯一素直になれる場所が音楽だと思っていて。明るく振る舞っていても辛い時は辛いので、そういう気持ちも音楽に乗せています。聴いてくださる方は僕のひとつひとつの歌詞に弱さであったりを受け取ってくれていると思うんです。普通ではなかなか経験できないことを経験した人生で、感じた想いを音楽に包み込んでいるので、汲み取っていただけたら嬉しいなと思いながら作っています。
──「少しでも助けになれば」とおっしゃってましたが、そう思うと同時に、もりひさん自身が弱さを吐き出すことで解放される部分もあるのではないですか?
もりひ:「消えたい夜に」という曲はまさにそうです。ダークな曲ですが、最後には希望を感じられるような終わり方をしています。
──もりひさんの生き様は多くの方に勇気を与えてきたと思います。悩んでいる方は多いし、今は世界的にも不安定な情勢にもなっています。そんな中、挑戦し続ける理由について教えてください。
もりひ:今って“どうせ自分なんか…”ってすぐに諦めてしまう人が増えていると思うんですよ。なぜか、自分のことを低く評価してしまうというか。僕は顔に穴が開いていて、口も全然開けられへんけど、ステージに立って歌っている僕を見てくれたら、“なんでもできるんじゃない?”って思えるんじゃないかなって。もちろん、いろいろな境遇の方がいらっしゃると思うし、挑戦するために踏み出す最初の一歩が一番しんどいということもわかっています。僕自身、どん底からの一歩が本当に大変だったので。でも、僕が毎日毎日何かしらに挑戦することで、“私も踏み出してみようかな”と感じてもらえたら素敵だなと思いますし、“この人がこれだけやれているんだから、自分もできるんじゃないかな”って感じていただけたら。やろうと思ったら、皆さんのほうが僕よりも絶対できると思いますよ。僕は凡人中の凡人なので。
──いや、そんなことはないですよ。
もりひ:凡人がハンディ背負って生きているので、僕ができることは、皆さんのほうが絶対にできると思います。こんなご時世ですけど、もっと自信を持って踏み出してほしいですね。
──ライブを約1ヶ月後に控えた今、どんな気持ちですか?
もりひ:もう今から緊張してます(笑)。でも、ライブ前の緊張もまた楽しいんですよね。陸上の試合前にちょっと似てるんですよ。
──ちなみに、クラブチッタという会場には思い入れが?
もりひ:昔、マカロニえんぴつが対バンで立たれたこともある会場ですよね。もちろんチッタは知っていたんですが、まさか自分がやるとは思ってもいなかったのでオファーをいただいた時は、そのメッセージを二度見しました(笑)。

──ギターはアコギとエレキを使用されていますね。アコギはZEMAITISのCAFシリーズ。
もりひ:ZEMAITISってカッコいいですよね。エレキギターとしてかなり知られているメーカーだと思うんですが、アコギのZEMAITISって渋いなって。
──しかもハート型のサウンドホールですね。
もりひ:はい。あまり人が持っていないものがいいなって。
──エレキはストラトタイプのYAMAHA PACIFICAですね。
もりひ:地元の楽器店でお勧めされたものなんです。赤いストラトにしたのは、マカロニえんぴつのはっとりさんを意識して。本当に大好きなので。
──5月11日のライブが楽しみですね。当日はもりひさんほか、ちぃたん☆KISS -愛のROCK BAND-、’97,Kids、圧ねぇ(OA)も参加します。
もりひ:こんな豪華な方々と一緒にやれるなんて、おこがましいですけど。本当にすごい方たちが集まってくださったので、みなさんが繋いできた音楽に恥じないステージをしようと思っています。タイトルの<もりひ unbreakable bond -We Can Do Anything->には音楽で繋がれたらいいな、という想いを込めました。
──さらに7月18日には地元・大阪のESAKA MUSEにてワンマンライブも控えています。もりひさんはよく「無理はしないけど、無茶はする」とおっしゃっていますが、もりひさんの行動自体がメッセージになっていますね。
もりひ:「無理はしないけど、無茶はする」っていうのは、そもそもマカロニえんぴつのはっとりさんが言ってた言葉なんですよ。その言葉に“わあああ”って感動して、今もその言葉を胸に生きています。なので、声が出る限り、心臓が止まるまで、前に進みます。このインタビューを読んでくれた方や、SNSとかライブを見てくださった方には、ほんの少しでも昨日の自分に勝つという意味で、一緒に一歩ずつ頑張っていきましょうって伝えたいですね。
──もりひさんの“座右の銘”ですね。
もりひ:僕の原動力になっています。
──もりひさんのライブを観に行くこと自体が、踏み出す一歩になるかもしれないですし。
もりひ:そうなったら最高ですね。
取材・文◎山本弘子

■ライブ<もりひ unbreakable bond -We Can Do Anything->
5月11日(月) 神奈川・川崎CLUB CITTA’
open17:00 / start17:45
出演:もりひ / ちぃたん☆KISS -愛のROCK BAND- / ’97,Kids / 圧ねぇ(OA)
▼チケット
前売 ¥5,000 / 当日 ¥5,500
2階ファミリー席(大人1名+子供1名) ¥7,000
※入場時1DRINK要
※小学生半額 / 未就学児無料
詳細:https://livepocket.jp/e/unbreakable
■<もりひ ワンマンライブ>
7月18日(土) 大阪・江坂MUSE
open18:00 / start19:00
椅子席 ¥6,000 / スタンディング ¥5,000 ※1D別¥600
※SOLD OUT