【鼎談】柿原徹也×荒幡亮平×林史也、15周年でたどり着いた『逢いたい』と“本物で居続けたい”理由

■「AM♯DRIVE」に対するアンサーソング
■15周年が特別で大団円じゃない
──先行配信曲「Magic of music」は荒幡さんの作曲提供曲ですが、どのようなコンセプトで制作を?
荒幡:これはコロナ禍で会いたくても会いに行けない人が多い中でリリースした「AM♯DRIVE」という曲に対するアンサーソングです。
ライブも自粛ムードだった中で、“そういう世の中を抜けたらみんなのことを迎えに行くよ”と作ったのが「AM♯DRIVE」で。今回は“みんなで集って一緒にまた歌おうよ”というような想いを込めて「Magic of music」を作りました。今ちょうど15周年に向けてライブツアーを組んでいる中で、今回のツアーは今まで行ってない場所もあるので、そう言うのも含めてアンサーソングになるのかなと思っています。
──歌録りのアドバイスは?
荒幡:歌録りは今回さほどディレクションせず、“自然に歌って”と言うようなディレクションでしたね。
柿原:りょぺが作ってくれて、宮嶋さんに歌詞を書いてもらって。(楽曲を作ってくれた方が)レコーディングにいるからといってプルプル…プルプル……ってする関係性でも無いので(笑)。
荒幡:そんな間柄じゃないもんね(笑)。
柿原:素直に俺に書いてくれてるんだからこそ、出来上がった頃にはある意味“俺に任せてくれてるよね”って気持ちで歌えました。
──楽曲を聞いたときはどのように感じましたか?
柿原:デモがあがってきて、“そう言うことだよね”って思いましたね。キラフェスの余韻を残したい、エモい曲でフェスの3日目に披露したい曲だと。
荒幡:キラフェスが終わった翌日配信で、《たった1日の空白が》という歌詞の一行目が、もうそういうことなんですよね。
──収録曲の順番は自然と決まりましたか?
林:基本的に曲順は僕が決めさせて頂いたんですけど、「フリークラッカー」は1曲目だなと考えていました。15周年イヤーの幕開け、キラフェスの1日目に発表した曲というところ、そして徹也さんから‘‘バンドも押していきたい”と言う話を以前に聞いていたので、意味合い的にも重要な立ち位置の曲になってるかなと考えて1曲目に選びました。レコーディングもバンドメンバーでして、動画にしたりもしましたね。「Magic of music」は僕も“まだまだ続くよ”と思っていたので最後にしました。
柿原:(ライブの時に)ダブルアンコールでこの曲で締めたのもあるもんね。
荒幡:そもそも、このアルバムなんで“逢いたい”なの?(笑)。
──確かに、『逢いたい』というタイトルに込められたメッセージを教えていただけますか?
柿原:15周年とかそういうのものありますけど、“15周年が特別で大団円じゃないよ”っていう…まだまだツアーもあるし、まだまだ出来れば歌い続けたいから、“まだまだ逢いたい”と言う意味も込めてるわけですよ。
一同:(拍手)
──“逢いたい”って凄くストレートな言葉で、逢いたいと思われることも、思うことも尊いものですよね。以前からそういう気持ちはあった?
柿原:以前からずっと想ってた気持ちではあるんですけど、僕の性格上、この言葉は結構ストレートだし、言わなかったんですよね。ようやくこういう言葉を使ってもいやらしくないというか、そういう年齢と音楽の歴になってきたところもあるのかなと。あとは仲間に巡り会えたのが大きいかな。
──これまで言えなかったのはなぜですか?
柿原:“絶対に嘘だろ”とか、“ファンが喜ぶから言ってるんだろう”って言葉選びに聞こえてしまうかなって。そういうバランスって絶対あると思うんですけど、15年やってきて初めて“この言葉を使っていいのかな”って気持ちになれた。基本的にアルバムのタイトルは写真とかジャケット、全てが出来上がってからつけるんで、撮影してデザインがあがって、睨めっこして、曲の並びや歌詞を見て、この言葉が浮かびましたね。
──ファンの存在も大きかったんですね。
柿原:……いま思ったんですけど、僕はふと“逢いたい”と思う派だけど、人生のなかで人に“逢いたい”って言われたことって…応援してくださっている方からしかないんですよね、本当に。
荒幡:いやいやいや、ごめん(笑)。逢いたい。
一同:(笑)
柿原:(言ってくれるのは)ふみやくらいかな?(笑)。アルバムの通常盤ジャケット写真はその子たち(ファン)が座っている座席なんですけど、俺に“逢いたい”と言ってくれる子たちがいて、その子たちの“逢いたい”って気持ち信じられるなと。
荒幡:今、知れて良かったです(笑)。
──(笑)。豪華盤CDのジャケットは、以前より講師として招いてくれている専門学校の校長先生に描いてもらったイラストだと伺いました。
柿原:そうなんです。声優として世に名が出て爆発的に講師依頼が来た中の一つの学校さんなんですけど、学校に行った際に先生とお話ししていたら、実は美術の先生でいらっしゃったと知って。“あなたには(僕が)どういうふうに映ってるんですか?”と絵を描いてもらいました。先生はもともとプロなのに、作品として世に出すことが少なくなってるから学校にも飾っていただければ先生にとっても良いのかなと感じて。





