【インタビュー】locofrank、7年ぶり8thフルアルバム『Resound』の意義深い革新度「しんどくてもええから笑いながら走り抜けたい」

2025.09.29 21:00

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■広がった感はめちゃくちゃあって
■可能性を感じる新作になった

──アレンジでいちばん難航した曲を挙げるとすると?

森:すっごく決まらなかったのは「Funrise」じゃないかな。サビを何パターン作ったか。

横川:でしたね(笑)。

森:そうなるとAメロも決まらなくなっちゃうし。

──テンポはずっと同じでした? 聴いてて絶妙なテンポだなと思って。

森:いや、上げたんじゃないかな。最初はもっとゆっくりだったような。

木下:すんごく試しましたね、あれは(笑)。

森:サビの疾走感がほしいけど、そこを求めすぎると「Aメロ速すぎね?」となったり。で、Aメロに合わせると「サビ遅くね?」みたいな。

木下:途中で、「この曲、もうええわ」って言ったし(笑)。

森:言ってた言ってた(笑)。

──そういったリズムに関するところは横川さんが引っ張るような?

横川:僕が結構気にしちゃうタイプなんですよ。疾走感を求めるとキックの入れ方に関わってくるんですけど、そこもいろいろ試したり。この曲は、テンポを上げてみても下げてみてもなかなかしっくりこなくて、試行錯誤した時間が結構あったと思います。

▲木下正行(B, Vo)

──この3人での初フルアルバムが完成した今、新たに見えたものはありますか?

木下:この新作というよりは、『THE LAST ANTHEMS』とかキッカケはいっぱいあったし。経てきた年齢もあるかもしれんけど、いろいろと広くなったかな、というのがライヴをやってても、喋ってても感じてて。そういう意味では楽しみではありますね、これから。

森:うん。広がった感はめちゃくちゃあって。新作を作り終えたばかりでこんなん言うのも何やけど……当分フルアルバムは無理やけど、曲自体は作りたいなと。これができるなら、もっと面白い曲も作れるんやろうなっていう可能性を感じる新作になったと思ってます。

──locofrankって制作を終えると「もう、何にも出えへん!」といつも言ってましたよね。

森:そうやったんですけど、今はまた違うのも作ってみたいなって思いますね。

──それぐらい充実した制作だったという。

横川:locofrankの良さは2ビートの曲ばかりではないことだって以前から思ってて。他のジャンルって言ったらちょっと飛びすぎかもしれませんけど、いろんなジャンルを取り入れながら、その中にロコ節があるっていうイメージなんですよ。だから、やれることは意外と多いんじゃないかな。正行さんが歌って、勇介さんがギターを弾いたらそれでいいよねっていう感覚だけではやりたくない。

──過去に寄りかかるのではなく、現在進行系のバンドとしてっていう。

横川:そこにこだわっていった先に、ロコ節っていうのがあるんかなと思うんですよね。

▲森勇介(G, Cho)

──今のlocofrankにとって、一番のモチベーションはどこにありますか?

森:大前提として、楽しいが前に出てくるようにはなったかな。そこは自分たちがlocofrankとどう向き合っていくかに関わってくるんだけど、そこすらも楽しめるようになってきてて。正直、そこがしんどかったら、続けるモチベーションを保つのもキツいやろうから。

──その先に目的や目指してるところがあったりは?

木下:これっていうのは……例えば、どっかに出たいとか、そういうのはないけど、楽しく終わりたいっていうのはあって。だから、すごい速く走ることを考えるより、ちょっとしんどくてもええから、笑いながら走り抜けたいかなって。

──リリースツアーが10月から始まりますが、その前にレーベルツアー<Bloody Ash Pressure TOUR 2025>がスタートしてます。ライヴの調子はいかがですか?

森:絶好調ですね。

横川:絶好調です。

木下:首はちょっとやっちゃったけどね(一同笑)。あまり言いたくないけど、やっぱり身体は正直だなっていうところはある。ただ、ライヴはいいですよ。もちろん演奏が上手いとかそういうんじゃないけど、いいんです。ずっと“ライヴをどうしたいか”でやってきたバンドでもあるし、今、納得ができるライヴをやれてる。思いっ切りできてるところも、自分を俯瞰で見てるようなときもあって。

▲横川慎太郎(Dr)

──“いいライヴ”というものに対する感覚って、昔と今では違います?

木下:個人的には違いますね。それこそ昔は命削ってみたいなところがあった。今、それがないのかと言われたらそうでもないねんけど、それプラス、楽しみたいというのが絶対に出てくるから。

森:若い頃なんて、“ライヴは楽しむもんじゃない。とにかく気持ちで”ってところがあって。もちろん、今もそれが悪いとは思わないんですけど、今はその気持ちの部分とlocofrankとして表現したい曲や演奏のバランスが取れたときが、いいライブのかなって。昔はあまり気づかなかったけど、そのバランスが良くなってくると体も心も楽しめるというか。

──より多くの人へ届くライヴができるということにもつながるんでしょうし。

横川:やっぱり3人が楽しくできたときが一番お客さんに伝わるんじゃないかなって。3人が気持ちよく演奏してるときは、お客さんの顔が違うなって感じるんです。いいライヴにはいろんな要素が大事やけど、最終的には3人が「最高やったな」って言えるライヴが一番なんじゃないかと思ってますね。

取材・文◎ヤコウリュウジ

 

■8thフルアルバム『Resound』
2025年9月3日(水)発売
【CD】IKKI-1029
レーベル: IKKI NOT DEAD
▼CD収録内容 ※全13曲
01 Second prologue
02 CHOICE
03 My dear darling
04 Time to go
05 Continue
06 COUNTRY TOWN
07 Rainmaker
08 What’s your name?
09 Favorite Background
10 Free to fly
11 LAST WORDS
12 Funrise
13 Reborn

 

■<locofrank presents Resound Tour 2025–2026>
▼2025年
10月03日(金) 大阪 Yogibo HOLY MOUNTAIN
10月07日(火) 高田馬場 CLUB PHASE
10月10日(金) 札幌 KLUB COUNTER ACTION
10月11日(土) 苫小牧 ELL CUBE
10月13日(月) 八戸 FOR ME
10月14日(火) 宮古 KLUB COUNTER ACTION
10月16日(木) 秋田 Club SWINDLE
10月17日(金) 酒田 MUSIC FACTORY
11月01日(土) 京都 GATTACA
11月02日(日) 鈴鹿 ANSWER
11月04日(火) 千葉 LOOK
11月05日(水) 越谷 EASY GOINGS
11月07日(金) 横浜 F.A.D
11月08日(土) 静岡 UMBER
11月09日(日) 岐阜 ants
11月27日(木) 高松 TOONICE
11月29日(土) 広島 4.14
11月30日(日) 松山 WstudioRED
12月09日(火) 盛岡 the five morioka
12月10日(水) 大船渡 KESEN ROCK FREAKS
12月12日(金) 仙台 MACANA
12月13日(土) いわき club SONIC
▼2026年
01月21日(水) 宇都宮 HEAVEN’S ROCK VJ-2
01月22日(木) 善行 Z
01月24日(土) 八王子 Match Vox
01月25日(日) 甲府 KAZOO HALL
01月27日(火) 長野 J
01月28日(水) 新潟 GOLDEN PIGS BLACK STAGE
02月08日(日) 名古屋 HUCK FINN
02月10日(火) 水戸 LIGHT HOUSE
02月13日(金) 下北沢 SHELTER
02月19日(木) 神戸 太陽と虎
02月20日(金) 賀 B-FLAT
02月24日(火) 福岡 CB
02月25日(水) 熊本 DJANGO
02月27日(金) 鹿児島 SR HALL
02月28日(土) 大分 SPOT
【FINAL series】
03月06日(金) 大阪 GORILLA HALL
03月19日(木) 仙台 RENSA
04月07日(火) 渋谷 Spotify O-EAST

 

関連リンク
◆locofrank オフィシャルサイト
◆locofrank オフィシャルX
◆locofrank オフィシャルInstagram
◆IKKI NOT DEAD オフィシャルサイト
◆IKKI NOT DEAD オフィシャルYouTubeチャンネル

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