27曲、79分08秒で振り返る脅威の記録

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■27曲、79分08秒で振り返る脅威の記録



「1」
2000年11月13日発売
TOCP-65600
2,800(tax in)

今年もビートルズ関連のニュースは賑やかだった。まず3月にはジョン・レノンの「イマジン」がリミックス/リマスターを経て“ミレニアム・エディション”として蘇ったのをはじめ、各メンバーのアップル時代のソロアルバムが相次いで再発。10月9日にはさいたま新都心に「ジョン・レノン・ミュージアム」がオープンし、「ジョンの魂」「ダブル・ファンタジー」がやはりミレニアム・エディションで再発された。また、足掛け5年に及んだアンソロジー・プロジェクトも、10月5日に書籍が発売されたことで1つの区切りをみたようである。

ファンにとっては浮き足だってばかりの1年だったわけだが、そんなこんなのミレニアム・イヴを締め括るのが、この「ザ・ビートルズ 1」というベスト・アルバム。ビートルズの全活動を総括するベストとしては「赤盤」「青盤」があるが、この「1」は英米チャートで1位を獲得したナンバーばかりを集めたもの。当然、シングルで発売された曲だけで、全27曲、79分というCDフォーマットいっぱいのヴォリュームである。

音のほうは24bitデジタル・リマスタリングに加え、NoNoiseシステムというものも採用されているということで、当たり前だが格段に良くなっている。特に初期の作品になるほど違いが顕著で、ジョージのギターはギンギンに立ってるし、ビートルズ・サウンドの要であるハーモニーもとてもクリア。『イエロー・サブマリン』のリミックス/リマスターで実績は保証済みだったが、リマスターだけでもこれほど印象が変わるとは正直思っていなかった。もちろんアナログ盤のように丸みを帯びた音ではなく、音に粒立ちを感じるところもあるが、どうせCDで聴くのであればやはりこれくらい抜けのいい音がいい。

リミックスやリマスターについては否定的な向きもあるようだが、今回のアルバムを聴いて感じたのは、やはり聴き馴染んだ音をいい音で追体験できるというのは、とても幸福だということ。昔は今よりもずっと貧弱なシステムで不満を感じつつ聴いていたわけで、ほとんどのリスナーも同じような状況だったと思う。CDプレーヤーの性能がほぼ上がりきった今、ソフト側もそれにマッチした音であってほしいというのは、当然の欲求ではないでしょうか。

ただ1つ難を言うとすれば、すでにいろいろなところで指摘されているように選曲だろう。もうリマスター/リミックスが出ている「イエロー・サブマリン」は抜いてでも、2ndシングルの「プリーズ・プリーズ・ミ ー」を入れたほうがコンプリート感は上がったような気がする。まぁ、この後全アルバムがリマスタリングされれば問題ないわけだけど、一体いつになるのかなあ。

■「ザ・ビートルズ 1」全曲リスト

※チャートは英がミュージック・ウィーク、米がビルボードによるもの。( )内はNo.1を獲得した週あるいは最高位です。

 

M-01 Love Me Do ラヴ・ミー・ドゥ
英:62年10月5日発売(最高位17位)
米:64年4月27日発売(64年5月30日から1週間)
日:64年5月5日発売


ご存知デビュー・シングルだが、実際にはポールが'58年頃に完成させていたといわれる。発売当初、英国では地元リヴァプールを中心に売れたものの全国的にはまだまだで、スマッシュ・ヒットにとどまった。米国では人気に火がついた後の64年4月に再発され、ナンバー1を獲得。ドラムスにセッション・ミュージシャンのアラン・ホワイトを起用したアルバム・バージョンと、リンゴが叩いたシングル・ヴァージョンが存在するが、今回収録されているのはもちろんリンゴのヴァージョン。

 

 
 

M-02 From Me To You フロム・ミー・トゥ・ユー
英:63年4月11日発売(63年5月2日から7週間)
米:63年5月27日発売(最高位41位)
日:64年4月5日発売


'63年1月のシングル「Please Please Me」、3月に同タイトルのデビューアルバムを経て発売された英国第3弾シングル。当時人気のあった歌手、ヘレン・シャピロのコンサート・ツアーに同行した際、移動中のバスの中で書かれたジョンとポールの完全な共作である。ジョンの黒っぽいヴォーカルとポールのハーモニーが絶妙なブレンド具合。この時期から英国での人気は全国に広がり、一気に加熱していく。

 

M-03 She Loves You シー・ラヴズ・ユー
英:63年8月23日発売(63年9月12日から4週間)(63年11月28日から2週間)
米:9月16日発売(64年3月21日から2週間)
日:64年4月5日
発売

ポールによる“かけ合いの歌”というアイデアが基になった初期を代表する名曲。予約だけで50万枚売れたということからも、すでにビートルズの追っかけファンが存在していることがわかる。“I”ではなく“She”という3人称を使った間接的な愛情表現、“Yeah”“Woo”にメロディを付けるなど、今でこそポップ・フォーマットのスタンダードとなった手法はこの曲から始まった。

 

 
 

M-04 I Want To Hold Your Hand 抱きしめたい
英:63年11月29日発売(63年12月12日から5週間)
米:64年1月13日発売(64年2月1日から7週間)
日:64年4月5日発売


ジョンとポールが一緒に書き上げた、これも初期の代表作。米ではこれがデビュー・シングルとなり、7週間トップに居座り続けた。英でも「She Loves You」と入れ替わりで1位に輝いた、ほとんどバケモノのような曲である。今回のリマスターで右チャンネルのジョージのギターが随分クリアに聞こえるようになった。

 

M-05 Can't Buy Me Love キャント・バイ・ミー・ラヴ
英:64年3月20日発売(64年4月2日から3週間)
米:64年3月16日発売(64年4月4日から5週間)
日:64年4月5日発売

英6枚目のシングルとして発売されたポールの作品。予約だけで英100万枚、米210万枚という驚異的な売上を記録した。イントロなし、サビからいきなり始まるスタイルはプロデューサーのジョージ・マーティンのアイデア。先日出版された「アンソロジー」の中でジョージは、この曲を録音し直した際に当時は2トラックだったため前の録音が残っている、と語っているが、件のギターもリマスターによってよく聴こえる。

 

 
 

M-06 A Hard Day's Night ア・ハード・デイズ・ナイト
英:64年7月10日発売(64年7月23日から3週間)
米:64年7月13日(64年8月1日から2週間)
日:64年8月5日
発売

初の主演映画『ビートルズがやって来る ヤァ!ヤァ!ヤァ!』の主題歌。前のシングルはイントロなし、この曲ではジョージのリッケンバッカー12弦ギターによる“ジャーン”である。自由奔放ながら、なんとも心憎い演出。ダイナミックな曲調がサビに入ると一転して寂しげになるところなど、ホントうま過ぎ。パーカッションの大幅なフューチャーも画期的だった。

 

M-07 I Feel Fine アイ・フィール・ファイン
英:64年11月27日発売(64年12月10日から5週間)
米:64年11月23日発売(64年12月26日から3週間)
日:64年1月5日
発売

カントリータッチのギター・リフとR&Bテイストが上手く組み合わされたジョンのナンバー。これもギターのフィードバックによるイントロが印象的だが、ジョンがギブソンのJ-160E(アコースティク・ギターだがピックアップが付いていてアンプから音を出すことができる)をいじっていたときに偶然飛び出したもの。こういうハプニングをそのまま素材にしてしまったのも、ビートルズが始めてじゃないだろうか。あと、このフィードバックの後ろでくしゃみみたいな音が聞こえるけど、なんだろう?

 

 
 

M-08 Eight Days A Week エイト・デイズ・ア・ウィーク
英:シングル発売なし
米:65年2月15日発売(65年3月13日から2週間)
日:65年2月5日発売


ジョンとポールの共作で、ヴォーカルも2人で分け合っている。当初は2作目の主演映画の主題歌になる予定だったが、決定的なインパクトに欠けるという理由で「Help」にその座を譲ることに。しかし、フェイド・インで始まる美しいイントロ、2人のコーラス、親しみやすいメロディなど、聴きどころがタップリの名曲。しかし、こうして聴いてると初期のビートルズはイントロ(つかみ)に命賭けてるなあ。

 

M-09 Ticket To Ride 涙の乗車券
英:65年4月9日発売(65年4月22日から3週間)
米:65年4月19日発売(65年5月22日から1週間)
日:65年5月15日発売


硬質なギターの音色とタイトなドラムをバックに、憂いを帯びたジョンのヴォーカルが聴けるナンバー。イントロの12弦ギターはもちろんジョージ。リード・ギターはポールが弾いている。起伏に富んだベースラインにも注目したい。ジョンはこの曲を“最も早いヘヴィ・メタル・レコード”と後述している。

 

 
 

M-10 Help! ヘルプ
英:65年7月23日発売(65年8月5日から3週間)
米:65年7月19日発売(65年9月4日から3週間)
日:65年8月15日発売


2作目の主演映画『Help!』の主題歌。ジョンの個人的なお気に入りナンバーでもある。タイトルを叫ぶ歌い出しから畳みかけるようにコーラスの掛け合いに入る。最初に聴いたときはほんとにビックリして、何でこんな曲ができるんだろうと思ったもんだ。こういうかけ合いコーラスは今となっては古いのか、最近の曲では聴かれないけれど、ハマッてるとやっぱりかっこいい。

 

M-11 Yesterday イエスタデイ
英:76年3月8日発売(最高位8位
米:65年9月13日発売(65年10月9日から4週間)
日:65年11月15日発売


夢の中でインスピレーションを得たというポールの超名曲。メンバーに弾き語りで聴かせたところ、リンゴが「この曲にドラムを入れるなんてナンセンス」と言い、ジョージ・マーティンがポール1人でレコーディングすることを勧めたというエピソードが「アンソロジー」に紹介されている。ともかく、この1曲でビートルズは、彼らのことを単にうるさい音楽をやる連中と考えていた人達に完全に勝利してしまった。

 

 
 

M-12 Day Tripper デイ・トリッパー
英:65年12月3日発売(65年12月16日から5週間)
米:65年12月6日発売(最高位5位)
日:66年1月15日発売


ビートルズが飛躍的な成長を遂げたアルバム『ラバー・ソウル』と同時期に作られたシングル。ジョンが作ったフォーク・ナンバーがベースだが、結果的にはとてもアグレッシヴなロックに。なんといってもギターとベースのユニゾンによるリフがかっこいい。浮気な女性を題材にとった歌詞だが、実はドラッグ・ソングであることをジョンは認めている。

 

M-13 We Can Work It Out 恋を抱きしめよう
英:65年12月3日発売(65年12月16日から5週間)
米:65年12月6日発売(66年1月29日から1週間)
日:66年1月15日発売


ジョンが演奏するハーモニウムの音色と、それをバックに歌うポールのソフトなメロディが独特のムードを醸し出す。ジョンが書いたサビではそれが一転して寂しげで悲痛なメッセージに。サビとエンディングの変拍子が効いているが、これはジョージのアイデアだという。

 

 
 

M-14 Paperback Writer ペイパーバック・ライター
英:66年6月10日発売(66年6月23日から2週間)
米:66年5月30日発売(66年6月25日から1週間)(66年7月9日から1週間)
日:66年6月15日発売


数あるビートルズ・ナンバーの中でも、最高にスリリングなイントロを持つ曲の1つ。ドライヴしまくるポールのベースも秀逸。売れない小説家が自分を売り込む詩はユーモラスだが、彼らが単純な恋愛沙汰を歌うことから卒業したことを如実に示している。コンサートで演奏された最後のシングルとなったが、メンバーはもはやこの曲をライヴで再現すること限界を感じていて、宣伝用の映像を撮影している。これが、まさしくプロモーション・ビデオの先駈け。

 

M-15 Yellow Submarine イエロー・サブマリン
英:66年8月5日発売(66年8月18日から4週間)
米:66年8月8日発売(最高位2位)
日:66年9月5日発売


ポールが書いてリンゴに贈った曲。確かにほのぼのとした語り口のヴォーカルが曲の持つ雰囲気にマッチしている。波の音やエンジン音といったSE、スタッフも参加したセリフなどさまざまな音が飛び交い、船上の共同生活を描写。アルバム『リボルバー』に収録され、後にアニメーション映画のテーマとなった。

 

 
 

M-16 Eleanor Rigby エリナー・リグビー
英:66年8月5日発売(66年8月18日から4週間)
米:66年8月8日発売(最高位11位)
日:66年9月5日発売


「Yesterday」で成功したストリングを再び取り入れたポールの格調高い名作。当時ポールはヴィヴァルディなどのバロック音楽を愛聴していたという。エリナー・リグビーという名前は、映画「Help」の共演者とブリストルにある店からとったらしいが、リヴァプールの墓地には実際にリグビー、歌詞に登場するマッケンジーという人物の墓がある。

 

M-17 Penny Lane ペニー・レイン
英:67年2月17日発売(最高位2位)
米:2月13日発売(67年3月18日から1週間)
日:67年3月15日
発売

タイトルはジョンが幼い頃住んでいた家のそばにあるバス通りの名前。歌詞に登場する建物や店は実在し、現在はファンの巡礼スポットになっている。多彩なホーン・セクションを用い、晴れやかな中にも哀愁を帯びた曲に仕上がっている。カップリングの「ストロベリー・フィールズ・フォーエヴァー」もジョンの家に近い孤児院のことで、図らずも故郷の思い出がモチーフになったシングル。

 

 
 

M-18 All You Need Is Love 愛こそはすべて
英:67年7月7日発売(67年7月19日から3週間)
米:67年7月17日発売(67年8月19日から1週間)
日:67年8月5日
発売

フランス国歌やバッハ、グレン・ミラーなどの旋律がそこかしこに顔を出すピースフルなナンバー。67年6月に世界31カ国で衛星生中継された番組、『アワ・ワールド』のためにジョンが書き下ろした。『ラバー・ソウル』の中の「The Words」でストレートに“愛”を歌ったジョンが、再び同じテーマを展開。さらにその後、この壮大なテーマは「Love」というシンプル極まりない名曲となって実を結ぶ。

 

M-19 Hello Goodbye ハロー・グッドバイ
英:67年11月24日発売(67年12月6日から7週間)
米:67年11月27日発売(67年12月30日から3週間)
日:68年1月10日発売


次第に難解になっていく歌詞への反動なのか、この曲では意味の取り違えなど、しようにもできないほどシンプルなセンテンスで“心のすれ違い”を表現している。美しいコーラスワーク、中盤の“Why,why,why……”と歌う部分のエコーは、今回のリマスターによって余すところなく再現されてると思うのだが、いかがだろう。

 

 
 

M-20 Lady Madonna レディ・マドンナ
英:68年3月15日発売(68年3月27日から2週間)
米:68年3月18日発売(最高位4位)
日:68年4月21日発売


ポールのオールド・タイミーなヴォーカルがたっぷりとフューチャーされた豪快なロックンロール。サックス・ソロとともに入るコーラスは、薄い紙を口に当てて歌っているそうで、いわば草笛のようなもの。なお、このシングルのB面には初めてジョージの曲「ジ・インナー・ライト」が収録されている。

 

M-21 Hey Jude ヘイ・ジュード
英:68年8月30日発売(68年9月11日から2週間)
米:68年8月26日発売(68年9月28日から9週間)
日:68年9月14日発売

ビートルズ最大のヒットとなったポール一世一代の大曲。淡々とした導入から壮大なエンディングのリフレインまで、7分を超える長尺ながらそれを感じさせない素晴らしさ。当時シングル盤にまともに入る長さは4分が限界だったそうだが、小さい音を圧縮するようにして盤の溝を稼いだというエンジニアの努力にも頭が下がる。ビートルズ自身が設立したアップル・レーベルからの最初のシングルとして発売された。

 

 
 

M-22 Get Back  ゲット・バック
英:69年4月11日発売(69年4月23日から6週間)
米:69年5月5日発売(69年5月24日から5週間)
日:69年6月1日発売


「レディ・マドンナ」の流れを受けたストレートでタイトなロックンロールナンバー。ライヴで録音されたため、初期のような生々しいサウンドに回帰している。キーボードにはジョージが連れてきたビリー・プレストンが参加し、スタジオ内の張り詰めたムードを一気に和やかにしてしまったという。

 

M-23 The Ballad Of John And Yoko ジョンとヨーコのバラード
英:69年5月30日発売(69年6月11日から3週間)
米:69年6月4日発売(最高位8位)
日:69年7月10日発売


69年3月にジブラルタルでオノ・ヨーコと結婚式を挙げたジョン。この曲では式に至るまでのひと騒動や、2人が行なった「ベッド・イン」「ドングリ・イベント」の様子をユーモラスに、いくぶん愚痴っぽく歌っている。歯切れのいいドラムスとベースはポールが担当。

 

 
 

M-24 Something サムシング
英:69年10月31日発売(最高位4位)
米:69年10月6日(69年11月29日から1週間)
日:69年11月21日発売


「ホワイル・マイ・ギター・ジェントリー・ウィープス」「ヒア・カム・ザ・サン」と並ぶジョージの大傑作。美しいメロディと穏やかな曲調、ひたひたとサビに向かって盛り上るところなど、まさにジョージの真骨頂だ。ポールのベースについてジョージは音が多過ぎると言っているが名演だし、リンゴのドラムスも効果的。『アビイ・ロード』の中でもとりわけ完成度の高い曲になっている。

 

M-25 Come Together カム・トゥゲザー
英:69年10月 6日発売(最高位4位)
米:69年10月31日発売(69年11月29日から1週間)
日:69年11月21日
発売

それまでのビートルズのイメージを一新するかのような、ジョンによる斬新なナンバー。ジョンは「ティモシー・リアリーが大統領選に出馬したさいのキャンペーンソングとして書いたけど、結局却下された」と言っている。ファンキーなリズムとソウルフルなベース、ジョンの力の入った歌いまわしなど聴きどころが多い。リンゴのドラムはここでも大活躍で、曲に独特の緊張感を与えている。

 

 
 

M-26 Let It Be レット・イット・ビー
英:70年3月6日(最高位2位)
米:70年3月11日(70年4月11日から2週間)
日:70年3月25日発売


英での最後のオリジナル・シングルで、日本でも最も売れた。ジョージ・マーティン、フィル・スペクターそれぞれがプロデュースしたヴァージョンが存在するが、今回収録されているのはジョージによるシングル・ヴァージョン(青盤に収められているほう)。ジョージのギターがよりフューチャーされているのが特徴だ。

 

M-27 The Long And Winding Road ザ・ロング・アンド・ワインディング・ロード
英:発売なし
米:70年5月11日発売(70年6月13日から2週間)
日:70年9月5日発売


ビートルズ有終の美を飾る、感動的なバラード。ポール以外のメンバーとフィル・スペクターが無断でストリングスを入れたため、ポールとジョージ・マーティンが激怒したという哀しいエピソードはあるが、作品自体はそんなことが嘘のように美しい。
 
(文●佐伯幸雄)
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