Ryoと大蔵が今のケツメイシのすべてを語る<第二部>アルバム作りの基本は、1曲1曲にテーマ性を持たせて

ポスト



──(笑)アルバムの話に戻りますが、ストリングスが印象的な「そばにいて」や、「上がる」のイントロのあたりはスパニッシュですが、よくよく聴き進んでいくとどちらもレゲエがベースになってるんですね。

大蔵:そうですね。みんな、やりたいことがいろいろありまして、一つのジャンルでもそれにいろんな和音とかリズムを変えただけで、そこに歌詞が乗ってみんなの歌とラップが入ると、“ケツメイシ”というものになると。ミクスチャーっていうのでもないですけど。

──でも“ミクスチャー”といってもいいぐらい、いろんなものが融合してますよね。

大蔵:そうですね、“良いものは良い”っていう風潮がみんなの中にあって。ま、その中でもRyoさんはちょっと厳しいんですが。

Ryo:いや、僕は諦めました。昔は「こんなの歌いたくない!」みたいなのもあったけど、今じゃすっかりサビを一緒にコーラスしたりとか。今まではそんなことなかったんですけど。

──ところで毎回、アルバムを作る上で全体的なテーマみたいなものは考えるんですか?

Ryo:それ、よく訊かれるんですけど、実際にそんなこと考えて作ってる人っているんですかね?僕らは1曲1曲作り込んでくタイプなんですね。1曲集中で。基本的にバカなんで(笑)、そこまで考えられないんですよ。1曲1曲作って、その中で足りないのはどんな曲だろう?っていうので、足りないものをジャカジャカって駆け込みで作ったり。

大蔵:こういうインタビューなどで、雑誌の方とかに深読みされちゃったりして、「このアルバムはこういうコンセプトで作られたんじゃないですか?」とか言われると……、

Ryo:「あ、それイイですね」と(笑)。いただきます、と。

大蔵:どんどん取材をしていくうちに、自分たちでもアルバムの全体像が分かっていくという(笑)。作ってる段階では、1曲1曲にテーマ性を持たせて一生懸命やってるんですけど、それ以外は他力本願というか。後付けというか。

取材・文●梶原有紀子



この記事をポスト

この記事の関連情報