01.ザ・ルート・オブ・オール・イーヴル 02.ジ・アンサー・ライズ・ウィズイン 03.ジーズ・ウォールズ 04.アイ・ウォーク・ビサイド・ユー 05.パニック・アタック 06.ネヴァー・イナフ 07.サクリファイスド・ソンズ 08.オクタヴァリウム
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| ――2004年の来日時は時差ボケがひどかったみたいだけど、今回は大丈夫?
マイク・ポートノイ(以下、マイク):前回は、たまたまDVDにそういうシーンが収録されてたからね。実は今回も時差ボケなんだよ。
ジョン・ペトルーシ(以下、ジョン):日本のオーディエンスの前でプレイしてるガイジンアーティストは、絶対みんな時差ボケなんじゃないかな?
──6月8日に全世界同時発売のニューアルバム『オクタヴァリウム』は、70年代のプログレッシヴ・ロックの空気をビンビン感じるけど、これはコンセプトなのかな?
マイク:ドリームシアターの音楽は、これまでもプログレッシヴの要素が色濃く出ているものが多い。タイトル曲の「オクタヴァリウム」も伝統的なプログレッシヴ・ロックって感じだし、全体的にも確かにそういう雰囲気はあるとは思う。でもモダンな要素もあって、例えば「パニックアタック」や一曲目の「ルートオブザイーグル」は、明らかにグルーブ主体で、モダンで今風な要素も盛り込まれてる。
──「オクタヴァリウム」って曲は、歌詞の内容もそうだし、70年代のプログレッシヴ・ロックをリスペクトしている内容なのか、70年代のプログレッシヴ・ロックに囚われてしまって出口が見えない自分達を苦しんでいるのか、その両方の解釈をどうすればいいのか悩んでしまうところがあったけれど。
マイク:いや、この曲はプログレッシヴ・ロックというジャンルについて語っている曲じゃないんだ。これはアルバム全体に言えることなんだけど、このアルバムはある意味コンセプト・アルバムなんだ。それは、例えば『メトロポリス・パート2』のような全体的にストーリーが一貫してあるコンセプトアルバムではなくて、ピンクフロイドの『狂気』に通ずるように、一つのテーマがあってその回りに作られた、という意味でのコンセプトアルバムなんだ。だから「オクタヴァリウム」も、そのテーマにのっとった曲ではあるんだけど、ストーリーがあるってわけではないんだよ。
──「オクタヴァリウム」イントロは、ピンク・フロイドの「シャイン・オン・ユー・クレイジー・ダイアモンド」のイントロが出てきたり、ミニモーグ、ハモンド、メロトロンが出てきたりと、これまでのドリームシアターの音とかなり変わった印象がある。ギターのトーンもこれまでのような攻撃的なトーンがなくなってるけど、それは、コンセプトを意識して音を変えていった?
ジョン:これまでのドリームシアターの典型的なギターサウンドは、アグレッシブで速くて、ギターの占める割合が全体の中で高かったと思う。でも、「オクタヴァリウム」ってプログレの曲だけど、プログレにしては、あまりキーボードが幅をきかせてないだろ。そこは意識した。でも、ギターのトーンは変えてないんだ。機材、アンプ、ギターも他の曲で使ってるのと同じ。何が違うかと言えば、アプローチが違うんだ。例えば、他の曲であればフルコードで弾くところを単音にしたり、そういった部分だね。そういう意味で、一歩引いたところにギターを置いているんだ。あとミックスの仕方も工夫をしていて、パワーはあるんだけど、ギターはあくまでもオーケストレーションの一環という捉え方をしてる。例えば「オクタヴァリウム」の最後にギターがメロディを弾いてるけど、そこもソロでなく曲の中の一部。そういったアプローチの違いが出てるんであって、トーンを変えたのでなく、70年代風だからビンテージサウンドを求めたとかそういうことではないよ。
──もう一つ印象的だったのが、ジェームズ・ライブリエのヴォーカルパートの比重がとても大きくなっている点だね。
マイク:そうかなぁ。ジョンは気づいてた?ただ言えるのは、二枚目の「イメージズ・アンド・ワーズ」以来、初めてインスト曲がないんだよ。いつもある10分くらいの長いインストがないので、そういう印象をもったのかもしれないね。 >>>インタビュー後半に続く>>> |
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