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「かっこいい男性ジャズ・ヴォーカリストの時代」といえば、フランク・シナトラが女性ファンを悩殺していた1940年代。そして、それから60年が過ぎた現在、時代はふたたび「男性ジャズ・ヴォーカル全盛期」を迎えている感がある。そのさきがけとなったハリー・コニック・ジュニアはもはやベテランというべき風格を身に付けているが、ここ数年ジェイミー・カラムやマイケル・ブーブレが相次いでブレイクし、小粋でスウィンギーなジャズ感覚の中に新しいセンスを加味した歌唱で、広い層から支持されていることはみなさんご存じの通り。そして今、さらに新しいスターが、豪華なメンバーと大物スタッフたちのサポートを受けて颯爽とシーンに登場した。カナダはトロント出身の28歳、マット・ダスクである。

男っぽさとあどけなさがブレンドされた甘い風貌、シナトラを想起させるスウィング感と、意外とドスの効いた迫力が感じられる歌唱力、伝統的なジャズ・ヴォーカルだけではなく、クラブ・ミュージックや90年代以降のロックを通過していることが明らかに分かる音楽的センス。カラムやブーブレ以上に、マット・ダスクは「21世紀のシナトラ」になれる資質や才能を持っているように思える。『バック・イン・タウン』は、2004年の『トゥー・ショッツ』に続くメジャーからの2作目だが、若々しい勢いのよさと共に、早くも緩急自在なふてぶてしさや余裕が歌唱の端々からにじみ出ているところが頼もしい。日本におけるデビュー作となるこのアルバムで、ダスクは押しも押されぬインターナショナルなスターになることだろう。

1978年11月19日、カナダのトロントに生まれたダスクは、幼少のころから歌手を志し、セント・マイケルズ・コワイア・スクールという音楽学校でオペラ歌手になるための教育を受けていた。それが一転してジャズ歌手を目指すようになったきっかけは、彼が17歳のとき、トニー・ベネットとサラ・ヴォーンを聴いて感銘を受けたことだという。98年にはカナダの「カナディアン・ナショナル・エキシビション・ライジング・スター・コンペティション」において優勝するが、そのままプロとはならずトロントのヨーク大学で経済学を専攻することとなった。

しかし、音楽への思いは断ち切れず、結局ダスクは専攻を音楽に変更し、ジャズ理論とジャズ・ヴォーカルを大学で学んだ。ちなみに、大学のマスター・クラスの教授はオスカー・ピーターソンだ。学内の「オスカー・ピーターソン・スカラーシップ」を取得し、最優秀の成績で卒業したのは2002年のこと。インディ・レーベルで4枚のCDを制作したのち、ダスクはデッカ・レコードと契約、2004年6月にファースト・アルバム『トゥー・ショッツ』がリリースされた。そこからシングル・カットされた「トゥー・ショッツ・オブ・ハッピー、ワン・ショット・オブ・サッド」(U2のボノとジ・エッジの作品)がカナダでヒットし、ダスクはスター歌手としての道を歩み始めることとなる。同年の11月にはクリスマス向けのミニ・アルバム『ピース・オン・アース』を発売、そして2006年6月『バック・イン・タウン』がリリースされた。

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