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EverclearEverclearは徐々に徐々にその信奉者を増やしていった。彼らが消えてなくならないことがはっきりするまで。このポートランドのトリオは、西海岸北西部の不平に満ちたドロドロしたサウンドを、その極限まで突きつめていったのである。

Everclearはサンフランシスコから移住してきたArt Alexakis(ヴォーカル、ギター)が、Craig Montoya(ベース、ヴォーカル)とScott Cuthbert (ドラム)と出会ったことで 、'92年にオレゴン州ポートランドで結成された。聞くところによると、バンドは『World Of Noise』のデモを、地下室で、たった400ドルで録音したそうだ。

そしてこのデモが'93年、地元のインディーズ・レーベルTim/Kerr Recordsからのデビュー・アルバムとなった。レコーディングの状態を考えれば、このアルバムはそれ程ひどい物ではないが、どうしてメジャー・レーベルからの契約が取れたかは疑問だ(このアルバムはCapitolから再発されている)。曲は眠気を誘い、泣き言満載の歌詞がなければ、昏睡状態を引き起こしそうなものだった。

“Fire Maple Song”はまあまあで、ありがたいことに、同タイトルのEP用にリミックスされ、これにはアコースティック・ヴァージョンも収録された。6曲入りEPの残りの曲は、Cuthbertの代わりに入ったGreg Eklundのお陰で多少は良くなっている。

Everclearに注目が集まったのは、彼らの最初の大きなスタジオでのレコーディング作で、再びA.P. Alexakis (何故かArt名義ではない)がプロデュースを手掛けた『Sparkle And Fade』だった。時間はかかったが、彼らの一番ポップで一番面白い曲“Santa Monica”(Alexakisが青春時代を過ごした場所)が、やがてラジオ局でどんどんかかるようになる。ただし他の13曲のほとんどは、“Heroin Girl”を除けばずっと低迷したままだったが。

アルバムの制作の合間に、バンドは映画『Romeo + Juliet』のサウンドトラックに“Local God”を、Cheap Trickのトリビュート・アルバムに“Southern Girls”を提供。Alexakisは何度かソロでライヴを行ない、新曲を披露した。

Everclearの次のアルバム 『So Much For The Afterglow』 (当初はPure White Evilというタイトルだった)は、'97年10月にリリースされた。Alexakisの曲とプロデュースは、今度はもっと幅広いレンジの影響を感じさせたが、結果はまだ物足りないものだった。