【ライブレポート】BALLISTIK BOYZ、グループ初のアリーナ公演開催「BALLISTIK BOYZの第二章を始めに来ました。全員ついて来い」

2025.06.22 18:30

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BALLISTIK BOYZによる初のアリーナ公演『BALLISTIK BOYZ ARENA LIVE 2025 “IMPACT”』。その初日公演が6月21日、兵庫・ワールド記念ホールにて開催された。

◆BALLISTIK BOYZ 画像

BALLISTIK BOYZは、2024年11月にグループ史上初の日本武道館公演を大成功で終え、また2025年3月にはデビューから約6年間の集大成となるベストアルバム『Chapter 1』を発売。文字通り、BALLISTIK BOYZとしての第一章に区切りをつけた。今回のアリーナ公演2日間は彼らの第二章の幕開けであり、これから始まるアジアツアー<BALLISTIK BOYZ LIVE TOUR 2025 “IMPACT” ~ASIA~>の皮切りとなる。

当日じっとりと蒸し暑い空気に覆われた神戸だったが、熱い楽曲や夏ソングを多く持つ彼らにとってはこの厳しい暑さも味方となる。「僕たちの強みはライブ。歌はもちろん、ダンスのパートを多く追加したり、バンドさんと密にコミュニケーションを取りながらアレンジしたり、ライブに来ないと味わえないような演出がたくさん含まれています」と本番前の囲み取材にて深堀未来が語っていた通り、この日のライブは“IMPACT”の名に違わぬ多彩な演出によって会場を大いに巻き込み、アリーナに見事な熱狂を生み出してみせた。
 
会場が暗転し客席から歓声が沸き起こる中、ステージ上のスクリーンに映し出されたのは、BALLISTIK BOYZとして最初の1ページを開いた頃の初々しい7人の姿だった。武者修行を経てのメジャーデビュー、そこから程なくして突如見舞われたコロナ禍による苦難、PSYCHIC FEVERと共にタイに渡り、新たな土地・環境の中でゼロから学び直した武者修行。グループの軌跡を辿った映像は「BALLISTIK BOYZの第一章を終わらせに来ました」という宣言がなされた2024年の日本武道館公演にまで至る。そこからバンドによる力強い演奏が始まり、揺れる炎とともに堂々と登場したのは、新章に臨む彼らの意志を表したかのような赤い衣装に身を包んだ7人だった。そして耳慣れた“BBZ”のフレーズがこだますると、歓声がさらに大きくなる。スクリーンと照明で真っ赤に染められたステージ上で「Most Wanted」が奏でられる様子は、第一章の彼らのイメージへの回帰をも思わせる。が、これはさらなる色を塗り重ね、更新された赤だ。そのことを示すかのように、松井利樹が凛とした声でこう告げる。

「BALLISTIK BOYZの第二章を始めに来ました。全員ついて来い」

そうして始まったのは、今回が初パフォーマンスとなる「Get Wild」。出だしからアリーナの客席に向かって全力でぶつけられていく熱唱が、広く大きく響き渡る。続いて2024年のシングル曲「HIGHER EX」では火花が噴き上がり、ノンストップで『EXILE TRIBUTE』からの2曲「Heads or Tails」「Touch The Sky」が歌われる。熱いコール&レスポンスを挟んでからは、一昨年タイに渡った彼らが初のコラボレーション曲として発表した「Drop Dead feat. TRINITY」へ。BALLISTIK BOYZの様々な挑戦と進化が、作品の中で克明に刻まれていることを明示するような楽曲群だ。メタリックなギターフレーズが響く「We never die」では、改めてバンドアレンジとの相性が良く、かつLDHらしく熱い楽曲が多いことも実感させられる。そんな序盤の締め括りとなったのは、初期の代表的な一曲「テンハネ -1000%-」。足音が響くストンプのパートには新たなアレンジが加えられていた。

バンドのInterludeを挟んでからは空気を変え、世界進出を志すグループとしての力量を示すR&Bとバラードのパートへ。まずは一様にシンプルな白いシャツを纏い、スタンドマイクを携えての「All Around The World」。クールなビートを完全に掌握したシックなパフォーマンスで会場を魅了した後、メロディアスなラブソング「ラストダンスに BYE BYE」から、彼らの代表曲と言える珠玉のR&Bナンバー「Animal」へ。リリース当時は少し背伸びしているようにも映っていた艶やかなリリックが、様々な経験で磨かれた今の彼らの表現力により一層深い世界観をもって表される。そして終盤にはセクシーなダンスパートとともに白いシャツが脱ぎ捨てられ、鍛えられた美しい上半身が披露された。砂田将宏が「兵庫、Make some noise!」と叫ぶのに前後して、煽られるまでもなく客席からは悲鳴に近い歓声があちこちで上がっており、演奏が終わってもしばし落ち着かない程だった。

「念願の夢のステージ、アリーナライブ。初日を迎えましたね。皆さん、この素敵な景色を見せて下さり本当にありがとうございます」

バンドのInterludeを挟み日髙、加納、深堀、砂田のボーカル陣がステージへ舞い戻った後、砂田から語られた感謝の言葉には温かい拍手が起こった。ファンに募ったアンケートから選ばれた楽曲を歌うコーナーに入り、バラードでは甘くメロウなR&B「In My Eyes」、MC陣によるラップ曲では初期楽曲「HIGHWAY」が歌われた。そこから改めて7人がステージに揃い、メンバー同士の無邪気なたわむれと笑顔が溢れたドライブソング「360°」で幸せな空気感を届けた後、全員によるMCの時間へ。「すごいな、奥の方まで。これが見たかったんだよね」と、初めてのアリーナ単独公演の景色を一同しみじみと噛み締めていた。

「続いての曲はタイで活動していた時に制作した曲。離れたからこそ気づける大切さ、優しさについて歌った曲です」という砂田の語りで始まったのは「All About U」。途中のサビでは客席にマイクを向ける時間もあり、大切な存在への思いを綴ったラブバラードを、ファンとともに歌い合った。

そこからバンドの紹介を挟んだ後、BALLISTIK BOYZ第二章の第1弾となる新曲「Stardust Forever」のタイトルが画面に示され、客席が大いに歓喜。キービジュアルの衣装で再登場してきた7人により、新章の幕開けに相応しいポジティブなロックナンバーが爽快に歌われた。曲の終わりには、松井から「この曲のMV、7月4日に公開するので楽しみにしていてください!」と嬉しい告知も。

ライブはそのままアッパーなメドレーに突入。ラテンのビートで踊らせる「VIVA LA EVOLUCION」から「NU WORLD」、タオルを回して会場全体を盛り上げた「Meant to be feat. F.HERO & BOOM BOOM CASH」など5曲を連続で放つ。最後の「Ding Ding Dong」では得意のアクロバットを含むダンスパートで大いに沸かせた。

「まだまだ続くんで、体力残しながら一緒に楽しんでいきましょう!」という呼びかけで始まったのは、儚く切ない夏を歌う「WAVIN’」。左右に揺れる一人一人の手が会場全体で一つの大きな波になった後《この景色忘れない、ずっと》という奥田の優しい歌声が響いた。

「さあさあ、皆さんお待たせ! 皆で歌って踊って盛り上がって行こう!」という日髙の煽りから盛り上がり必至のパーティーチューン「Life Is Party」が始まると、ステージ上段に集まったメンバー達が唐突に小競り合いを開始。喧嘩をしたり叩かれて凹んだりしても最後は皆ミュージカルのような笑顔になる、という平和でユルい寸劇が繰り返され、会場内が笑いと温かい歓声で包まれる時間となった。

和やかな空気が流れる中で、彼らの定番サマーチューン「SUMMER HYPE」のイントロが鳴ると、ふたたび歓喜の声が上がる。浮き輪ボートやライフジャケットといった夏のレジャーグッズがステージに持ち込まれ、恒例のプレゼントタイムも含めておふざけ満載の一曲を届けた。ラストは、昨年末にリリースされたシングル曲「SAY IT」。明るくエネルギッシュな歌声とパフォーマンスで、温かい空気の中で本編が終了した。

そしてアンコールの冒頭では告知解禁として、11月22~23日、今度は東京・TOYOTA ARENA TOKYOで2日間のアリーナ公演を開催するとの発表も。新章を迎えるBALLISTIK BOYZがさらなる挑戦を続け、これまで以上の進化を目指していくことが印象付けられた。
 
新たな知らせを祝福する拍手が鳴る中、ライブはアンコールへ。LDHのブランド・24karatsのロゴがスクリーンに映し出され、同時に気迫のこもったイントロが鳴り始めると、フロアは一気に高揚した。「アンコール、まだまだブチ上がれるか!」と海沼の声が轟き、黒いジャージで揃えたメンバーによる「24karats STAY GOLD」の熱唱で、会場の熱量はふたたび最高潮に。そして極めつけのライブ定番曲「PASION」では、昨年の日本武道館公演で話題となったエンドレス展開へ突入。ラテンのビートに合わせて激しくジャンプを煽り盛り上げるこの曲のサビを、演奏が終わる度に「誰か飛んでないんじゃない?後ろの方」「皆飛ぶまで帰れないよ」「まだまだいけるよね?」とさらに煽って再開させ、終わりが見えなくなるほど繰り返すという所業だ。一部ファンの間で“無限パシオン”とも呼ばれたこの展開はこの日、武道館公演の回数を越えたその先までループ。ある意味で“IMPACT”というタイトルを最も象徴したのは、このアンコールの時間であったかもしれない。音源の3倍以上の尺に至りながらも曲を締め括った後は「皆お水飲んでね!」「整骨院予約しな」「足、冷やした方がいいよ」と、メンバー達からファンを労っていた。

ラストナンバーを控えたMCでは、メンバーから思い思いの言葉と今後への所感が語られた。キッズダンサーとしてEXILEのライブのステージで見た景色を振り返り「この景色を単独公演で見られるなんて想像もしてなかった。感動と、それからもっともっと頑張りたいなという気持ちです」と意気込んだ。海沼は「大好きなダンスと歌とラップで大好きなメンバーと、大好きな皆さんと一緒にこの場を楽しむ機会が6年間も続くって、本当に当たり前のことじゃない。この景色を見れたことを本当に幸せに思っていました。ここからもっと素敵な景色を見れることを願ってこの7人と、8人目の皆さんと一緒に頑張っていきたい」と語る。日髙は「ライブをする度に僕たちは必ず前回を越えるようなライブをすることを約束します」と宣言。今日を楽しみにしながら毎日練習してきたという松井は「僕達の第一章を支えて下さり、ありがとうございました。第二章ももっと皆さんのこと楽しませられるよう、皆さんのことを思って色々な活動をしていきたいと思っていますので、これからも応援よろしくお願いします」と呼びかけていた。

最後は最年長者として、改めて日髙が締め括る。「時間がかかっても着実に一歩ずつ進んで、夢や目標を叶えていければ、それでいいんだと思います。今このアリーナのステージに立っている姿もそうですし、この活動を通して“諦めなければ、夢を叶えていけるんだよ”と証明していきたい。そして何よりこの人生で自分達らしく、皆さんと一緒に楽しみながら、全力で夢を叶えていきたい。絶対に後悔させないので、僕達についてきてくれますか?」という問いかけには、大きな歓声が送られていた。

ラストは「このライブの終わりではなく、第二章の始まりの楽曲として、皆さん一つになって過ごしたい」と、再び最新曲の「Stardust Forever」を披露。7人でステージを端から端まで駆け回り、ファンに笑顔で手を振り続け、無事大盛況となった初日公演が終了した。

BALLISTIK BOYZはこの2日間のアリーナライブを皮切りとして、初のアジアツアー<BALLISTIK BOYZ LIVE TOUR 2025 “IMPACT” ~ASIA~>で日本各地とバンコク、台北を周る。なお、このアジアツアーについては「初めてのアジアツアーで、初めて単独ライブができる国もある。僕達が結成当初から掲げてきた“世界進出”に一歩近づいてるんじゃないかとも思うので、改めてフレッシュに何でも挑戦していきながら、僕達の可能性を世界中に届けていきたい」と海沼が、そして「日本にいる皆さんが海外に来て下さったり、海外の方が日本に来てくださる事もあると思う。国内と海外関係なく皆さんが一つになれる、素敵なアジアツアーになればいいなと思っています」と奥田が語っている。また、これら各公演について日高は「“IMPACT”という同じタイトルですが、その時の自分達が表現したいものによって、内容は変わってくると思います。これがベストだと思って神戸のライブに臨ませてもらうんですけど、11月にはまた確実にこのライブを越えるようなライブを作り上げてると思うので、進化を期待してもらえたら」と期待感を抱かせていた。

たゆまず前進続けるBALLISTIK BOYZによる計り知れない新章が今、ここから始まる。

◾️<BALLISTIK BOYZ ARENA LIVE 2025 “IMPACT” 〜FAINAL〜>

東京・TOYOTA ARENA TOKYO
2025年11月22日(土)開場16:00 / 開演17:00
2025年11月23日(日)開場15:00 / 開演16:00

◆チケット料金
1.全席指定:¥12,100(税込)
2.プレミアムチケット:¥18,150(全席指定:¥12,100(税込)+アップグレード:¥6,050(税込))
詳細:https://m.tribe-m.jp/news/detail?news_id=51160

◾️<BALLISTIK BOYZ LIVE TOUR 2025 “IMPACT” 〜ASIA〜>

2025年
・7月31日(木)森のホール21(松戸市文化会館)(千葉)
・8月8日(金)仙台サンプラザホール(宮城)
・8月15日(金)YCC県民文化ホール(山梨県立県民文化ホール)(山梨)
・8月20日(水)大宮ソニックシティ 大ホール(埼玉)
・8月24日(日)Legacy TAIPEI(TAIPEI)
・9月4日(木)Niterra日本特殊陶業市民会館 フォレストホール(愛知)
・9月12日(金)アクトシティ浜松大ホール(静岡)
・9月15日(月・祝)本多の森 北電ホール(石川)
・9月21日(日)広島文化学園HBGホール(広島)
・9月28日(日)LIDO CONNECT 2(BANGKOK)
・10月26日(日)グランキューブ大阪(大阪府立国際会議場)(大阪)
・11月7日(金)福岡サンプレス(福岡)
詳細:https://www.ldh-liveschedule.jp/sys/tour/33881/

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