【速レポ】<SATANIC CARNIVAL>、キュウソネコカミ、初出演で提示した戦い方「俺たちにしか出来ないステージで、お前たちをぐちゃぐちゃにします」

2025.06.15 20:36

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「キュウソネコカミがサタニックに!?」と驚いたオーディエンスも決して少なくないはず。誤解を恐れずに言えば、彼らが奏でる音楽はこの祝祭に名を連ねるバンドたちに比べてヘヴィだとは言い切れないし、メロディックパンクやラウドロック、ハードコアのド直球を射抜いているかと問われても首を横に振ることになるだろう。しかし、それでも5人が初出演にしてEVIL STAGEのトリ前へ抜擢された事実は、PIZZA OF DEATHからキュウソネコカミに対する期待の現れにほかならない。

◆ライブ写真

この全幅の信頼は彼らが歩んできた道のりの中で勝ち取ったものであり、メジャーデビュー10周年を迎え、全国各地でライブをしてきたバンドの脂のノリっぷりによるものだろう。それだけでなく、彼らと不可分な関係にある“窮鼠猫を嚙む”という諺は、そもそもパンクロックのカウンター精神を多分に含んでいる。《ヤーンキーこーわいー》(「DQNなりたい、40代で死にたい」)と恥ずかしげもなく言い切る小心者たちが、ファニーかつ鋭い視線で社会を見つめた末に生を受けたキュウソネコカミの音楽。弱き者たちの声を代弁するその歌は、有無を言わさずにパンクである。

「キュウソネコカミ、やるぞー!」と啖呵を切ってドロップしたオープニングナンバーは、「ネコカミたい」だ。歳を重ね、少しずつ移ろってきたシーンに目を向けると同時に、まだまだ先へと足を運んでいく誓いを打ち立てるこの曲は、まさしく現在の彼らを象徴しているように思える。オカザワカズマ(G)とヨコタシンノスケ(Key, Vo)の扇動で出現した、EVIL STAGEに集う全ての人が輪になって、手を振って、踊り出すドラマチックなひとコマ。この美しい光景は、ついつい隠したくなってしまう本音や、歌詞にすることを躊躇ったっておかしくないほどのリアルを歌い、自らの手の届く範囲を少しずつささやかな幸福に変えてきた5人だからこそ生み出せるものであった。

とびっきりのバンド愛をぶちまけた「The band」や、ソゴウタイスケ(Dr)の軽妙な16ビートと乾いたリフが皮肉めいた詩とクロスオーバーを果たしながら現代社会を映し出していく「正義マン」を経て、ヤマサキセイヤ(Vo, G)はこんな言葉を口にする。

「<SATANIC CARNIVAL>ずっとずっと出たいと思ってたんですけど、どうやって出たら良いのかが分からなくて。でも、こんだけ皆がいてくれて、ずっと求められていたんだと思います。タイムテーブル見たときに終わったと思いました。けど、ここのタイムテーブルを任せてもらえるって、相当凄いことなんだと実感してきたので。俺たちにしか出来ないステージで、お前たちをぐちゃぐちゃにします」

PIZZA OF DEATHへの感謝とEVIL STAGEのトリ前という要所を任された責任に奮い立たされ、彼らが彼ららしく戦うためにセレクトした1曲は「ビビった」である。石橋を叩きつつ、どうにか活路を見出してバトルを重ねた結果、その戦場を気づけばホームにひっくり返してしまうキュウソネコカミのやり方。《なめんじゃねぇ!》とシャウトしたヤマサキの背中は、“<SATANIC CARNIVAL>で張り合える”と強く断言するようだ。

「The band」や「3minutes」で示したバンドとライブハウスへの愛情に負けない、自身のホームタウンに対する親愛を激走するツービートに変換する「Welcome to 西宮」でラストスパートをかけると、「家」でフィニッシュ……の予定が、最後の数分まで走り抜けるべく、2軒目の「家」から「TOSHI-LOWさん」を披露し、幕を下ろす。キュウソネコカミらしいファイティングポーズで<SATANIC CARNIVAL>とのケミストリーが描き出されていく。そんな初出演のステージだった。

取材・文◎横堀つばさ
撮影◎スズキ コウヘイ

■セットリスト

1. ネコカミたい
2. The band
3. 正義マン
4. 3minutes
5. ビビった
6. DQNなりたい、40代で死にたい
7. Welcome to 西宮
8. 家
9. 家
10. TOSHI-LOWさん

■<SATANIC CARNIVAL 2025>
6月14日(土) 千葉・幕張メッセ国際展示場9-11
6月15日(日) 千葉・幕張メッセ国際展示場9-11
◯物販 / FOOD AREA
・14日 open9:30 / 15日 open8:45
◯ライブ観覧エリア
・14日 開場10:30 / 開演11:30 / 終演21:10(予定)
・15日 開場09:45 / 開演10:45 / 終演20:30(予定)
▼6月14日(土)出演者
04 Limited Sazabys / 10-FEET / The BONEZ / coldrain / ザ・クロマニヨンズ / ENTH / ハルカミライ / HERO COMPLEX / 花冷え。 / HAWAIIAN6 / Ken Yokoyama / MAN WITH A MISSION / Maki / OVER ARM THROW / サバシスター / SHADOWS / SHANK / SPARK!!SOUND!!SHOW!! / STOMPIN’ BIRD / TOTALFAT / 四星球 / [O.A.]トップシークレットマン
▼6月15日(日)出演者
Age Factory / バックドロップシンデレラ / Crystal Lake / Dizzy Sunfist / FACT / Fear, and Loathing in Las Vegas / FOMARE / THE FOREVER YOUNG / G-FREAK FACTORY / キュウソネコカミ / HEY-SMITH / HIKAGE / マキシマム ザ ホルモン / NOISEMAKER / RIZE / ROTTENGRAFFTY / See You Smile / Suspended 4th / View From The Soyuz / w.o.d. / ヤバイTシャツ屋さん
▶チケット:SOLD OUT

 

関連サイト
◆BARKS内<SATANIC CARNIVAL 2025>特集
◆<SATANIC CARNIVAL> オフィシャルサイト
◆PIZZA OF DEATH オフィシャルサイト

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