――バンド結成から今までの活動を教えてくれる?
ヨンネ:’97年にドラマーのジェイと一緒にバンドを始めたんだ。ジェイと僕は高校の時のクラスメイトで、彼はバスケットボール選手だったんだけど、ドラマーに向いていると思ってドラムを教えこんだのさ。その後にベースのアンディ、最後にギターのラリーが加わってバンドが完成したんだ。ラリーは僕らのバンドに絶対に必要だった。音楽に対して同じアティテュードを持っていたんだ。これはとても重要なことなんだよ。
ラリー:僕は違うバンドにいたんだ。たまたま彼らと同じところでギグをやることになった時に、ヨンネから一緒にやらないかと声をかけられたのさ。その時にいろいろな話をしてみて、同じ夢を持っていることがわかったからね。フィンランドで何回かギグをやった後、スタジオに入って1stシングルを録音したんだ。その時のプロデューサーが今のレコード会社でアルバムを作らないかと言ってくれて。
――それで’03年2月にシングルでデビューしたんだね。
ヨンネ:そう。それから一ヶ月後の3月28日にアルバムを出したんだ。シングルをラジオでかけてもらって、そしてアルバムに導くっていう戦法だね。スウェーデン、ノルウェー、デンマーク、そしてロシアでリリースしたんだ。
――ヨーロッパでの感触は?
ヨンネ:スカンジナビアの国ではとっても評判が良いんだ。まだリリースしていない国からもメールが毎日のように舞い込んでくるんだ。ポーランド、ドイツ、ロシアでもファンクラブができてるってことで嬉しいね。あと、「THE MOMENT OF OUR LOVE」というシングルのPVがあるんだけど、これがMTVヨーロッパで3~4週間トップ10に入ってるんだ。
ラリー:スウェーデンのロッククラシックというラジオ局にも応援のメールが続々と来ているらしいよ。ドイツでもそうなんだ。まだリリースしてない国からの反響もすごいんだ。スペインでもファンクラブができてるらしいよ。昨日もホテルに日本のファンの子が来てくれて、ファンサイトを立ち上げて応援してるって言ってくれた。
――あなたたちの目指す音楽が、この1stアルバムに集約されていると思っていいのかな?
ヨンネ:実は、この1stアルバムにはかなり昔の曲から新しい曲までが入っている。「LOST SOUL」は3年くらい前の曲だし「NAIVE」は9年前。それに対して「THE MOMENT OF OUR LOVE」と「GOODBYE」は新しい曲さ。古いものから新しいものまでがギッシリ詰まってる。これまでに作った良い曲を全部入れたかったからね。このアルバムは今までのNEGATIVEの集大成だと思ってくれていいよ。次のアルバムはスタジアムロック級の音楽を目指したいね。
――ヨンネは歌ってる声と喋る声が全然違うね。歌の時はUKやASIAのジョン・ウェットンのような声なのに、喋る声はもっと優しい感じがする。
ヨンネ:それ誰? その人もバンドも知らないよ。UKとかASIAって知らなきゃマズいバンドかな?(笑)歌う声と喋る声の違いはよく言われるんだ。僕たちは普段はミッキー・マウスみたいな声で喋ってるんだよね。ステージではお腹からラウドな声を出すんで、いつもとは全く違う声になるんだ。
――アルバムでは曲ごとにギターのトーンがかなり変わってるね。太いディストーションからファズトーンまで幅広いけど、こういうアイデアは全部自分で決めてるの?
ラリー:アルバムのレコーディングには、事前に計画したものっていうのは全くなくて、スタジオに入ってから流れに沿って行っただけなんだ。GT-6というエフェクトを使って色々なサウンドを試してみたんだ。メインギターはフライング・フィンといって、フィンランド製のものなんだ。アンプはマーシャル。時々TOKAIのレスポールも使うね。
――アルバムを聴いてハノイロックスからの影響が大きいと感じたけど、他にも影響を受けたアーティストっている?
ヨンネ:ソングライティングに関しては、ニルヴァーナのカート・コバーンだね。あとフィンランドのデヴィッド・リンドホリンというアーティストがいて彼からブルースっぽいものの影響を受けている。バンドとしてはガンズ・アンド・ローゼズ、ハノイロックス、スキッドロウなんかの’80年代のバンド、そしてエアロスミスやボンジョビ、アリス・クーパーかな。
――アリス・クーパー!?
ラリー:5歳くらいの時に父親が作ったカセットテープに彼の曲が入っていて、なんてタフな奴なんだと思ったんだ(笑)。
ヨンネ:スタイルもいいし、メーキャップも素晴らしいよね。ちなみに、僕のアイラインやマスカラなんかのアイ・メーキャップはマイケル・モンロー公認なんだよ。彼の’80年代の写真を参考にしてるんだ。僕は最初、彼が女の人だと思ってたんだ。僕も女の人によく間違われて、アルバムジャケットを見て買った人は女のヴォーカルだと思ってたらしくてガッカリしたって聞いた。
ラリー:実はマイケルの隠し子なんだよ(笑)。
――フィンランドのロック市場では、ハノイロックスの存在はかなり大きいの? 君たちみたいなラウドなロックンロールバンドっていっぱいいるの?
ヨンネ:ハノイの存在はメチャクチャ大きいよ。他にもロックバンドはたくさんあるんだけど、レコード会社と契約しているバンドは少ないね。フィンランドではロックミュージックっていうのはポピュラーな音楽じゃないんだ。ラジオでもそんなにかからないし。でもメタルのバンドはすごいいっぱいあるよ。センテンストとかモルフィスとか。あとはメロディックなストラトバリウスとかナイトウィッシュとかね。
――それで遂に日本デビューなんだけど、どんな気分?
ラリー:自分達でも驚いているんだけど、フィンランドでレコード会社と契約する前から、日本でデビューできたらいいねって話してたんだよ。今こうなって、夢が本当にかなったみたいだよ。
ヨンネ:日本デビューっていうのは、僕達が持ってる一番大きな夢の一つだったからね。
――最後に、このアルバムの聴きどころをアピールしてくれる?
ヨンネ:全部さ。曲自体がイカしてるよ。
ラリー:このアルバムにはヘヴィーな曲、速い曲、そしてバラードも入っている。いろいろなスタイルの曲がミックスされているのに、根底のテーマはラブソングになっているというところかな。だからアルバムのタイトルが『WAR OF LOVE』っていうんだ。自分達のサウンドのことを“エモーショナル・ロックンロール”と呼んでるんだけど、エモーショナルでビューティフルでありながら、生の姿を見せているっていうところが魅力になっていると思う。