杏里、ニューヨークで単独公演。シティポップを刻む

2026年5月17日、ニューヨーク・ブルックリン。世界的なムーブメントとなった“City Pop”の熱狂が、モニターの向こう側ではなく「現実の存在」として降臨した。
シンガーソングライター・杏里(ANRI)が北米ツアー<City Pop Waves: ANRI LIVE 2026 U.S.A Timely!!>の一環として、歴史ある名門劇場ブルックリン・パラマウントで初の単独公演を開催した。
北米を中心に世界的に拡がるシティポップを代表するアーティストの杏里はシーンを代表する楽曲「悲しみがとまらない」や「Last Summer Whisper」、「Remember Summer Days」など音楽配信ではここ10年間、再生数も連日カウントを伸ばし続け、またデビューアルバムのレコーディングはロスアンジェルス、ハワイでのコンサートを10年間で7回も開催しアメリカ各地でコンサートを開催するなど、シティポップ以外にも世界的に評価が高まるJ-POPの海外進出の先駆者と言える存在。
一昨年のロスでのライブに続いて開催された今回のツアーはニューヨーク1day、ロス1dayプラス追加公演の3公演。ロスに入りリハーサル、そしてニューヨークへの移動となったが、ニューヨークはロスに比べ10度も気温が低いと聞いていたが杏里の到着と共に気温が上昇、“太陽を連れてきた”と喜ばれ「夏女」の本領発揮となった。

今回開催された会場はチャック・ベリーやバディ・ホリーも公演を行ったブルックリン・パラマウント。ブルックリンのダウンタウン、フラットブッシュ通りとデカルブ通りの交差点にあるこの会場は1950年代からロックンロール、そしてジャズと数々のアーティストがライブを催した歴史ある劇場である。
その1920年代のクラシカルな装飾が美しいブルックリン・パラマウントには、開場前から長蛇の列。ニューヨークの音楽ファンはもちろん、アメリカ各地、さらには海外から駆けつけたファンの姿も目立ち、ロビーは開演前から熱気に包まれていた。
チケットは早々に完全ソールドアウト。その快挙を祝し、会場側から杏里へ“Sold Out Plate”が贈呈される場面もあり、記念すべきニューヨーク公演にふさわしい華やかな幕開けとなった。

20時過ぎに、場内が暗転すると同時に大歓声が巻き起こる。バンドの洗練されたグルーヴに導かれるように杏里がステージへ姿を現した瞬間、会場のボルテージは一気に最高潮へ達した。今回のライブは、ツアータイトルにも冠された名盤『Timely!!』を軸に構成。80年代のきらめきを宿しながらも、今なお新鮮に響くサウンドは、ニューヨークの観客を瞬く間に引き込んでいく。
そして、「Remember Summer Days」「Last Summer Whisper」「悲しみがとまらない」のイントロが鳴った瞬間、場内の熱狂は爆発。Brooklyn Paramountは、世代も国境も言語も越えた大合唱が自然発生した。
杏里の透明感あふれるボーカルは、劇場の極上の音響空間と見事に溶け合い、観客を魅了し続ける。伸びやかな高音、心地よいグルーヴ、キャリアを重ねながらも新鮮さを失わない杏里ならではの圧倒的な表現力。それまでインターネットや配信で知った音楽が、目の前で“生きた音”として鳴り響く——その感動に、多くの観客が酔いしれていた。

MCではニューヨークのファンへ感謝を伝え、「また戻ってきます」と笑顔を見せる場面も。その言葉に応えるように、客席からは大きな拍手と「ANRI!」コールが響き渡った。
かつて日本で生まれたシティポップは、時代と海を越え、いま世界中のリスナーを魅了している。そしてこの夜、杏里はそのムーブメントが一過性のブームではなく、“リアルなカルチャー”として根付いていることを証明してみせた。

ネット越しに広がった音楽が、本物の“Waves”となってブルックリンの夜を揺らした歴史的公演。日本シティポップの象徴でありながら、今なお進化を続ける現役アーティスト・杏里の存在感を、ニューヨークの観客は確かに目撃した。
そして翌日、すぐにロスアンジェルスへの移動。6時間かけての移動後、1日空けてロスで2公演を開催する。







