【ライブレポート】夜々、4月4日初ワンマン「私の人生の中で1番幸せな日です」

2026.04.06 20:00

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4月4日、「よよ」の日。ついに記念すべき夜がやってきた。シンガーソングライター夜々、初のワンマンライブ<Time For Unlimited>である。昨年1月に「Lonely Night」でメジャーデビューを果たしてから1年3ヶ月。先月にはファーストアルバム『0:00』をリリースしアーティストとしてまたひとつステップを上がった彼女が、舞台となる渋谷WWWでどんな光景を描き出してくれるのか。期待していたのは筆者だけではない。開演前から、フロアはグッズのTシャツやタオルを身につけたファンで賑わい、熱気に満ち満ちていた。

そして開演時刻、村山☆潤(Key)、大澤実音穂(Dr/雨のパレード)、石神遼太郎(G)、前田恭介(Ba/androp)という凄腕たちによるバンドが音を鳴らし出したステージに、白いドレスの上にライダースジャケットを羽織った夜々が姿を現す。そして歌い始めたのはアルバムのオープニングナンバーでもある「0:00」だった。「みなさん、今日は最後まで楽しんでいってください!」。夜々はリズムとメロディに身を委ねるように手を動かしたり、ペンライトが揺れるフロアに手を振ったりしながらのびのびと歌っている。

バンドのグルーヴがうなりを上げる「Gloomy」(アレンジを務めたのはこの日のバンマス村山)をクールに届けると、ここでずっと真夜中でいいのに。の「残機」、案山子によるボカロ曲「真生活」とカバーを2連発。この日はオリジナル曲に加えてカバーもふんだんに披露されたのだが、どの曲でも、夜々はまるで自分の体に染み付いたメロディと言葉のように歌っていた。ステージ上で時折見せる笑顔からは、彼女が楽曲の一部になることを心底楽しんでいるのが伝わってきた。「今日は今日しかなくて、皆さんの大切な1日を一緒に過ごすことができて、本当に嬉しく思っています」とオーディエンスに感謝を伝えると、「ナイトパーティを始めていきたいと思います。準備はできてますか?」と呼びかける。そして巻き起こったハンズクラップとともに「Nonsense」が始まっていく。さらに浮遊感のあるリズムが心地よくフロアを揺らす「Gravity」へ。そうして生まれた一体感を、続く久保田利伸 with ナオミキャンベル「LA・LA・LA LOVE SONG」がさらに高めていく。J-POP史上屈指のヒット曲が、合言葉のように夜々とオーディエンス全員をつなぎ、会場の空気を気持ちよくほぐしていったのだった。

ここで恋をして生まれるいろいろな感情を封じ込めた、夜々なりのラブソングを続けて披露するセクションへ。メランコリックな「YOU」にアッパーなテンションが弾ける「Coffee」、さらに丁寧に綴られた歌詞とエモーショナルなドラマを生み出すバンドサウンドが切なさを倍増させる「I Hope」。さまざまな色の気持ちを纏ったラブソングたちを、夜々は身体全体を使って表現しながら、まっすぐにフロアに届ける。

「一瞬たりとも目を離さないで楽しんでください」という言葉とともにライブは早くも後半戦に入っていく。夜々の始まりを告げたデビュー曲「Lonely Night」をバンドメンバーの紹介も挟みながら届けると、「みんなでワンダーランドに行きませんか?」とiri「Wonderland」のカバーを披露。

と、ここでステージにDJ台が運び込まれる。そう、ここで登場したのは今回のスペシャルゲスト、グミ山とN-Roachからなる2人組ミクスチャーボカロPユニット・キツネリである。この日だけのスペシャルコラボでまず一緒に歌われたのは、キツネリ「そゆ感じか」。いきなり鳴り響いたとんでもなくアッパーでポップなサウンドに、会場の温度がグッと上がる。そしてキツネリがアレンジを手がけた夜々の楽曲「Let go」もN-Roachによるラップが入った「Time For Unlimited」スペシャルバージョンで披露。クライマックスに向けて、オーディエンスの熱気はどんどん上がっていくのだった。

そしてライブはいよいよ最後の曲。その前に、夜々はこのライブのタイトル「Time For Unlimited」にこめた想いを語りはじめた。デビュー以降、アーティストとして進歩していく一方で、夜々は苦悩も味わっていたそうだ。しかし「Let go」をリリースするタイミングで、「この曲を歌っている私が自分を蔑んでいてどうするんだ」と感じてから、彼女は自分自身を好きになれたのだという。そんな想いから生まれたのがこのライブタイトル。大人になるにつれて自分の色や個性をしまい込んだり、周りに馴染むことに意識がいってしまうこともあるけれど、そんな自分に課した制限を取り払って、ありのままの自分を愛していってほしい。そんな夜々からのメッセージだ。

「自分にとっていい選択、自分が心地いい選択ができるきっかけにできたらいいな」と彼女は言う。「これからもみんなの光になれるように、たくさん届けて、歌っていきます」。そんな言葉とともに、最後の曲として「Ray」が届けられる。この日ベースを弾いていた前田の所属するandropがアレンジを手がけた楽曲だ。ぐんぐんと広がっていくようなサウンドとまっすぐな歌が、会場に集まったオーディエンス、そしてここから始まっていく夜々の未来を照らし出すように鳴り響いた。

その後のアンコールではグッズのTシャツに黒いスカートという出で立ちに着替えてステージに戻ってきた夜々。フロアを見渡して「私の人生の中で1番幸せな日です」と感情を溢れさせながら、オーディエンスに「前に進むことを恐れないでほしいし、私がいつでも味方なので。これからも仲良くしてくれませんか?」と思いを伝える。そして、私に出会ってくれたみんなへ、とデビュー当初からずっと大事に歌ってきたカバーを歌い始めた。androp「Koi」。今日までの思いのすべてを注ぎ込むような歌声が会場中に染み渡ると、今度こそ本当に最後の曲だ。ラストを飾るのは夜々の曲のなかでも一際ポップで疾走感のある「センセーショナル少女」。ペンライトを振り、手を叩き、タオルを回し、みんなで一緒に盛り上がり尽くすと、夜々は「ありがとうございました!」と満面の笑顔。「みんなに出会えた人生を、私は誇りに思います!」という言葉に、初のワンマンライブで彼女が得た充実感が滲んでいた。

取材・文◎小川 智宏
撮影◎Viola Kam (V’z Twinkle)

■セットリスト<夜々 1st ONE-MAN LIVE “Time For Unlimited”>
2026年4月4日(土)東京・渋谷WWW

M1 0:00
M2 Gloomy
M3 残機(カバー)
M4 真生活(カバー)
M5 Nonsense
M6 Gravity
M7 LA・LA・LA LOVE SONG(カバー)
M8 YOU
M9 Coffee
M10 I Hope
M11 Lonely Night
M12 Wonderland(カバー)
M13 そゆ感じか(カバー)
M14 Let go feat. キツネリ
〜Time For Unlimited SP ver.〜
M15 Ray
EN1 Koi(カバー)
EN2 センセーショナル少女

◾️1stアルバム『0:00』
2026年3月4日(水)リリース

WPCL-13733 3410円(税込)
配信:https://imyoyo.lnk.to/000
CD購入:https://imyoyo.lnk.to/000_CD

▼収録曲
1.0:00
2.Lonely Night
3.Coffee
4.YOU
5.Gravity
6.I Hope
7.Let go
8.Nonsense
9.Gloomy
10.センセーショナル少女
11.Ray
<Bonus Track>
12.Lonely Night(Acoustic ver.)