【インタビュー】終活クラブ×shallm、『勇者の肋骨』主題歌で交差する“転生”の感覚

2026.03.26 18:00

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「満足して昇天するまで好きなモノに転生を続けられる世界」…そんなトンデモ転生を痛快に描くTVアニメ『女神「異世界転生何になりたいですか」俺「勇者の肋骨で」』(以下、『勇者の肋骨』)が、2026年4月7日(火)に放送開始となる。アニメといいながらも、ストップモーションや人形劇、はたまた実写も乱入するという型破りな映像手法で繰り広げられる作品だが、そんな番組を彩るオープニングテーマとエンディングテーマはどんな楽曲なのか。

オープニングは終活クラブの「転生願望」、エンディングはshallmの「何なんですか?」だが、もちろんどちらも作品を見たうえでの書き下ろし作品。熱量高きロックバンド終活クラブと艶やかな力強い歌声を持つ21歳のシンガーソングライターliaによるバンドプロジェクトshallmという、OPとEDで異種格闘技のようなエネルギーのぶつかり合いが仕込まれている。

そしてこの両者が、6月11日には新宿LOFTで2マン対バンライブを敢行するという、まさかのトンデモ・ブッキングも仕込まれていた。『勇者の肋骨』が巻き込んだ終活クラブとshallmの異種格闘技、これはどんな異世界を作り出してくれるのか。少年あああああ(終活クラブ)とlia(shallm)のふたりを招集、話を聞いてみた。

──終活クラブとshallmがそれぞれ、同じ作品に向けて楽曲を書き下ろす事自体がトピックなんですが、終活クラブにとってアニメ主題歌書き下ろしは初めてのことですね。

少年あああああ(終活クラブ):そうです。ただ、曲の作り方としては、今までも自分の人生の主題歌を書き続けてきたみたいな感じでもあるので、曲の書き方自体は大きく違ったわけじゃなかったです。主人公の視点が変わったというか、「自分がその主人公だったらどういうものが見えているんだろう」とか「どういう気持ちで過ごすんだろう」みたいなものを考えて書けたのがすごく嬉しかったですね。ただ、視点が変わったことで、新しい言葉とか表現とかメロディーが出てきて「これはいいぜ」って思いました。

lia(shallm):おっしゃる通り、私も主人公と自分の人生を重ねて「憑依して書く」っていう感じなので、やっぱりすごく書きやすいです。

少年あああああ(終活クラブ):凄く書きやすいよね。

──「テーマがある」から?

少年あああああ(終活クラブ):そうだし、皆さんにとっても超メタ視点の作品だからこそ、モノ作りをしている人にとってすごく入り込みやすい作品だと思うんですよね。

──終活クラブ「転生願望」はアニメの世界にどっぷり首を突っ込んだ世界観ですけど、shallm「何なんですか?」はそれを客観視している目線ですよね。そこに大きな違いがあって面白いなと思いました。

少年あああああ(終活クラブ):「何なんですか?」を聴いて「語彙力すごっ」ていうか、「確かにこの速度で喋りそうだな、この女神は」みたいな感じ(笑)。

lia(shallm):私は基本的に女神様目線で書いていたんですけど、結果的には「この作品を見てツッコむオーディエンス側の目線」になっているので、またいつもとは違う感じの作品になったのかなって思っています。

──ひとつのアニメ作品に対し、オープニング楽曲とエンディング楽曲の違い、それぞれの役割ってあったりするんでしょうか。

少年あああああ(終活クラブ):シンプルにアニソンにはすごく憧れていましたし、アニメのオープニングを観ながら「ここのタイミングで製作委員会のクレジットが入るんだよね」みたいなイメージがあったので、そういうことも妄想しながら楽しく書きました。「オープニングでこれが流れたらすごくいいんじゃないか」「すごく楽しいアニメっぽいぞ」みたいな印象は感じてほしいなって思って作りましたし、書き上がった時に納得感もあったので、いい曲がかけたなって思ってます。

終活クラブ

──ただアニメタイアップ楽曲って90秒で完結させるという厳密な制約がありますよね。この点はいかがでした?

少年あああああ(終活クラブ):意識しましたよ。マジで90秒ギリギリになって、結果としてありえない速度のフェードアウトがかかってます(笑)。アニソンとか書き慣れていないから「このBPMだとこの尺で…」みたいなの感覚が分からなくて、「とりあえずいい曲を書こう」と思って書いて、結局BPMを速くして収めたという。

──構成を大きく変えるような苦労は?

少年あああああ(終活クラブ):自分の中では、この作品の曲はこういう風に始まりたいしこういう風に終わりたいという思いがあったので、「転生後またすぐ転生」という歌詞から「とってんぱらりのぷう」というめでたしめでたしで終わるのだけは、絶対に外さないようにしました。

──その点liaさんは、90秒での制作は書き慣れたもの?

lia(shallm):いや、でも曲によって90秒の感覚が変わっちゃうので難しいです。今回はまず最初に出てきたのが「何なんですか」っていう言葉で、それを軸に書き進めていったんですけど、言いたいことが多すぎて、とにかく言葉が詰まっちゃって90秒尺に収めるのが結構大変で(笑)。でもその中でも起承転結を付けたいなと思ったので、Bメロでちょっとペースを落としてなんとかひとつの90秒の物語にした感じです。

──アニメタイトル曲って、普通の楽曲制作とはまた違うスキルを求められるんですね。

少年あああああ(終活クラブ):いや、すごく勉強になりました。

──そこからフルサイズに拡張していく作業は簡単ですか?

lia(shallm):そこのワンコーラスでOKになったら、あとはそのままの勢いでフルサイズっていう感じでした。

少年あああああ(終活クラブ):それ、結構難しくないですか?ワンコーラスを書いた時と、その後に書き足す時って自分の感覚が変わっているじゃないですか。そこにチューニングしていくことって、すごい時間がかかりません?

lia(shallm):確かに、最初に一気にフルコーラスを書きたくなっちゃいますよね。でも1番はこうで2番はこうしたいなっていうところを決めつつ、1番を出してOKだったら、逆に2番にはもう制限はないので、自由にバーンと(笑)。

lia(shallm)

──90秒からフルサイズに拡張するのと、フルサイズをつくってから90秒に縮めるのではどっちが楽なんでしょうね。

少年あああああ(終活クラブ):僕は今回フルサイズを90秒にまとめたんですけど、でもそれはよくわかってなかったから、とりあえずフルを書いて進めちゃったけど、これから先はliaさんみたいな作り方になっていくと思いますね。

──確かに、どうやっても90秒に収まらなかったら地獄ですもんね(笑)。

少年あああああ(終活クラブ):そうしたら歌詞を変えるしかないですかね。アニメのオープニング用にそこだけ簡略的に伝わる言葉で歌詞を差し替えるとか。でもなんか無理くり合わせたようなものって、リスナー目線でも嬉しくないですよね。そこはなんとか帳尻つけたいですよね。

lia(shallm):基本的にワンコーラスで物語をひとつ作って、それでOKならば、90秒に合わせるのはアレンジとかでも調整できますよね。逆に2番は、もう自分の人生に寄せて物語と重ねて書くことが多いです。

──フルサイズでは、ライブで演奏する時のことも意識されてくるのでしょうか。

少年あああああ(終活クラブ):そうだと思います。それこそ自由に書く時は、自分の強みでいく…経験とか1番説得力のある自分の言葉で書くことになっていくから、それは結果としてライブに出てきますよね。

終活クラブ Photo by Takei Yuki
shallm photo by Yuto Takoshima

──今作は『勇者の肋骨』という作品でしたが、おふたりにとってアニソンというのはどういうものですか?

少年あああああ(終活クラブ):liaさんは、もともとどの辺りのアニメが好きなんですか?

lia(shallm):私、「リゼロ」(「Re:ゼロから始める異世界生活」)が好きで、liaって名前もエミリアのリアから取ってきたんです。私、アニソンって翻訳だと思っていて、そのアニメが伝えたいテーマとかメッセージを受け取って噛み砕いて音楽にするもの。で、それが自分の人生とか生活と重なって音楽になった時に、作品を見終わった後でも聴き続けてもらえる曲になるのかなって、そう思ってます。

少年あああああ(終活クラブ):そういうことだね…って腑に落ちました。すごい勉強になる(笑)。僕はなんて言うか…見てきたアニメで「自分が1番グッときたアニソンのあの空気を出したい」みたいな感じなんです。そんなに難しいことは考えてないけど、作品と相容れない言葉は使いたくないから、原作を読み込んで「この作者さんだったらこの言葉好きそうだな」っていうかき回しみたいなことは意識して書きました。

──結果、2曲ともこのアニメのテーマ曲として、見事にハマった楽曲が爆誕しましたね。

少年あああああ(終活クラブ):「この作者さんのこの作品でオープニングをつけるならこの曲しかないだろ」っていう曲が書けたから、最初からこの曲で決定と思ってました(笑)。

──「転生願望」というコンセプト自体、そもそも終活クラブが歌っていそうなテーマなので、『勇者の肋骨』がなくてもいずれ曲にしてそう(笑)。

少年あああああ(終活クラブ):確かに(笑)、それはそうかもしんない。それぐらい原作が僕らとベストマッチだったんですよ。

lia(shallm):私は、アニメタイアップの曲を書くときは「アッパーさ」とか「キャッチーさ」を念頭に作ってきたんです。で、今回はエンディング曲なんですけど「派手にしちゃっていいですよ」って言われたので、じゃあ、これ「オープニングのつもりで書いていいんだ」っていう感覚で、キャッチーさを意識して書いちゃいました。

少年あああああ(終活クラブ):曲を書くにあたってPVも見せてもらったんですけど、
原作が持っているエモさに傾倒するよりもハチャメチャなイメージを受けたのでそれを念頭に書きましたね。

lia(shallm):作品自体は、女神様と主人公のやり取りで、ちょっとぐっとくるシーンもあって、なんかハートフルな感じとかほっこりもあるんですけど、アニメのPV映像はもう面白さ全振りというか(笑)。

少年あああああ(終活クラブ):ハチャメチャな感じですよね。結構ぶっ飛んでいて楽しみ。

lia(shallm):ほとんどアニメじゃない部分もありましたもんね。実写も出てきたりして、ほんとに見たことのないような異世界モノです。

──「転生願望」と「何なんですか?」は、『勇者の肋骨』にとって奇跡的なハマり具合を見せたみたいですね。

少年あああああ(終活クラブ):だと思います。主人公と女神様の対比も美しくとれているので。

lia(shallm):ほんとにそうです。少年あああああさんの声も、主人公感がすごいなって思いました。男性の声なんですけどちょっと可愛らしさもあるというか、『勇者の肋骨』の主人公にぴったり。

──実際、そういう生き様です…よね(笑)。

少年あああああ(終活クラブ):ですね(笑)。自分で「少年あああああ」とか名乗ってるんだからそうでしょ(笑)。

──転生したら次は「少年いいいいい」と名乗ればいい(笑)。

少年あああああ(終活クラブ):それで最後は「少年んんんんん」で「とってんぱらりのぷう」で終わり(笑)。

lia(shallm):そういうこと(笑)。

少年あああああ(終活クラブ):liaさんは、普段曲作りは弾き語りからですか?

lia(shallm):そうです。弾き語りから書きます。ギターで。

少年あああああ(終活クラブ):打ち込みベースでは作んない?

lia(shallm):前にちょっとやってみたんですけど、もう時間がかかっちゃって、他のことができなくなっちゃう。で、弾き語りにしようって。少年さんは?

少年あああああ(終活クラブ):僕は打ち込みながらメロディーも打ち込んで、歌詞もリアルタイムで書いていくみたいな作り方でやってます。弾き語りで書くこともたまにはあるんですけど、器用じゃないから同じコードで自分の中の印象が同じような曲ばっかり書いちゃう。

──AC/DCみたいでいいじゃないですか。

少年あああああ(終活クラブ):いやいや、同じとこに玉を投げ続けてもね(笑)。それもあって、自分の中の印象を変えるために打ち込みでやっているんですよ。だから、バンドの曲、弾き語りで出来ながち。「何なんですか?」も弾き語りで?

lia(shallm):はい、弾き語りながら、早口なところも作っていきました。

少年あああああ(終活クラブ):そもそも曲を作るのも、なんか生まれ変わりたくて新しい曲を書いているみたいなところもあるんですよね。だって、そのままの自分でいたいなら人に向かって曲書かなくていいんですもん。ただ生まれたものを自分の心の中だけに持っておけばいいけど、でもやっぱり前に進んでいきたいと思ってバンドを始めたんで、結局、転生モノみたいなのにすごくシンパシーを感じるんです。「そうなりたいんだよね、僕も」っていう気持ちになるというか。

lia(shallm):わかります。私もそのリゼロにハマったきっかけが「転生したいな」っていう気持ちだったので。

少年あああああ(終活クラブ):転生したらどんな感じになりたいですか?

lia(shallm):自分が転生したら…でもまず主人公ではありたい。

少年あああああ(終活クラブ):いやそうそう、分かる。そうなんですよね。

lia(shallm):主人公になりたいですよね。だから転生したいのかもしれません。

少年あああああ(終活クラブ):いや、もう超主人公感ありますけど。

──それを言うなら、ふたりともそうですけどね。何をふざけたことを。

少年あああああ(終活クラブ):いや、もっとなりたいんですよ、研ぎ澄まされし主人公に。

photo by Yuto Takoshima
Photo by Takei Yuki

──そんな終活クラブとshallmが6月11日に新宿LOFTで2マン対バンライブ。これは熱いですね。そもそも接点のなかった2組ですから、どんな化学反応が生まれるか楽しみすぎて。

少年あああああ(終活クラブ):本来、一緒にできる気がしない2マンなので(笑)。

lia(shallm):いやいや、結構前から終活クラブさんの名前は知っていたので、嬉しいです。

少年あああああ(終活クラブ):曲の書き方とか影響を受けたものとかには、うっすら似通っているところもある気もしていて、それこそ楽曲を主人公的に書くというところもきっと共通していますよね。そう思うのですごく嬉しいし、この2マンは結構喜ばれちゃうと思いますよ。

lia(shallm):以前フェスにご一緒した時にステージを観させていただいたんですけど、アチアチに盛り上げていらっしゃって、負けてらんないなと思いました(笑)。

少年あああああ(終活クラブ):新宿LOFTの当日は、どっちかなって思っていて。というのも「うるせえこいつら、熱い熱い」って感じで振り切って行くか、ライブ自体は楽しめれば基本それでいいので「やりすぎないようにしよう」とするか。

──やりすぎないような寸止めが、終活クラブにできます?

少年あああああ(終活クラブ):あ、できないわ。嘘でした。なんでもないです。すみません。ちょ、黙ります。

──liaさんは、いつもはどういうことを考えてステージに立つんですか?

lia(shallm):前回よりも殻を破ろうって思ってます。私、人見知りで緊張しいなんです。ライブまで間が空くと、久しぶりに会うお客さんに緊張しちゃうんです。ですけど、自分の殻を破って行くことによって届くものがあるかな、ライブの良さってそこかな、みたいな。音源を超えるとか、前のライブ超えるとかを意識してやっています。

──堂々とステージで輝いているアーティストが緊張しいだなんて、僕らリスナーはまさかって思っちゃうけど。

lia(shallm):いや、本当に緊張しいです。

少年あああああ(終活クラブ):僕も全然緊張しますよ。本当にめっちゃ震えてる。だからいつもバレないようにしてます。

lia(shallm):緊張するけど、ライブがやりたいという思いがギリ勝っているからステージに立つだけ。

photo by Yuto Takoshima

──そこか。そこがアーティストたる所以ですね。

少年あああああ(終活クラブ):そうかもしれない。

lia(shallm):始まる前はずっと緊張していて「あと○日後に終わっているから」って思っているんですけど、終わると「また早くライブやりたいな」って思っているので…何なんですかね(笑)。

──何なんですか?(笑)

少年あああああ(終活クラブ):ライブは楽しいですよね。目の前で誰かが笑ってくれるのを見れるっていうのは、すごいモチベーションになる。やってきたことの確認というか証明になるから「あ、この曲書いてよかったんだ」ってそこでやっと思える感じがあるんですよ。

lia(shallm):うん。曲を作っている時は部屋でひとりで書き書きしてるんですけど、それがステージに立ってみんなに届けられるっていうのは、やっぱ凄く感動します。

──ファンの僕らもそれを待っていますから。

lia(shallm):多分、転生したいふたりが開催する2マンライブなので、アチアチな主人公対決になると思います(笑)。こういう2マンって初めてなのですごい楽しみなんです。なんか本当に「対バン」っていう対決みたいな感覚でいるんですけど(笑)。

少年あああああ(終活クラブ):ほんとに楽しみ。ライブって2マンが1番いいんですよ。仲良くなれるし、なんか分かり合えるし、お互いの曲をいっぱい聴いてライブの運びとかを見て、MCもちゃんとあって、それが1番いいんです。楽しみにしててほしいです。いいライブになると思います。ならないわけないからね。

lia(shallm):…というライブになるので、皆さんもぶつかってきてください。負けないように。

──ライブは、お客さんも主人公だから。

少年あああああ(終活クラブ):実際そうですよ。その人もその人生の主人公を生きているんだから、僕らと同じ。

lia(shallm):一緒ですね。楽しみにしてください。

取材・文◎烏丸哲也(BARKS)

<終活クラブ×shallm ツーマンライブ>

2026年6月11日(木)
@新宿LOFT
開場 18:15/開演 19:00 ※オールスタンディング
料金:前売 ¥3,500(税込)/当日 ¥4,000(税込)/学割¥2,000(税込)※ドリンク代別¥600

『女神「異世界転生何になりたいですか」 俺「勇者の肋骨で」』

©安泰/宝島社/めがおれ製作委員会

2026年4月7日(火)より、日テレ、BS日テレ、AT-Xにて放送開始
・日テレ 4/7より毎週火曜 25:59 AnichU枠放送
・BS日テレ 4/8より毎週水曜日 23:30放送
・AT-X 4/8より毎週水曜日 21:00放送
毎週金曜日 9:00 ※リピート
毎週火曜日 15:00 ※リピート
※さらに2026年4月7日(火)より、dアニメストア、ABEMAにて最速配信!ほか配信サイトでも順次配信予定
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