【速レポ】<CROSS ROAD Fest>Waive、すべてを燃やし尽くすサウンド「とても幸せです」

オープニングで東海林のり子が日本武道館の現場から、Waiveの武道館ライヴを告知するというムービーが流れる。というのも、彼らは2005年に解散した後、2023年に再結成を宣言し、現在は2026年1月4日に日本武道館で行なう解散ライヴに向けてものすごい勢いで精力的に活動を展開している最中なのだ。
それを示すように、会場の最寄り駅であるJR海浜幕張駅構内に貼られたWaiveのドでかいポスター、彼らのファンが着ているTシャツ、どれもが彼らの日本武道館解散ライヴを猛アピールしている。昨日は会場内のブースでメンバー自ら武道館のチケットを手売りし、Psycho le Cemuのメンバーが(あの姿のまま列に並んで)チケットを購入してチケット販促を盛り上げるなど、とにかくみんなが一丸となって、武道館の解散ライヴを盛大に盛り上げようと愛と情熱を注ぎまくっている。
それに応えるようにSEにのせて、まず高井淳(B)が登場して観客を煽る。貳方孝司(G)、杉本善徳(G)に続き、姿を現わした田澤孝介(Vo)は「声出していこうか!」と叫び、ライヴはダークでメロディアスでスピード感に満ちたアッパーチューン「火花」で幕開け。鋭利なギターリフで、オーディエンスに火をつけていくと、1番の終わりに舞台上では火花がスパーク! ド派手な演出に会場全体が沸き上がる。《あの日の僕にまだ届くなら すべてを燃やし尽くせ!》という力強いフレーズを田澤がロングトーンで歌い、観客の心に火をつけると、曲のラストには再び火花がスパーク。オープニングにしてハイライトのような盛り上がりを作り出す。

そうして、Waive最後の音源作品として11月26日にリリースするラストEP盤『The SUN』から、先日先行配信したばかりの新曲「燦-sun-」へとつないでいく。杉本のギターリフに続いて、グルーヴィーなフレーズを刻む高井が田澤と向かい合って軽快にステップを踏み、そこから彼ら特有のビートが疾走していくエネルギッシュなサウンドは、解散を前にしたバンドとは思えないほどキレキレ。サビでは田澤の合図でオーディエンスがタオルを回し、幕張に壮観な景色を生み出すなど、新曲とは思えないほどライヴ映えも抜群だった。

「みなさま元気ですか? 楽しんでますか? 2日続けてこういうメンツが集まり、そこに我々も加えて頂いているのはとても幸せです」と田澤が伝えたあと「ではバラードを1つ贈ります」といって「spanner」のパフォーマンスが始まると場内の空気は一転。彼らのライヴには欠かせないのが、このバラードコーナーだ。懐かしくもせつないメロディーと歌詞を田澤がエモーショナルに歌い上げていくと、観客たちは息をするのも忘れて聴き入る。泣きそうな表情を浮かべて、アウトロで田澤がフェイクを絶唱していくと、杉本がギターで叫び声を上げるように泣きの激情フレーズを弾き、場内は大きな感動に包まれていった。

だが、その余韻にひたる間もなく、杉本がメガネをかけ「こんちは~」と、関西弁で陽気にしゃべり出す。Waiveは親しみと愛を込めてファンを“オバハン”と呼んでいるが「今日はレディーもいらっしゃる」というと、田澤がそれをすぐに拾って「レディーのみなさま、このあとは大暴れのゾーンに入りたいと思います。オバハンども、レディーのみなさんが参加したくなるようなお手本を見せて、全員で踊れ!」と客席を煽ったあと、杉本と貳方がリフを掻き鳴らすと、田澤が両手を交互に突き上げ、オーディエンスも一斉に同じ振りを繰り出し、白煙が噴き上がる。始まったのはもちろんWaiveのライヴアンセム「ガーリッシュマインド」だ。田澤と杉本がツインボーカルのように掛け合っていくとレーザーが飛び交い、観客たちは“オイ! オイ!”と叫び声を上げながらジャンプ。高井が雄叫びを上げ、観客の声とパッションをさらに引きだしていったあとは、田澤が「この会場をもっと温めて先輩に渡したいと思います。力、貸して下さい」といって、コール&レスポンスを巻き起こしていく。フロントでメンバーが激しく入れ替わり移動し、観客の熱狂をさらに高めていくと、場内はクライマックスのような盛り上がりに。

そして、その熱をキープしたままライヴはラストナンバー「いつか」へとなだれこむ。レインボーカラーの照明が客席を明るく照らすなか《この世が終わるとしてもきっと まだ見ぬ未来へと駆け抜けていく》と田澤が歌うフレーズが目の前にいる彼らとシンクロして、胸に熱いものがこみ上げてくる。そして、手をステージに伸ばしヒラヒラと動かしていた観客を最後、再び“オイ! オイ!”と叫ばせ、ライヴは熱狂に包まれたなか、終了。
解散すると覚悟を決め、全速力で駆け抜ける彼ら。再び映像に東海林のり子が登場し、武道館の現場から解散ライヴのチケットのことを彼らの代わりに告知して、この日の熱狂をWaiveのLAST GIGへとつないでいった。
取材・文◎東條祥恵
撮影◎緒車寿一
■セットリスト
1. 火花
2. 燦-sun-
3. spanner
4. ガーリッシュマインド
5.いつか
■<CROSS ROAD Fest>
【DAY1】11⽉15⽇(土) 千葉・幕張メッセ 幕張イベントホール
open12:00 / start13:00
【DAY2】11⽉16⽇(日) 千葉・幕張メッセ 幕張イベントホール
open10:30 / start11:30
〒261-8550 千葉市美浜区中瀬2-1

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