【ライブレポート】[Alexandros]主催<THIS FES ’25>Day2、大成功で閉幕。川上洋平「もっともっと続いていくフェスにしたいと思います」

2025.11.03 18:00

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[Alexandros] 主催の野外音楽フェス<THIS FES ’25 in Sagamihara>が11月1日(土) 、2日(日)に川上洋平(Vo,G)と白井眞輝(G)の出身地である神奈川県・相模原市で開催された。2日目公演には[Alexandros]をはじめ、10-FEET、go!go!vanillas、HEY-SMITH、マカロニえんぴつ、MY FIRST STORY、ORANGE RANGEという7バンドが出演し、約2万人を熱狂させている。本記事では2日目公演の模様をオフィシャルレポートでお届けする。

◆ライブ写真

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■MY FIRST STORY

「Burger Queen」が流れ、<THIS FES>主催者、[Alexandros]が登場。川上洋平が「<京都大作戦>へようこそ!」と言うと、すかさず磯部寛之が「違う違う!」と突っ込んだ。川上が今日の出演アーティストの濃さを「焼肉上カルビ弁当」と称し、2日目のトップバッター、MY FIRST STORYを呼び込んだ。

写真◎SHOTARO

1曲目の「猿真似ドロップアウト」を演奏中に、Hiroが「良い景色ですね! THIS FES!」と言って満足気な表情を浮かべた。「モノクロエフェクター」でHiroとTeruとNobがKid’zが座るドラムセットを囲むようにして集まりパワフルな音像を奏でると、オーディエンスがヘッドバンキングで応えた。「You’re already dead」で快調に温度を上げ、「ACCIDENT」で約2万人をジャンプさせた。

Hiroが「最高ですね! いろんな大型フェスありますが、こういう主催してる人の顔が見えるフェスは大好きです!」と言うと、ビジョンに観覧エリアにいる[Alexandros]の面々が拍手をする姿が映った。面識がなかったにもかかわらず、昨年のMY FIRST STORYの対バンツアーへの出演を[Alexandros]にオファーしたら快諾してくれ、繋がりが生まれたという。「高校2~3年生の時に田町のTSUTAYAで『For Freedom』を聴いて『めっちゃかっこいい! 何このバンド?』って思った。あの当時聴いてたバンドのフェスのトップバッターを任せてもらえるなって思ってもなかった」とHiroが感激を露わにした。ソリッドなアンサンブルで魅せた「REVIVER」のアウトロでHiroは「以上! 上カルビ焼肉弁当でした!」と川上が前説で口にしていた例えを引用し、渾身のライブを終えた。

文◎小松香里

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写真◎Miki Fujiwara

■ORANGE RANGE

対バンイベント<This Summer Festival 2014>に出演経験のあるORANGE RANGE。RYOが「まずはアレキにマジで感謝です! 沖縄の我々もこのフェスに力添えしたいんですが、皆さんも力を貸してくれますか!」と言って、国民的ヒット曲「以心電信」からライブをスタート。テンポを落としたダビーなアレンジが挟み込まれ、オーディエンスの「僕らはいつも以心伝心」という歌が相模原の空に伸びてく。アウトロのハンドクラップ中にRYOが「このステージからみんなの顔見てると、なんか良い感じだぜ!」と言って「ロコローション」へ。もちろん大盛り上がりだ。

HIROKIが満員の客席エリアを見て「THIS FES、出れて嬉しいよ! この時間でこんな人入る?」と感嘆の声を上げた。知らない曲でも盛り上がるという契約をオーディエンスと結んだ後、今春リリースの「マジで世界変えちゃう5秒前」をドロップ。しっかり盛り上がり、メンバーは嬉しそう。続いて、今夏リリースした「裸足のチェッコリー」。HIROKIが二度演奏を止め、オーディエンスに対して盛り上がり方に対するダメ出しをしてどっと笑いが起きた後、これまで以上の盛り上がりを見せた。「Pantyna」、「SUSHI食べたい」、「DANCE2」、「おしゃれ番長」というソイソースメドレーで2万人を躍らせた後は、RYOが「アレキのためにしっかりバトンを渡したい」と宣言し、リバイバルヒット中の「イケナイ太陽」を披露。「上海ハニー」では2万人が沖縄の踊りであるカチャーシーを楽しんだ。

文◎小松香里

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写真◎「THIS FES ’25 in Sagamihara」主催者提供

■HEY-SMITH

猪狩秀平(G,Vo)の「やっほー! <THIS FES>初登場、俺たちがHEY-SMITHです!」という自己紹介の後、1曲目の「Say My Name」へ。YUJI(B,Vo)の切実さを帯びた鮮烈な歌に、ファットなホーンの調べが重なり、その熱に呼応するように観客が怒涛のコールを繰り返していく。続く「Endless Sorrow」では、ホーンのリフに合わせてヘドバン、「2nd Youth」では、スカのリズムに合わせてステップを踏む。その後も、メンバーと観客による情熱的なコミュニケーションがまだまだ続き、展開を重ねるごとに観客の声が大きくなっていく。

MCパートでは、猪狩は、12〜13年前に初めて[Alexandros]のメンバーと出会った時、初対面にもかかわらずとても近い距離で話し込んだことを振り返り、また、HEY-SMITHが活動を休止した時、スペースシャワーTVの番組『Welcome! [Alexandros]』に呼んでもらったことを思い出しながら、「大事なところで助けてもらってる。」と告げた。そして、それぞれ別々の道に進みながらも、「今こうやってここに立てて幸せでございます!」と万感の想いを語った。

その後も、「今年、野外でやるの最後やと思います。」という前置きを添えて届けた夏曲「Summer Breeze」をはじめとした渾身のナンバーを次々と届け、「最後の1曲はアレキに送るぜー!」と叫び「Don’t Worry My Friend」を披露。時間が余ったとのことで「Come back my dog」も披露。11月の野外とは思えないくらい、終始あまりにも熱烈なステージだった。

文◎松本侃士

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写真◎renzo

■go!go!vanillas

昨年に続き2度目の出演。ジェットセイヤ(Dr)が<THIS FES>のタオルを高く掲げ、「<THIS FES>!」と豪快に叫び上げ、最新のロックンロールナンバー「SCARY MONSTER」から幕開け。その後、柳沢進太郎(G)の指揮で、「go!go! <THIS FES>」「I Love 相模原」「I Love <THIS FES>」「go!go! [Alexandros]」のコール&レスポンスを繰り返し、「カウンターアクション」へ。続けて、牧達弥(Vo,G)が「[Alexandros]への愛を撃ち抜いてくれ、相模原ー!」と叫び、 「one shot kill」へ。

MCでは、牧が、 [Alexandros]は素晴らしい音楽をたくさん聴いて、それを自分たちの音楽に落とし込んでいて、そういうバンドだからこそ<THIS FES>の2日間のラインナップが実現している、と語った。そして、観客に「音楽にひたっていきましょう。」と優しく呼びかけ、「ダンデライオン」を披露。心の奥深くまで染み込む牧の歌、その上に観客の歌声が重なっていく。その後も、長谷川プリティ敬祐(Ba)の「踊ろうぜ、<THIS FES>!」という呼びかけに応え、観客は、自由に踊りながら次々とクラップやコールをばっちりきめていく。

最後に牧は、 [Alexandros]というかっこいい先輩がいるからこそ、「僕らもかっこいいロックバンドでいようと思える。」と告げ、観客に「俺たちと共に[Alexandros]を驚かせてやろうぜ!」と呼びかけ、「おはようカルチャー」で並々ならぬ大合唱を巻き起こしてみせた。圧巻の大団円。

文◎松本侃士

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写真◎「THIS FES ’25 in Sagamihara」主催者提供

■マカロニえんぴつ

はっとりが「今日の出演者の中では群を抜いてファニーなバンドがやってきました!」と自己紹介。「いつもよりなめられまいと虚勢を張っております! マカロニえんぴつもちゃんと受け入れてもらえてるかな?」と訊くと、オーディエンスがYESの反応を返した。「[Alexandros]に愛を込めて頑張ります!」(はっとり)。「リンジュー・ラヴ」と「恋人ごっこ」で切なく甘い恋愛模様を描いた後は、リリースしたばかりの「化け物」。マカロニえんぴつの強みのひとつである地に足の着いた骨太なアンサンブルでオーディエンスをぐっと引き込んだ。

[Alexandros]の「Starrrrrrr」のカバーに続いて、はっとりが「一緒に歌えますか? いけるか! 相模原!」と言って、「洗濯物と君とラヂオ」へ。そのままゴリゴリのドラミングで繋げ、田辺由明のギターが唸りを上げる。「星が泳ぐ」だ。軽やかにバウンスする鍵盤の音色が広がり、巧みに緩急を付ける展開がさすがだ。田辺のギターソロの横ではっとりがシャウトした。

はっとりが「自分ひとりだと自信がなくなることもあるけど、ロックフェスに出る度にロックバンドは減ってないって感じられる。疑ってかかることが増えてる自分が嘘みたいに、『ロックこそが最強だ』って『俺たちの解放区だ』って思える。ロックが大好きです」と、ロックバンドの猛者が揃ったTHIS FESに最大のリスペクトを表し、「なんでもないよ、」を想いを込めて歌った。はっとりが声量を落とすと、オーディエンスの美しい歌が響き、多幸感が広がった。

文◎小松香里

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写真◎「THIS FES ’25 in Sagamihara」主催者提供

■10-FEET

トリ前の10-FEETだ。いきなりの「goes on」。演奏を終え、TAKUMAが「ありがとうございました!10-FEETでした!」と言って早速ライブを終えようとするが、オーディエンスが「アンコール!」の声を上げる。TAKUMAは嬉しそうに「初めて出るフェスなのにめっちゃノリいいやんか!(笑)。アンコールやっていい?」ということで、「RIVER」へ。歌詞を「枯れるまで流れゆく相模川」や「流れゆく鶴見川」と変え、喝采を浴びる。「アレキがお兄ちゃんで俺らが弟的な」と言って、[Alexandros]が第Ⅰクールのオープニング主題歌を「超える」で務めたアニメ『ウマ娘 シンデレラグレイ』第2クールオープニング主題歌の「スパートシンドローマー」を披露。続けて、こちらもアニメ作品のエンディング主題歌、社会現象を巻き起こした映画『THE FIRST SLAM DUNK』の「第ゼロ感」でオーディエンスを熱狂させた。

TAKUMAが「見ててわかんねん。俺らのこと見るの初めてな人が多いと思うけど、手拍子する人がどんどん増えてって、どんな優しいフェスやねん(笑)」と笑顔を浮かべた。「バンド25年以上やっててライブにめっちゃこだわってる。どんな悪いニュースだって本人にしかわからないことがある。直接見て聞かないとわからないことがあって、こうやってライブに来てる人は信用できる。こういうライブの場を[Alexandros]に用意してもらえて、めちゃくちゃ幸せです!」と言って、「蜃気楼」を披露。「ライブは悲しみを半分に! 幸せを倍にできる! そう信じてる! アレキ、ありがとう!」というTAKUMAからのメッセージに続いて演奏された「VIBES BY VIBES」が深い余韻を残した。

文◎小松香里

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■[Alexandros]

川上洋平(Vo,G)が「「What’s Up? 相模原!」と力強く問いかけ、1曲目の「Boy Fearless」からライブが幕開け。闇夜に轟く凶暴なサウンドがスリリングな高揚をもたらし、観客も負けじと全力でジャンプを繰り返す。「<THIS FES ’25>へようこそ! そして我々が生まれ育った故郷、相模原へようこそ!」「最高の街だろ、お前ら、一緒に騒ごうぜ!」川上がそう呼びかけた後に披露されたのは「city」。続けて「閃光」へ。ラストサビ前、会場全体が明るく照らし出される中、川上からマイクを託された観客が大合唱。そのままラストサビに突入するかと思いきや、ここでブレイク。川上が「もっともっと声出せ!」「全部吐き出せ!」と際限なく煽り続け、ラストサビへ。まだ3曲目だが、まるでクライマックスのような一体感と高揚感だ。

狂騒的な展開はまだまだ続く。川上は、「10年前に1回だけ出た<京都大作戦>のほうがヤバかったよね?」と磯部寛之(Ba,Cho)に問いかけながら観客を煽り、曲名からして極めて挑発的な「Kill Me If You Can」へ繋ぐ。そして、リアド偉武(Dr)による豪快なドラムに観客の怒涛のコールが重なり、「金字塔」へ。川上は、《一十百と千万億を越えようぜ 相模原》《永久に継ぐ相模原》と歌詞を替えて歌い、次の「Starrrrrrr」では、観客の大合唱、そして、白井眞輝(G)の鮮烈なギターソロが、相模原の夜空に高らかに響きわたる。

「Droshky!」では、HEY-SMITHの猪狩秀平、満、イイカワケン、サポートのUMEがゲストとして登場。狂騒的なパーティーチューンをホーンの音色が熱烈に彩り、間奏では、猪狩と白井のユニゾンプレイが炸裂。その後のMCパートで、川上は、かつて出演した「京都大作戦」から、地元を愛すること、大切にすることを学んだと振り返り、今後も<THIS FES>を続けていく意志を伝えた。

「相模原のキッズたちが、5年後、10年後、<THIS FES>に出てくれたら嬉しいじゃん。」という川上の言葉に熱い歓声と温かな拍手が送られ、いよいよここからクライマックスへ突入。「超える」「ワタリドリ」が立て続けて披露され、ラストの「KicK&Spin」へ。特効の炎が熾烈にステージを彩る中、観客は残された全てのエネルギーを出し尽くすように懸命にジャンプを繰り返す。そして、川上がマイクスタンドを天高く突き上げるのと同時に花火が盛大に上がる。最後に川上は、「愛してるぜ、相模原!」と叫びステージを去っていった。

文◎松本侃士

写真◎「THIS FES ’25 in Sagamihara」主催者提供

■セットリスト<THIS FES ’25 in Sagamihara>Day2
2025年11月2日(日) 

​■MY FIRST STORY
1​. 猿真似ドロップアウト
2​. 蜃気楼
3​. モノクロエフェクター
4​. You’re already dead
5​. ACCIDENT
6​. アンビシャス
7​. Missing You
8​. ALONE
9​. MONSTER
10​. REVIVER

​■ORANGE RANGE
1​. 以心電心
2​. ロコローション
3​. マジで世界変えちゃう5秒前
4​. 裸足のチェッコリー
5​. ソイソースメドレー
Pantyna feat​.ソイソース | SUSHI食べたい feat​.ソイソース | DANCE2 feat​.ソイソース | おしゃれ番長 feat​.ソイソース 
6​. イケナイ太陽
7​. 上海ハニー

​■HEY-SMITH
1​. Say My Name
2​. Endless Sorrow
3​. 2nd Youth
4​. Radio
5​. TP Session
6​. Into The Soul
7​. California
8​. Be The One
9​. Inside Of Me
10​. Summer Breeze
11​. You Are The Best
12​. We sing our song
13​. Dandadan
14​. Don’t Worry My Friend
15​. Come back my dog

​■go!go!vanillas
1​. SCARY MONSTER
2​. カウンターアクション
3​. one shot kill
4​. 正体
5​. ダンデライオン
6​. エマ
7​. 来来来
8​. 平成ペイン
9​. おはようカルチャー

​■マカロニえんぴつ
1​. いつか何もない世界で
2​. ハートロッカー
3​. レモンパイ
4​. リンジュー・ラヴ
5​. 恋人ごっこ
6​. 化け物
7​. Starrrrrrr
8​. 洗濯機と君とラヂオ
9​. 星が泳ぐ
10​. 静かな海
11​. なんでもないよ、

​■10-FEET
1​. goes on
2​. RIVER
3​. スパートシンドローマー
4​. 第ゼロ感
5​. ハローフィクサー
6​. その向こうへ
7​. 蜃気楼
8​. ヒトリセカイ
9​. VIBES BY VIBES

​■[Alexandros]
1​. Boy Fearless
2​. city
3​. 閃光
4​. Kill Me If You Can
5​. 金字塔
6​. Starrrrrrr
7​. Droshky!
8​. Philosophy
9​. 超える
10​. ワタリドリ
11​. KicK&Spin

■<[Alexandros] presents THIS FES ’25 in Sagamihara>

2025年11月1日(土) 相模原ギオンフィールド
開場 09:00 / 開演 11:00 / 終演 19:30 (予定)
出演:[Alexandros] Chilli Beans. hard life (UK)  ハルカミライ くるり UNISON SQUARE GARDEN WANIMA

2025年11月2日(日)相模原ギオンフィールド
開場 09:00 / 開演 11:00 / 終演 19:30 (予定)
出演:[Alexandros] 10-FEET go!go!vanillas HEY-SMITH マカロニえんぴつ MY FIRST STORY ORANGE RANGE

特設サイト:https://thisfes.com/

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