【インタビュー】男装アーティスト「ル・クール」が表現する中性的な美しさと個性「好きを恐れずに自分を出していい」

中性的な美しさとかっこよさを武器に活動する男装アーティスト「ル・クール」。6人それぞれが強みを持ち寄り、互いを支え合うチームワークで、独自の世界観を築いてきた。
9月24日にリリースされた待望の1stシングルには、表題曲「TABOO」をはじめとする3曲それぞれに異なるコンセプトと想いが宿っている。今回のインタビューでは、メンバーのキャラクターやレコーディングでのこだわり、そして“好き”を解放するメッセージについて語ってもらった。
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◼︎唯一無二の個性が集結! 男装アーティスト・ル・クールの素顔
──まずはBARKS初登場となるので、お一人ずつ自己紹介をお願いします。
ルカ:ブラックダイヤモンド担当のルカです。メンバー唯一の金髪で、髪色で覚えていただくことが多いです。
リアム:ラピスラズリ色担当のリアムです。矢沢永吉さんと宝塚歌劇団が大好きです!
アメ:アメジスト担当のアメです。ファッションが大好きです。「アメジスト担当だからアメなの?」と言われることが多いんですが、まったく関係ありません(笑)。
ルネ:シルバー担当のルネです。辛いものや刺激のある食べものが大好きです!
ノエ:ターコイズグリーン担当のノエです。英語を武器に、グループに貢献できるようになりたいと思っています。
イヴ:ルビー担当のイヴです。普段は柔らかい性格ですが、歌うときは憑依するタイプで、唯一無二のかっこいい歌声だと思っています。注目していただけたら嬉しいです。

──それぞれどんな役割やキャラクターはどんな感じでしょう?
ルカ:リーダーはいないんですけど、パフォーマンス面はリアムくんがみんなを客観的に見て指示を出してくれます。ライブ中のMCはアメが担当してくれて、ルネは末っ子キャラかなあ。
アメ:YouTubeの企画でも、ルネはよく笑いの神様が降りてきてるよね。おもしろさがナチュラルに出てくる。
イヴ:ワンマンライブ中のグッズ紹介で、最後にルネくんがステッカーをばら撒いちゃったのもおもしろかったよね。めっちゃ盛り上がった。
リアム:しかも、パラパラって落とすから見た目もきれいだったよね(笑)。
ルカ:逆に、ルネから見た僕らの立ち位置を聞きたいな。
ルネ:僕はみんなに頼りまくってます。リアムくんはダンス面でたくさんアドバイスしてくれるし、ルカくんはいつも散歩に付き合ってくれる。
ルカ:会話せずにひたすら歩くだけのときもあるよね。
ルネ:それが僕にとって癒しで、ほっとする時間なんです。
ノエ:僕はしゃべるのがあまり得意ではないんですけど、いつも隣にいるアメくんが何も言わなくてもサポートしてくれる。本当にありがたいです。
アメ:とんでもないです。逆に、僕が言葉に詰まったときはリアムが助けてくれるよね。
リアム:目の圧がすごいんですよ(笑)。でも、いつもクールに見えるからこそ、困った姿を見せるとファンの方には新しい一面が見えていいんじゃないかなと。
アメ:本当ですか?
リアム:サポートし合えるのもグループならではだよね。僕は基本ふざけてるから、話を聞いてないときもあるけど(笑)。
ルカ:パフォーマンスもMCも、誰かが欠けていたら上手く歯車が回らない感じはあるよね。
イヴ:僕は歌で個性を出すのが得意なんですけど、細かいリズム感やニュアンスはノエくんやアメくんに教えてもらうことが多くて、すごく助けられています。

──個性豊かなみなさんですが、これまでどんな音楽に影響を受けてこられましたか? 歌唱のアレンジや表現にも幅があるので、どんなルーツが影響しているのか気になります。
リアム:僕は小さい頃からダンスが好きで、洋楽に触れることが多かったんです。英語なので歌詞はまったく分からなかったけど、リズム感で好きになることが多くて。今は矢沢永吉さんの胸熱な曲にハマっています。
アメ:僕は小さい頃から中島美嘉さんを聴いています。クールに見えるけど、歌に温かみがあって愛情がすごく伝わるというか。一気に曲の世界へ引き込む表情が大好きです。
イヴ:僕は、クリープハイプさんや東京事変さんのように、感情をさらけ出して叫ぶような歌が魅力のバンドが大好きで。その影響が自分のパフォーマンスにも生きているのかなと思います。
ノエ:僕も小さい頃から洋楽が好きで、特にセレーナ・ゴメスさんのように、歌や表現で人をハッピーにできる姿にすごく憧れています。
ルネ:僕は男女問わず、いろんなアイドルやダンス&ボーカルグループを見てきました。曲ごとの表現力や一体感のあるダンスが本当に魅力的なんです。僕も自分の感情を乗せたダンスや、歌詞に合った表現ができるアーティストになりたいと思っています。
ルカ:僕は幼少期からクラシックバレエとバイオリンを習っていて、母の影響でクラシックと流行のJ-POPをよく聴いていました。いちばん影響を受けたのは、学生の頃に出会ったボカロです。今まで聴いたことのない電子音が衝撃的で、そこからボカロやニコニコ動画の歌い手さんなど、インターネット文化に入り浸っていました。
──音楽のルーツもバラバラだからこそ、お互いのサポートにも繋がっているんだなと感じました。ル・クールというグループの魅力は何だと考えていますか?
イヴ:やっぱり、男装アーティストにしか出せない中性的な魅力があると思うんです。僕らは個性が強いから、それぞれ別のかっこよさと美しさを兼ね備えた表現ができるんじゃないかなと思います。
アメ:性格や好きなものがバラバラだからこそ、見てくださった人に合った“男装の中性的な魅力”が刺さるのかもね。
ノエ:ル・クールはかっこいいビジュアルなのに、みんな中身はおもしろくて優しいところも魅力だなと思います。
リアム:僕はファーストインパクトが強いグループだと思っていて。フライヤーをパッと見たときに、まずビジュアルがいい! 金髪のルカを囲んでいる僕らの黒髪が、いい味出してるんですよ。
ルカ:楽曲も、毎回僕たちが驚くくらいすてきだしね。

──パフォーマンスのかっこよさとわちゃわちゃ感のギャップがいいですね。グループ結成から今までを振り返ってみて、いかがですか?
アメ:今でこそ仲いいけど、最初はみんな人見知りしてたから、ちょっと距離があったよね。
ノエ:はじめはどんなグループになるか不安な気持ちもあったんですけど、だんだんみんなとの距離が縮まって、お互いに相談もできるようになって。すごくいいグループになったと感じています。
──今までケンカなどもなく?
ルカ:ケンカはないですね。
リアム:あるとしたら、お弁当のときじゃない?
イヴ:お弁当ジャンケンのときは、みんな本気です。
──お弁当ジャンケン?
ルカ:内容の違うお弁当があったときに、ジャンケンで勝負して好きなものを選ぶんです。特に僕とアメが同じお弁当を選ぶことが多くて、アメが勝ったら「イエーイ!」って本気で喜ぶんです(笑)。
アメ:ルカに譲ったり半分こすることもありますよ!(笑)。僕はとにかく何でも食べたいタイプなんです!
リアム:(同席しているマネージャーに向かって)いつも美味しいお弁当をありがとうございます!
──活動面やファンの方との関わりで、印象的だったことはありますか?
リアム:最近うれしかったのは、「ル・クールの曲をずっと聴いちゃいます」って言ってくださる方が増えたこと。あと「ひとりでイベントに行くときは不安だったけど、来てみたらすごく楽しくて、1人でも行ける」って言ってもらえたのも、嬉しかったです。
イヴ:曲の感想を言ってもらえるのはありがたいよね。僕も「このパートをずっと繰り返して聞いちゃいます」とか言ってもらえて、嬉しかったです。
アメ:この前の<真夏の幕張アイドルSPLASH祭り>もおもしろかったよね。僕らがファンの方に水をかけるイベントで、「最高の夏の思い出ができた!」と言ってもらえました。みんな水のかけ方に個性が出てて、おもしろかったです。ノエはお風呂のかけ湯みたいにやさしくて、リアムがすごかったよね(笑)。
リアム:ファンの方の頭にゆっくりかけて、滝行みたいにしてました(笑)。でも、そう言うアメが一番豪快だったよ。
アメ:頭にバケツごとかけてました!
リアム:みんながどんどん水かけるから、水が追いついてなかったもんね。

