【ライヴレポート】HYDE、ワールドツアー<HYDE [INSIDE]>より“BEAUTY & THE BEAST”神奈川公演で「男子! 女子! 命を燃やせ!」

HYDEが6月21日の東京・Zepp Hanedaを皮切りに<HYDE [INSIDE] LIVE 2025 WORLD TOUR>を開催中だ。同ワールドツアーより、8月10日の神奈川・KT Zepp Yokohama公演のオフィシャルレポートをお届けしたい。
想像をはるかに超越するシナジー。コンセプトである<BEAUTY & THE BEAST>を具現するようにして男性エリアと女性エリアに二分したフロアに渦巻いているのは一体感という言葉ではとても表現しきれないほどの濃厚にして途轍もない熱狂だ。まさか、これほどの相乗効果が生み出されようとは、首謀者・HYDEも予想だにしていなかったのではないだろうか。

最新アルバム『HYDE [INSIDE]』を携え、日本7都市と中南米・アジア・ヨーロッパ9都市を約5ヵ月間にわたって巡る自身最大規模のワールドツアー<HYDE [INSIDE] LIVE 2025 WORLD TOUR>を開催中のHYDEが、8月9日および10日に神奈川・KT Zepp Yokohamaにて<BEAUTY & THE BEAST>として追加公演を行った。ちなみに、<BEAUTY & THE BEAST>とは、男性客と女性客をエリア分けしたHYDEのライヴにおける人気企画。これまでは男性を1階スタンディングフロア、女性を2階指定席に分ける形で開催されてきたが、ファンからの要望に応えて、今回は1階フロアを縦に二分するという初の試みで敢行されるという。なお、ファンの間では語呂合わせで“HYDEの日”として呼び親しまれている8月10日の公演は日本全国及びアジア8都市の映画館でライブ・ビューイング、さらに全世界配信も行われ、この歴史的一夜は各所で目撃された。
両日ともにチケットはソールドアウトとあって、ステージ上手側フロアのBEAUTY(女性)エリアも下手側のBEAST(男性)エリアも開演前からすし詰め状態。俯瞰するに両サイドの体格差は歴然としているものの、ひしめく熱量は互いにひけを取っていない。この2日間のオープニングアクトを務めたASH DA HEROによる全身全霊のパフォーマンスが逸る期待を否応なしに煽り、そうして迎えた開演時刻。ゆっくりと開いた黒幕の向こうに高くそびえる演説台と、その頂からオーディエンスを睥睨するHYDEが姿を現すや、黄色い嬌声と野太き歓声が一斉に噴き上がった。待ってましたとばかり、ステージめがけて一気呵成になだれを打つのが目に見えるかのごとき凄まじさだ。

だが、HYDEはまるで怯まず、むしろ不敵な光をその瞳に宿して「LET IT OUT」を投下。アルバム『HYDE [INSIDE]』の実質的1曲目であり、今ツアーの全公演でオープナーを担ってきたアグレッシヴなこの曲がたちまちBEAUTYとBEASTの理性を等しくぶち壊し、場内は瞬く間に狂騒の坩堝と化していく。物々しい仮面姿でステージを跋扈するバンドメンバーの動きもこの日は一段と激しい。
「男子! 女子! 今日という日を楽しみにしていたぜ。今日は遠慮なくいっちゃっていいんじゃない? お互い、気を遣わないでいこう。相乗効果が起こるのを楽しみにしてます。やれるか?」
HYDEにそう問われて「ノー」と答えるファンなどこの場にいるはずもなく、ステージが間髪入れずに畳み掛けてくる「DEFEAT」に全力で跳ね躍るフロア。HYDEの闘志にも本格的に火がついたのだろう、顔面を覆っていたハーフマスクを自ら剥ぎ取り、その美貌をあらわにしてはひときわ猛る。ステージ端に積み上げられたスピーカーアンプによじ登ったかと思えば、フロア最前列に身を乗り出して四方八方から伸びる手にもみくちゃにされながらグロウルからハイトーンまで自在に轟かせたり、軍帽をかぶってフラッグを高々と掲げる勇姿でオーディエンスを鼓舞したり、一瞬たりと目を離す隙を与えない。

「6or9」では「さあ、Zeppでどこまで遊び尽くせるか、君たちならできるよな? 俺たちとぶっ飛ぶ準備はできてるか!」と呼びかけ、「3, 2, 1」の合図で全員同時にジャンプを決めさせ、続く「MAD QUALIA」では「BEAUTY! BEAST! どっちがイカれてんだ? 決着つけようぜ」と男性エリア、女性エリアを容赦なく焚きつけて、イタズラっぽく舌を出すHYDE。激化する熱情の最前線に進んで身を投じ、「もっともっと」と熱狂を求めて血をたぎらせるHYDEこそは最強のBEAUTYでありBEASTに違いない。もちろんオーディエンスも負けじとHYDEの本気に喰らいついていく。演奏後、「頭おかしいんじゃないか? おまえら」と嬉しそうに声を弾ませるHYDE。これほどの褒め言葉もないだろう。
それにしてもなんと伸び伸びとしたフロアの盛り上がりだろう。リフトアップもクラウドサーフも、どちらのエリアでもひっきりなしだが、その違いは明確にわかる。HYDEが言っていた通り、エリア分けされたことで男性も女性もお互いにより遠慮なくそれぞれの本領を発揮、それが相乗し合って想像以上のパワーを生んだのかもしれない。男女の垣根のないカオティックな盛り上がりも捨てがたい魅力である一方、こうした試みによって拓かれる可能性もきっとある。ここにきてHYDEのライヴはまた一つ、新たな武器を手に入れたと言えそうだ。

「SOCIAL VIRUS」では男女双方のエリアでウォールオブデスが発生、「MIDNIGHT CELEBRATION II」で上半身裸になったHYDEは血糊を頭からかぶるとステージ狭しと暴れ倒し、ついには今ツアーのセットリストにおいて最大のハイライトと呼ぶべきバラードナンバー「LAST SONG」に突入した。流麗なピアノの調べをよすがに、主人公の孤独と狂気を歌にして紡いでいくHYDEの繊細なヴォーカリゼーションと血糊を滴らせながら身を捩る圧巻のパフォーマンスを、ひたすら息を呑んで見守るフロア。派手にはじけた直後だからなおのこと楽曲がはらむ悲しみ、痛みが胸に生々しく刺さる。
しばしのインターバルののち、メンバーによるソロプレイからインストセッションを経て、再びHYDEが登場したのは2階席だった。「PANDORA」の屈強なロックサウンドに乗せて朗々と歌声を放ち、右手に握ったウォーターガンで1階フロア、2階のオーディエンスにたっぷり水を浴びせかける、その嬉々とした笑顔がまたたまらない。1階フロアにはミニ風船を内包した巨大なバルーンも飛び交うなど、お祭り騒ぎの様相を取り戻した場内は天井知らずに再度ヴォルテージを高めていく。

「今日は本当にいい熟し具合で、素晴らしいね。けっこう長い間、スタンディングライヴをやってきてるけど、こんなすごいことになるとは。(この形で)やってみてよかった」
ステージに戻ったHYDEは狂熱を極めたこの日を振り返り、感慨深げにそう口にし、国内公演は残すところ宮城・仙台PITでの追加公演のみとなった今ツアーに触れると「この勢いをワールドツアーに持って行きたい。この勢いのまま、南米からヨーロッパまで回りたいなと思っています」と意気込んだ。その後、テレビアニメ『鬼滅の刃』柱稽古編のオープニング主題歌としてMY FIRST STORY × HYDE名義でリリースした「夢幻」、映画『NANA』の主題歌であり、主演の中島美嘉に提供した楽曲「GLAMOROUS SKY」を立て続けに披露。オープニングアクトとして出演したASHもオーディエンスとしてフロアで一緒に暴れ、クラウドサーフからのHYDEとグータッチという胸熱な場面もあった。さらにはこの日、8月10日に誕生日を迎えたhico(Key)のバースデーを会場の全員で祝ったあとにはHYDEとhicoのツインヴォーカルでリンキン・パークの「Faint」をカバーする一幕も。そしてラストは「SEX BLOOD ROCK N’ ROLL」が飾り、昂揚を極めた<BEAUTY & THE BEAST>は幕を閉じた。

この日のMCにてHYDEが明かしたところによれば「このツアーは狂っていて自分的にもすごくハッピーだけど、来年はこういうライヴハウスツアーは予定してない」のだという。それと同時に来たる10月25日および26日の2日間、千葉・幕張メッセにて<HYDE [INSIDE] LIVE 2025 WORLD TOUR -JAPAN FINAL->を開催することが彼自身の口から発表された。ライヴ中、幾度となく「命を燃やせ」「悔いを残すな」「今を楽しめ」と叫んでいたHYDE。日本における今ツアーの集大成となること間違いなしのJAPAN FINAL公演を見逃すわけにはいかない。
取材・文◎本間夕子
撮影◎石川浩章/行本正志

■ライヴ配信『HYDE [INSIDE] LIVE 2025 WORLD TOUR BEAUTY & THE BEAST』
日時:2025年8月10日(日) 16:50 OPEN/17:06 START ※JST
アーカイブ配信期間:ライヴ配信終了後準備が整い次第~8月14日(木)23:59
配信メディア:LIVESHIP
▼チケット
¥4,500 (tax in)
販売期間:7月18日(金)12:00~8月14日(木)21:00
・(日本語) https://liveship.tokyo/hydelive-2025/
・(ENGLISH) https://liveship.tokyo/en/hydelive-2025/
※ライヴ配信のチケットをお持ちの方は、アーカイブ配信期間中は何度でも視聴が可能です。
※アーカイブ配信期間が終了しますと視聴途中の場合も配信が終了いたしますのでご注意ください。
※アーカイブ配信については、一部編集が入る可能性がございます。ご了承ください。
※チケットご購入、ご来場前に必ずHP記載の注意事項をご確認ください。
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■<HYDE [INSIDE] LIVE 2025 WORLD TOUR>
【JAPAN】
▼東京
6月21日(土) Zepp Haneda(TOKYO)
6月22日(日) Zepp Haneda(TOKYO)
6月24日(火) Zepp Haneda(TOKYO)
6月25日(水) Zepp Haneda(TOKYO)
▼北海道
7月06日(日) Zepp Sapporo
▼福岡
7月12日(土) Zepp Fukuoka
7月13日(日) Zepp Fukuoka
▼大阪
7月16日(水) Zepp Osaka Bayside
7月17日(木) Zepp Osaka Bayside
▼愛知
7月23日(水) Zepp Nagoya
7月24日(木) Zepp Nagoya
▼神奈川
8月09日(土) KT Zepp Yokohama
8月10日(日) KT Zepp Yokohama
※両日ともBEAUTY & THE BEAST
▼宮城
8月23日(土) Sendai PIT
8月24日(日) Sendai PIT
【Latin America】
▼メキシコ
08月29日(金) Circo Volador / メキシコシティ
▼チリ
09月05日(金) Caupolican Theatre / サンティアゴ
▼アルゼンチン
09月07日(日) Palermo Groove / ブエノスアイレス
▼ブラジル
09月14日(日) Carioca Club / サンパウロ
【ASIA】
▼インドネシア
11月01日(土) Tennis Indoor / ジャカルタ
【EUROPE】
▼フランス
11月14日(金) Bataclan / パリ
▼ドイツ
11月18日(火) Essigfabrik / ケルン
▼オランダ
11月20日(木) TivoliVredenburg / ユトレヒト
▼スウェーデン
11月23日(日) Berns / ストックホルム
▶HYDE [INSIDE] LIVE 2025 WORLD TOUR 特設サイト
https://hydeinside2025.hyde.com/
■日本公演■
平日公演:open18:00 / start19:06
土日祝公演:open16:00 / start17:06
※開場 / 開演時間は予定です。変更となる場合があります。
▼チケット ※D代別
1Fスタンディング ¥6,660 (税込)
2F指定席(撮影可能) ¥13,000 (税込)
一般発売:5月31日(土) 10:00〜
※未就学児童入場不可
※再入場不可
※1Fスタンディングは整理番号順の入場
※本ツアーでは2F指定席のみスマートフォン/タブレットでの写真・動画撮影が可能です。撮影にあたり、「公演に関する諸注意とご案内」に記載の注意事項とご案内を必ずご確認ください。
※公演の中止及び延期の場合以外は、チケットの交換・払い戻しの対応はいたしかねます。あらかじめご了承の上、チケットをご購入ください。
▶その他、公演に関する諸注意とご案内:https://www.hyde.com/contents/13360

■<HYDE [INSIDE] LIVE 2025 WORLD TOUR -JAPAN FINAL->
10月25日(土) 千葉・幕張メッセ 国際展示場 9-11ホール
10月26日(日) 千葉・幕張メッセ 国際展示場 9-11ホール
※チケット情報等の詳細は後日発表

■アナログ盤『HYDE [INSIDE] 』
2025年8月20日(水)発売
【LP1枚】PDJV-1014 5,500円(税込)
予約リンク:https://store.universal-music.co.jp/product/pdjv1014/
※UNIVERSAL MUSIC STORE限定発売商品
▼収録楽曲
01_INSIDE HEAD
02_LET IT OUT
03_PANDORA
※スクウェア・エニックス『スターオーシャン 6 THE DIVINE FORCE』テーマソング
04_TAKING THEM DOWN
※P真・北斗無双 第4章タイアップソング
05_DEFEAT
※PlayStation®5版『デビル メイ クライ 5 スペシャルエディション』イメージソング
06_6or9
07_INTERPLAY(Album ver.)
08_ON MY OWN
※TVアニメ「MARS RED」エンディングテーマ
09_BELIEVING IN MYSELF
※東京マラソン2020イメージソング
10_BLEEDING
※東海テレビ・フジテレビ系全国ネット「嗤う淑女」オープニング曲
11_I GOT 666
12_SOCIAL VIRUS
13_LAST SONG
関連リンク
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◆HYDE オフィシャルYouTubeチャンネル
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