クレイ・エイケン、発育障害の子供たちに愛の手

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米音楽オーディション番組『American Idol』で脚光を浴びたクレイ・エイケンが、発育障害の子供たちに愛の手を差しのべている。1月20日付のUSA TODAY紙によると、エイケンは自閉症を救済する団体Autism Service、キリスト教団体のYMCA、また依頼のあった小学校と協力し、代理教師を含む様々な活動を行っているという。彼は子供たちと接することで、インスピレーションが湧き、違った世界が見えてくると話している。

エイケンは「自閉症の子供たちは考え方が違うんだ。彼らの世界はとてもピュアだ」と語っている。

知能障害者に貢献する非営利団体、Best Buddies Internationalによると、障害を持つ人たちは全米で800万人近くいるという。発育障害とは自閉症、ダウン症、知能障害、脳性麻痺、先天性欠陥、その他神経系の傷害など。障害者の数は非公式なものも含めると、推定1,000万人にのぼるといわれている。

エイケンが知り合ったノースカロライナに住む自閉症の男の子、マイク・ブーベルの母親は、エイケンにはシンガー同様、教師としての素養もあると語っている。

「この仕事は忍耐力と、傷害を抱える子供たちを人間として真に尊敬する心が必要。クレイ君は無条件の愛と犠牲心を持ってこの世界の扉を開けました。彼のような広い心と思いやりのある人は滅多にいません」

エイケンは『American Idol』を通して名声を得たことで、自分が考えていた本当にやりたい仕事ができるかもしれないと言う。彼は将来的に基金を創立して全米および世界中の障害を持つ子供たちと関わりたいと考えている。

「障害を持つ子供がそうでない子供たちから排除されるなら、社会にとってプラスにならない。世間は“障害児”というレッテルを貼るが、それは彼らが生まれ持ったものではない。能力は劣るかもしれないが、傷害というのは、社会が勝手にそう決めたことから生じている」と彼は言う。

エイケンはまた「無視することは偏見につながる。一緒に活動することで社会がよくなる」と話している。彼は今後についても大きな目標を掲げているが、主には子供たちの声を広く伝え、この問題に対する人々の意識を高めることが当面のプランだという。エンターテインメント界のアイドルに留まらず、真の“アメリカン・アイドル”となる道を歩み始めたクレイ・エイケン。アイドル発掘番組を勝ち抜いたときと同様、救済活動でもその力を発揮してくれそうだ。

エイケンは2月24日、ノースカロライナ州シャルロットから同じく『American Idol』出身のケリー・クラークソンと全米ジョイント・ツアーをスタートさせる。ツアーは4月16日、ミネソタ州セントポールで最終日を迎える予定。

T.Kimura
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