今最も注目を浴びる女流ソングライター【パート2】

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ジャネット・ジャクソンに曲を書けたらエキサイティングね
▲『Hey Kandi...』

インタビューパート1からの続き

●「NO SCRUBS」でグラミー・ウィナーになった感想は?

Kandi:
あれはエキサイティングだったわ。まずグラミーにノミネートされたって聞いてショックを受けた。だってバラードやスローな曲しかノミネートされないと思ってたから、アップテンポな曲がグラミーとれるとは思わなかった。聞いた時は興奮したわ。実は私たちは別の曲(Destiny's Child「Bills, Bills, Bills」)でも同じカテゴリーでノミネートされてたから、「自分と競い合うんだ」とか「受賞の確率があがる」なんて騒いでたら、ホントにとれちゃった!

●また、ASCAP Rhythm & Soul Music Awardでは、女性として始めて「Songwriter of The Year」を受賞しましたね。

Kandi:
あの賞は、受賞した時はその重要さに気がつかなくて、そのあとにこれは作詞作曲家にとってはとても大事な賞なんだってわかった。手にした時はただ涙が出るだけだった。感情的なサイドは人に見せたくなかったからびっくりしたわ。でも(喜びは)隠せなかった。いつもソングライターになって成功するのを夢みてきたから、というか基本的にエンターテインメントの業界で成功するのが夢だったから、名誉を受けて、しかも最初の女性受賞者で、ただただ素晴しい体験だった。

●あなたの作る曲はすべて詞の内容が印象的ですが、あなたのリリックのテーマは個人的な部分に発案されたものが大きいのでしょうか?

Kandi:
多くがそうかな。多くが個人的って認めちゃうわ。いろいろな恋愛をしてきて伝えることも沢山あるし(笑)。いいのもあって、ひどいのもあって、全部について語ってるわけ(笑)。

●ハッピーなラヴソングや、単にセクシャルな内容を描写しただけの曲が世の中に氾濫している中で、あなたの作る曲は一線を画していると思います。あえてそういう曲を書こうとしないのはなぜですか。

Kandi:
「空は青くて、アイラブユーベイビー」っていうのはわざとらしい思うの。そういう曲は陳腐でリアルじゃないと思う。自分の歌はリアリスティックに、まるで会話のように普段使う言葉で書くようにしてる。それと、面白くしようとしてる。みんなで笑って、さらに共感が持てるようなものを。

●特に「No Scrubs」や「Bills, Bills, Bills」の歌詞の内容やポリシー(男性バッシング的な)に関してどう思いますか?  反対している人達もいますけど…。

Kandi:
私に言わせてもらえば、そんなに真剣に受け取らないでほしい。これらの曲は誰か特定の人に直接向けて書かれているものではないから。面白がられてるみたいだし、聴いて楽しんでもらってるみたいだし。もしこの歌に出てくるような奴を知ってたら笑って楽しんでほしい。もし自分がここに出てくる奴だったら(!)気にさわるでしょうけど、何とかするべき! この曲は軽いノリだし、聴いて笑ったりする曲なんだから、真剣に受け取らないでほしいものだわ。

●ソングライターとしての仕事の中で、特に印象に残っている作品、過去に書いた曲の中で一番のお気に入りは?

Kandi:
今はピンクの「There You Go」かな。一番お気に入りの一つ。デスティニーズ・チャイルドの「Bug A Boo」も好きだったけどね。なんでかな、「There You Go」も「Bug A Boo」も、立ち上がって踊り出したくなるような曲だからかな。(テンポが)速いし。

●実は自分の為に書いた曲なのに、他のアーティストに取られちゃったなんて曲はありますか?

Kandi:
「No Scrubs」みたいに? 他のアーティストのために曲を作る時は、だいたいまず本人に会うの。曲を作る時はもちろん私のいいたいことを書くんだけど、そのアーティストを頭に描いて、彼(彼女)の言いたそうなことを考えて書いたりする。たまに本人にどんな内容の曲にしたいか聞いたりもするけど。うーん。(「No Scrubs」以外に)自分のために書いて人にとられたって曲はあんまり頭にうかばないかな。だっていい曲を書いた時でも、「これはあの人にあげようかな」って思ったりするし。他人が歌ってたとしても、より多く私の曲が出回れば最終的にはソロ・アーティストとしての私の助けになると思うから。

●そもそもソロ・プロジェクトはいつ頃から案があったのですか?

Kandi:
最初にも触れたけど、グループが解散することになった頃、何かやらなきゃいけないなと思った。ボーッとして何もしないってわけにはいかないから(笑)。でタイニーとデュオをやろうと思い立ってレコード会社に許可をもらおうとしたら、またまたグループというアイデアに渋い顔をされて、「代わりにソロにしたら?」って提案されたの。だから当初は自分がやりたかったとか、計画してたってわけでは全くないのよ。今はそうなって良かったと思ってるけど。

●今回のソロ・アルバムについてはどういったコンセプトで作ろうと思いましたか? 今回特に念頭に置いたこと、テーマは?

Kandi:
アルバムは『Hey Kandi』というタイトルなの。アルバムに「Hey Kandi」という曲があって、そこでは友達が私に「そんな男はやめたほうがいい」とかって語ってるわけなんだけど…。コンセプトは…自分はどこにでもいる普通の女の子だって思うの。だから普段の会話みたいに、みんなが「ヘイ、キャンディ!」なんて話して、私が友達に話してるっていった感じ。最初の「Introduction」で、女の子たちが「キャンディ、いろんな曲書いてるみたいだけど、ソロで成功するっていう保証なんてあるの? ずっと裏方に回ってるけど、これからどうするの?」とかって言うんだけど、基本的にこの私…キャンディを見せる、というかね、私がどんな人で、どんなことに共感して、どんな風に笑いたいかとか分かってもらえる。アルバムのほとんどがアップテンポで、スローな曲は4つくらいしかないから、みんなに踊ってほしい。人には「もし「Bug A Boo」「No Scrubs」「Bills, Bills, Bills」が好きなら、その曲を1枚のアルバムに入れるのを想像してみて。それが私のアルバムだから」って言うの。

●デビューアルバムの出来の満足度は?

Kandi:
もちろん満足! 最初は恐くてどうしたらいいの?って感じだった。人に書いてあげる時はすぐに(曲が)頭に浮かんだのに、いざ自分のために書こうって決めたら突然脳味噌が死んでしまって何も浮かばなくて。それで試行錯誤してたら、やっとスムースに流れ始めたの。

●まだアルバムを聴いていない人達に向けて、アルバムの内容を簡単に説明してもらえますか?

Kandi:
男女関係にまつわる曲が多いです(笑)。浮気について語ったり。例えば最初のシングルの「Don't Think I'm Not」は男性に向けて、もちろん男性が女性に向けてでもいいんだけど、もし自分が出かけて好きなことやってるなら、私が出かけて同じことをしないなんて思ったらだめよって言ってるわけ。お互い様というか。そして「Cheatin On Me」も浮気についての歌。「Pants On Fire」も。だから基本的に男女関係を歌ってて、私自身がどういった付き合いをしてきたかっていう内容ね。

●このアルバムを完成させるまでにどれぐらいかかりましたか?

Kandi:
4、5か月だけど、すごく長く感じた。クリスマス・シーズンを挟んでたから12月はまるまる仕事しなかったのね。10月に始めたけど1ヶ月おいた上、他のプロジェクトもしてたからね。この同時期にイン・シンクボーイズIIメンピンクをやったし。

●シングルに「DON'T THINK I'M NOT」を選んだポイントは?

Kandi:
自分で選んでないの。レコード会社に選んでもらった。分からなかったし。どれが最初のシングルがいいかって選んだりするのは得意じゃないのかもしれない。だからレコード会社に任せてしまったの。彼らが2、3曲くらいに絞って、それが全部好きな曲だったから最終的な判断も任せたの。

●アルバムの中で、貴方の一番お気に入りの曲は?

Kandi:
最初は「Don't Think I'm Not」で、次にフェイス・エヴァンスとの「Easier」がお気に入りになった。なぜならあの曲は私にとって大事な曲で、高校の時に亡くなった兄に捧げた曲なの。でも今はサウンド・エフェクト(SE)のおかげもあって「Pants On Fire」。

●フェイス・エヴァンスとの共演はどのようにして実現したのですか? OST「The Best Man」収録の“Best Man”が縁で一緒にすることになったのですか?

Kandi:
そうなの。サウンドトラックの時に一緒に仕事したのが始めて。前に一度会ったことはあったんだけど。その頃丁度自分のレコードを作る準備をしてて、彼女とはいい関係になって、デュエットする相手を考えてた時に「フェイスならできそう!」って思いついたの。彼女はホットだし、素晴しいシンガーだし。で頼んでみたら喜んでやってくれたの。

●今後一緒に仕事してみたい、あるいは作品を提供してみたいアーティストは?

Kandi:
ジャネット・ジャクソンに曲を書きたい。大好きなの。もし彼女のために曲がかければとてもエキサイティングなんだけど。

●ところで、エクスケイプの他のメンバーは現在何をやっているか知ってますか? タイニーとは一緒にソングライトしたりしてますけど…。

Kandi:
タイニーたちは全員ソロを目指しているわ。(タイニー以外の2人とは)何やってるかよく知らない…連絡もとりあってない。

●かつてXSCAPE時代のインタビューで「納得いくまでそれぞれの道(ソロ活動)を全うしたらまたXSCAPEとして活動する」とおっしゃってましたが、今も変わりませんか? 今後、エクスケイプでの再活動はありえるのでしょうか?

Kandi:
近くにはないわね。そういう話もあったけど、すぐにはありえないわ。

●「Don't Think I'm Not」のビデオについて。シューティングはこれからだと思いますが、どんな内容のビデオになるのかわかる範囲で教えて下さい。

Kandi:
そうね。ダンスが沢山。沢山のパフォーマンス。基本的にはこの曲のコンセプトを見せるの。私の彼(みたいな男)が出かけて自分のしたいことやって。私は私で出かけるんだけど、結局同じクラブで出くわしちゃうの。で、お互いお互いの浮気相手といることを見て、ダンスで競いあうの。

●ソングライトとシンガー、自分的にはどちらの方に比重をおいてますか?

Kandi:
別に、私にとって両方同じだと思う。

●今後はどういう活動をしていきたいですか?

Kandi:
もちろん。ソングライティングという仕事はおばあさんになってもできることだから…シンギングはちょっと違うけど(笑)。人々が私に共感を持ち続けてくれて、私の曲を気に入ってくれている間は歌い続けたいと思う。ソングライティングはいつまでもできるわ。これは私が楽しんでできることだから。お金のためにやってることとは違う。後は演技もしたい。私の大きな夢のうちの一つね。小さい頃からの。絶対目指したいキャリアだわ。自分のキャリアをどんどん次のレベルにあげていきたい。自分のグループをプロデュースしたりもしたいわ。

●日本ではあなたは「No Scrubs」のソングライターとして知られている部分が大きいです。シンガーとしてのあなた自身の魅力とアルバムの魅力を踏まえて、日本のリスナーにメッセージをもらえますか?

Kandi:
「No Scrubs」は爆弾!で「Don't Think I'm Not」も間違いなく爆弾よ(笑)!とにかく私が他のアーティストに書いてあげてる曲を好きな人、素晴しいわ。彼らをサポートしてあげて。でも必ず私の新アルバムもチェックしてね。私の気持ち、全てのホットなアイデアが詰まってるから!

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