若きブルースマン

ポスト
Welcome to Adobe GoLive 4

若きブルースマン

Kenny Wayne Shepherdは今や古株と見られつつあるが、まだほんの22歳に過ぎない。

ブルースという年配のアフリカ系米国人のギタープレイヤーが長年得意としてきたジャンルにおいては、例外ともいえるほどの若さである。

しかしその地位を追われるのも時間の問題だ。Jonny LangShannon Curfmanたち、さらに若いブルースプレイヤーがのし上がってきているからだ。(Curfmanなど14歳で、しかも女の子!)

むろんShepherd当人は、これで年齢のことばかり注目されず、プレイに専念できると喜ぶだろう。最新アルバム『Live On』を発表したばかりの彼は、ヴォーカルを重視しており、今後はもっと歌っていきたいと話している。


LAUNCH:
ギターで食べていきたいと思ったのはいつ頃ですか?

KENNY:
Stevie Ray Vaughanを見たときだった。あのショウを見終わると、むしょうにギターを弾きたくなったんだ。何がなんでもギターが欲しいと思いつめたのを今でもよく覚えている。あの夜のStevieのプレイがギターにのめり込むインスピレーションを与えてくれたんだ。クリスマスの半年も前から、プレゼントにはギターが欲しいと頼んだものさ。あの年のクリスマスはこれまでで最高だったよ。

LAUNCH:
あなたにとって、年齢はプラスですか、マイナスですか?

KENNY:
初めの頃はかなりプラスになった。何しろまだ幼かったからね。プロになったのは13歳で、前代未聞だった。でも今では年齢で騒がれることがなくなったんでほっとしてる。僕の音楽をちゃんと聴いてくれるようになった。ミュージシャンとしてはそのほうがうれしいよ。僕は音楽一筋なんだ。

LAUNCH:
カヴァー曲も入っていますが、選曲はどのようにしたんですか?

KENNY:
カヴァー曲のレコーディングは、まずスタジオのメンバーが各々好きな曲を選んだ。僕はFleetwood MacHendrixBuddy Milesを聴いて育ったから、あの2曲は僕のバンドにはぴったりだと思い、うまいヴァージョンがやれる自信があったんだ。

LAUNCH:
批評家にブルースギタリストと言われるのはいやですか? 1つのジャンルに縛られると感じますか?

KENNY:
ブルースとジャンル分けされると、壁に閉じ込められたように感じることがある。僕はブルースギターを弾くけれど、僕の音楽のルーツはもっとロックに近いし、そっちでも強いと思っている。ブルースと言われるのは、僕がブルースギターから入ったからだ。時には重荷に感じることもある。世の中には心の狭い人もいて、ブルースと聞いただけでそっぽを向く。内容を聴きもしないでね。

LAUNCH:
批評家はあなたのことをStevie Ray VaughanやJimi Hendrixにそっくりだとも言いますが、あなた自身はどうですか?

KENNY:
Stevie RayとHendrixの中間というのが一番当ってるんじゃないかな。Stevie Rayより鋭いけれど、 Hendrixほどサイケデリックじゃない。

LAUNCH:
GAPのテレビコマーシャルをやったのはどういういきさつで? 製品をエンドースすることに問題は感じませんか?

KENNY:
GAPのコマーシャルは僕としては鼻が高い。ああいう素晴らしいキャンペーンに参加できてうれしいよ。僕の宣伝にも大いに役立ったし、僕自身GAPを着て育ったから、エンドースすることにまったく問題は感じないね。

LAUNCH:
アーティストとして成長したと思いますか? 『Live On』はミュージシャンとしての現在のあなたをよく表しているアルバムですか?

KENNY:
この3rdアルバムは、バンドと僕の現時点をとてもよく表していると思う。ソングライティングやパフォーマンス、プレイで、僕が大人になったことが聴き取れる。アルバムごとに成長してきているし、1枚ごとに1歩前進していきたい。その点、これまでラッキーだった。うまくなって新しいアイデアが出てきているのが分かるはずだ。今重視しているのはヴォーカル。もっと上達して前面に出せるようにしたいと思ってる。

LAUNCH:
世の中では見過ごされているけれど、あなたは尊敬しているというアーティストはいますか?

KENNY:
今の時代ではBrian Leeだね。僕に初めてステージのチャンスを与えてくれた人なんだ。盲目のブルースギタープレイヤーで、30年もプレイしている。もっともっと評価されていい人だよ。シンガーとしてもギタープレイヤーとしても、信じられないほどうまい。僕も機会があるたびに、僕が学んできたブルースプレイヤーのことを勧めてる。あの人たちのおかげで今の僕があるんだよ。もっと世間に知ってもらいたいね。

LAUNCH:
あなたは一緒にプレイしてきたミュージシャンに比べると若いですが、怖気づいたりしますか?

KENNY:
一番ビビったのは、B.B. KingJames Brownと一緒にステージに立った時だ。James Brownのことも尊敬していたし、僕は誰の迷惑にもならないように控えめに弾いていた。するとB.B.が突然、曲の途中でギターから手を離して、バンドもストップさせ、僕に向かって言ったんだ、「さあ弾いてみろ」って。僕はB.B.やみんなの真ん前でソロを弾いた。まったく冷や汗ものだったよ。

LAUNCH:
あなたのギタープレイを変えるほど影響を受けたアルバムや曲はありますか?

KENNY:
おそらくHendrixの『Are You Experienced?』だ。あのアルバムで、僕のギターと音楽に対するアプローチは完全に変わってしまった。テクノロジーがそれほどでもなかった時代に、あれほど音楽を自由自在にプレイしたんだからすごいよ。

LAUNCH:
Kenny Wayne Shepherd Bandから、単にKenny Wayne Shepherdだけにしたのはいつ頃ですか?

KENNY:
『Trouble Is』からさ。CDにはバンド名を出しているけどね。みんなにプレイしているのは僕だけじゃないということを知ってもらいたい。多くの素晴らしいミュージシャンが参加していて、彼らもそれぞれ評価されるべきだからだ。

LAUNCH:
ニューアルバムにはスペシャルゲストが参加していますか?

KENNY:
PrimusのLes Claypoolは面白いゲストだった。すごくいいやつで、ちょっと頼んだだけでOKしてくれたんだ。「Oh Well」でプレイしている。ひょいとやって来て弾いてくれたんだけど、みんなブッ飛んじまった。ものすごいベースプレイヤーだ。

LAUNCH:
音楽で、あの時自分も生きていたら、と思うような時代はありますか?

KENNY:
音楽に関わる人なら誰しも、'60年代を経験したかったというはずだ。当時起きていたことはすべて信じられないほど素晴らしい。

LAUNCH:
あなたが最も誤解されていると思うのはどういうことですか?

KENNY:
ブルースをプレイしようと頑張ってる若造というイメージ。これだといずれ、昔そういう若いのがいたね、と片付けられてしまう。僕は若くしてブルースプレイヤーとなり、今後もずっと活躍するつもりだからね。

LAUNCH:
あなたが聴くものの中で、他の人が意外に思うようなものはありますか?

KENNY:
僕はラップやヒップホップもたくさん持ってる、Master Pなどね。彼はルイジアナ出身なんだよ。こういうとみんな、ぎょっとするだろうね。

LAUNCH:
ギターを弾いていない時は何をしているんですか?

KENNY:
僕がギターを弾いてないのは寝てる時くらいさ。目が覚めたらギターを弾いて、また寝る。そんな毎日だよ。

LAUNCH:
あなたはまだ若いし、音楽生活もこれから先が長いわけですが、5年後10年後にはどんなことをしていたいですか?

KENNY:
今はただツアーをやって、次のアルバムに取りかかるのを楽しみにしている。5年後10年後にどうなってるか僕も期待してるんだ。

LAUNCH:
ミュージシャン志望の若い連中に何かアドバイスは?

KENNY:
そうだね、やりたいからやるというのがいい。やるべきだからやるというのはよくないよ。好きだからこそプレイする。プレイしたい気持ちに従うことだ。それに一度手にしたらやめないこと。やめると、また感を取り戻すのに倍はかかるからね。

by Lyndsey Parker

この記事をポスト

この記事の関連情報