ダイナミック・ディオ、Method Man & Redman

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ダイナミック・ディオ
Method Man & Redman

'95年、Def Jamのホットなソロアーティストふたりが、「How High」という曲のレコーディングに参加した。

彼らの相性は魔法のようだった。それ以来、ヒップホップ・ファンは、ヒップホップで最も活気に満ちたふたりのMCによるフルサイズの共作アルバムを心待ちにしていた。Method ManRedmanは、Johnny BlazeとFunk Doctaとしても知られ、これまで約10年間にわたってヒップホップを演奏してきた。今回の場合、彼らは『Blackout!』を出そうという試みで、この場を収めた。

「How High」を一緒にやってから、反応が良かったので、LPを作るにはちょうど良いんじゃないかって判断したんだ」とMethod Manは語る。

みんな、このアルバムを作るよう俺達にプレッシャーをかけたんだ」とRedmanが付け加える。

レコード会社にはずいぶん前からこのニューアルバムの制作を奨められていたのだが、Method ManとRedmanはふたりとも別の仕事で忙しく、実際にアルバムのレコーディングにまで持っていくのがお互いに難しかった。

しかし、ふたりがJay-ZのHard Knock Lifeツアーで再び一緒になった際、共に仕事をすることは当然のことになった。

彼らはお互い並んで演奏し、アルバムを出すことをきっぱりと決定した。

「How High」を書いたのは、最初のプロモーション・ツアー中なんだ。Redmanの2ndアルバム、そして俺の1stアルバム用にね。そして再びツアーに出たとき、このアルバムの曲を書き始めたんだ」とMethod Man。

Erick Sermon、RZA、Rockwilder、Redmanのプロデュースにより、『Blackout!』はMethod ManとRedmanの持ち味を活かした典型的なサウンドになった。ハスキーなボーカルがポップの影響をうけたハードコアのビートにのっている。

俺たちはただ座って、ご機嫌になった。つまり、ただ座って、その音楽が俺たちに語りかけることを話しただけなんだ」とMethod Manは語る。

それぞれの曲で、ふたりはEPMD的方法で詞を交換しあい、彼らの風変りで比喩的なスタイルをやりとりした。「Da Rockwilder」や「Tear It Off」といった曲は陽気で、Method ManとRedmanはウイットが利いていながらもすばらしい歌詞でリスナーを楽しませ、喜ばせている。

「Tear It Off」では、Method Manにしかできないことだと言って、次のように宣言している。
黒人は知らないことでも知ったかぶりをするのさ

ハードコアではあるが、コミカルなアプローチをとることによって、Method ManとRedmanはただのヒップホップ・アーティストとは別格の存在になった。
'98年には、ふたりのラップシンガーがそれぞれのソロアルバムをリリースしている(Method Manの『Tical 2000: Judgment Day』とRedmanの『Doc's Da Name 2000』)が、どちらのアルバムも100万枚以上の売上を記録したのは驚くにはあたらない。ヒップホップのふたりの大物が手を組んだ『Blackout!』によって、ヒップホップが新たなミレニアムにもたらされる。
Def Jamの代表Kevin Lilesは、『Blackout!』のことを、
「これまで10年間、ヒップホップをアンダーグラウンドで行っていたふたりの融合だ」と評している。

Redmanは次のように語る。
今は誰でもホットになれるし、男になれるんだ。それを取り戻すためにここにいる」。彼は次のように続ける。

ただ、どうしようもない連中が気に入るような音楽がいくつかできただけだよ。そんな奴らが求めている最高の曲を提供しているんだ。俺たちふたりみたいに気前のいいブラックは、そんなにいないんじゃないかな

 Method ManとRedmanにとって、他のアーティストとのコラボレーションは目新しいことではない。Method ManとRedmanはふたりとも、ソロとしてすばらしいキャリアを築いてきたが、それぞれWu-TangとDef Squadのメンバーとしても成功している。

Wu-Tang関連のプロジェクトのほぼすべてにゲスト参加しているMethod Manは、最近Limp Bizkitとも組んで、最新アルバム『Significant Other』の制作に参加した。
また、RedmanはラップとR&Bの分野にとどまり、Puff DaddyからDave Hollisterまでに至るほぼすべてのヒップホップ・レコードにゲスト参加した。異なる音楽環境に適応できるこの能力が、彼らふたりをアーティストとして成功させたのである。

Method ManとRedmanはお互いの仕事を尊敬し、評価していたが、このことがヒップホップで最高に魅力的な共同プロジェクトとも言えるこのアルバムの制作を助けることになった。

俺たちは前にもグループで仕事をしてた。よく憶えてないけどね」とMethod manが語り始める。

Redmanとは一緒にツアーに出たし、スタジオや色々なところで一緒だったんだ。俺たちの相性はRun-DMCのようだね。Redmanと俺は、お互いからいいところを取り合っているんだ。RedmanとMethod Manのショウは、金を払って見に行くだけの価値があると思うよ

ふたりのMCはスーパースターの地位へと到達したが、「Run 4 Cover」や「4 Seasons」などの曲で、もともといたアンダーグラウンドなファンをも喜ばそうとしている。こうした生のままの曲で彼らは、自分たちにしかできない歌詞を語り、ヒップホップのオリジナル要素はいまだ何らかの価値があることを証明している。

それはまったく新しいゲームだよ」とRedmanは語る。

昔は、ただ歌詞に敬意を払って、チームがどれほど最高かっていうことが重要だった。でも今は、チームがどれだけヘビーにやれるか、どれだけ重厚に見えるかってことなんだ。今でも歌詞には意味があるけど、昔ほどじゃないよ

『Blackout!』では、Method manとRedmanは「Cheka」で昔を取り戻している。Das EFXの曲「Mic Checka」で独自のひねりをきかせ、何ともすばらしい流れに乗ってフルスピードでやってくる。「How High」のシングルのリミックスでは、ヒップホップ・ファンに、すべてがどんな風に始まったかを思い出させてくれる。

「How High」は向上することについての曲なんだ」とMethは主張する。

そしてそれこそRedmanとMethod Manの違いなんだ。エレベーション。ゲームのトップに君臨し、その地点に止まることなんだ

Method ManとRedmanのふたり組は、ただのやり手以上のエネルギーをヒップホップ・ゲームの世界にもたらした。ふたりの性格が一致していることが、その音楽によく表れている。
そしてMethとRedが足を止めることなどなさそうだが、ヒップホップは彼らを受け入れ続けているのだ。
このアルバムのリリースに続いて、Method ManとRedmanは、Def Jamの2000年記念の一環として、12月にソロアルバムを出す予定である。

Method Manは語る。
次のアルバムが終わるまでは、髪を切らないのさ

by Kim_Osorio

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