【速レポ】＜REDLINE＞ENTH、初にして最後の出演「ありえない気合いを感じるし、俺らはそれに応えるだけ」

続いてBODY STAGEに登場したENTHは、意外にも＜REDLINE＞初出演。途中のMCでダト・ダト・カイキ・カイキは「俺らが何者か、どんなバンドか見せつけるライブをしますんでよろしく！」と意気込みを語っていた。今年2024年、ENTHはセルフタイトルを掲げたフルアルバムをリリースしている。そのアルバムの制作、リリース、そしてレコ発ツアーと、1年かけて“ENTH”というものと向かい合ってきたはず。そんな今年の終わりに「自分たちが何者か、どんなバンドか」を見せてくれるなんて、こんなうってつけのタイミングはない。

◆ライブ写真

ダトが「最後の＜REDLINE＞、そして初めまして＜REDLINE＞！」と挨拶をすると、バンドはキラーチューン「ムーンレイカー」を1曲目にチョイス。極上のエモーショナルなメロディで自己紹介と言わんばかりの選曲だ。もちろん初めましてといったところで、マイクをフロアに向ければ盛大なシンガロングが。オーディエンスもENTHの初出演をお祝いしている。



「"TH"」、セルフタイトルアルバム収録曲「SCUM DOGS FART」など、ENTHらしい軽妙なミクスチャーサウンドで遊んでいく彼ら。さらに、ダトが「幕張中に聞かせてやろうぜ！　精子！」とコールすれば、続くノリは一つ。そのまま「LOVE ME MORE」へなだれ込み、曲中にはナオキコールからテキーラで乾杯。相変わらず自由で楽しげなステージだ。でもユルく見えるダト、ナオキ、タクミの3人が鳴らす音は正確で重厚。だから音楽で遊ぶことができるのだ。

2010年結成のENTHはもうすぐ結成15周年。＜REDLINE＞とほぼ同い年ということで「お互い、15年お疲れ様でした！」と威勢よく声をかける。そして冒頭の意気込みを口にしてセルフタイトルアルバム収録曲「“EN”」を披露したというわけだ。《あきらめない まだ死ねない》とバンドの生き様を歌った同曲、続けて二日酔いの朝を歌った「HANGOVER」と、風邪をひきそうなくらいの温度差の楽曲を並べる。でもそのどちらの感情も同居しているのが生きるということ、バンドマンという生き物だ。


「あざーーす！」とゆるく挨拶をしたあと、「めっちゃ気持ちいい。ありがとうございます」「（主催者の）鈴木さんのありえない気合いを感じるし、俺らはそれに応えるだけ」と改めて＜REDLINE＞の感想を口にすると、メロディックパンクチューン「TEARS」へ。曲中には「この曲は“一人一人生きるのを諦めなかったから今日がある”っていう曲。でも本当にそう思う」と素直に熱い想いを口に。さらに「Will」「Get Started Together」を畳み掛けるというキラーチューンの応酬で、初めての、そして最後の＜REDLINE＞に“ENTH”を刻みこんでいった。

文◎小林千絵
写真◎Masahiro Yamada