【速レポ】＜REDLINE＞HERO COMPLEX、SOUL STAGEトップバッター「バンドマンの目標や遊び場を作ってくれてありがとう」

＜REDLINE ALL THE FINAL＞の1日目、SOUL STAGEのトップを任されたのは、北九州の小倉出身・HERO COMPLEXだ。

◆ライブ写真

彼らが＜REDLINE＞に出演するのは今回が初めてだが、＜REDLINE＞自体がこれで最後となるため、HERO COMPLEXにとって最初で最後のREDLINEでもある。二度と味わうことのできないその貴重な瞬間は、11時25分に訪れた。

SEと共にフロアからブチ上がるコブシと大歓声。それに応えて腕をあげながら登場したのは三木風太（G,Vo）。すでに上半身ハダカ状態でテンション高めなのは柴田慎平（B,Vo）。高杉泰宏（Dr,Cho）の合図でまずはバンドサウンドを轟かせ、三木が叫ぶ。

「REDLINE！ HERO COMPLEXだ!!」


2021年に発表したアルバム『REPORT』のオープニングも飾るナンバー「Feel so good」をパワーと疾走感たっぷりに決めると、フロアの興奮は高まり続け、あちこちでクラウドサーフやダイバーが続出。オーディエンスの気分は、まさに“フィールソーグッド”状態だ。続く「SILVER」では、ド頭からオーディエンスはシンガロング。会場に響くそのブ厚い歌声に、HERO COMPLEXの3人も嬉しさを隠せない。心をさらに湧き立たせながら次々に曲を畳みかけていく3人がステージにいる。そして歌と曲を浴び、表情を活き活きとさせていくオーディエンスがフロアに広がっていた。

「俺たちにとって最初で最後の＜REDLINE＞！ 今までバンドマンの目標だったり、遊び場を作ってくれてありがとうございます。今日、最高の日にして帰ろうぜ、よろしく」と三木の言葉に続けて、フルスイングの豪快さでキラーチューンの数々を連投する。するとクラウドサーフどころか、何十組もの肩車がフロアを埋めつくし、力強く歌声も響かせるオーディエンス。とんでもない一体感と高揚感だ。

「関東ではこれが今年最後なんで、みなさん、良いお年を！」そう挨拶も繰り出しながら包み込むような「いつか言えたら」を響かせていく3人。パンクの尖り方をしたサウンドやリフがHERO COMPLEXの身上だが、同時に温かく優しい心が貫かれた歌、メッセージ性ある詞、親しみあるメロディも魅力だ。落ち込んだ気持ちを勇気付けるし、頑張っているヤツへの応援歌として響く曲だってある。どんなときも寄り添ってくれるのがHERO COMPLEXの曲や歌だ。
　

2018年に発表したアルバム『SOLDIER』からの「光」を、オーディエンスと＜REDLINE＞に感謝するように、ラストに激しく力強く披露したHERO COMPLEX。最後の一音が止んだとき、彼らの歌に気持ちを救われたであろうオーディエンスたちが、「ありがとう！」と感謝の言葉を3人に投げ返していた。一体感と高揚感の後にあったのは、幸福感である。

文◎長谷川幸信
写真◎MASANORI FUJIKAWA