【インタビュー】BMK、元気と勇気を発信し続けてきた4人のラストスパートをかける心情
2025年1月31日のZepp Nagoya公演にて活動に終止符を打つ、名古屋発4人組エンタメ集団・BMK。彼らがベストアルバム『Big Monster Kite』をリリースする。同作の『ベスト盤』の選曲と曲順はメンバー自身で手掛けているだけでなく、10月にリリースした活動の集大成的ラストシングル「BIG MONSTER KITE」や新曲2曲も収録するなど、最後まで自分たちの活動に全力を注ぐメンバーの姿が刻まれている。「凧のように逆風を受けるほど上昇し、逆境に負けない怪物級のグループを目指す」をコンセプトに、元気と勇気を発信し続けてきた4人は、これまでどのように楽曲やライヴ、ファンと向き合い続け、現在どのような心境でラストを見据えているのだろうか。ラストスパートをかける4人の心情に迫った。
■「BIG MONSTER KITE」はファイナルラウンドに向かう曲
■この楽曲が始まるとみんながラストを意識する空気が出る
――ベストアルバム『Big Monster Kite』には『ベスト(通常)盤』と『コンプリート盤』があり、ベスト盤は曲順を含めてメンバーの皆さんが楽曲をセレクトしたそうですね。時系列で並べながらも要所要所でギミックが効いていて、とても美しいバランスだと思いました。
佐藤匠:応援してくれている人たちが聴き終わった後に「この子たちを観ていた時間はやっぱり楽しかったな」と思ってもらえるもの、今後僕たちのグループに興味を持った方にもひとつの作品として楽しいと感じてもらえるものを目指しました。曲順についてみんなで話したのは、忘れもしない深夜のサービスエリアで。
三隅一輝:草津のサービスエリアね。
松岡拳紀介:TVにちょうど24時間テレビが流れてたね。
佐藤匠:そうそう、8月末だね。ライヴが終わった後で、みんなヘロヘロでうどんとかを食べながら決めたのが懐かしい。僕がベースを作ってみんなに提出したら、みんなの考えもほぼ同じだったんです。大人を交えてしっかりと会議をして決めたのではなく、4人で話し合えたのがすごく良かったなって。
米谷恭輔:おまけにライヴの余韻が身体に残っていて、なおかつフラットな状態だったから、自然体で決められたよね。
佐藤匠:その日までに決めないと締め切りに間に合わない!って感じだったんだけど(笑)、結果的にはファンの皆さんのお顔を見た直後に決められて良かったです。
三隅一輝:入れたい曲が多すぎて苦渋の選択だったんですけど、自分たちが大事にしてきた楽曲、たくさん歌ってきた思い入れの強い楽曲がしっかり入れられました。やっぱり長年一緒にやってきたメンバーだから、話がまとまるのも早かった。
佐藤匠:ただ、米谷が毎回ライヴに入れたがるほどBOYS AND MEN研究生時代の「Alright!!」という楽曲がすごく好きで、それを入れるかどうかはすごく悩みましたね……。絶対米ちゃん入れたいよなあ……と思いながらもBMK名義でリリースした楽曲のみでまとめました。
米谷恭輔:残念ながら採用を見送られました(笑)。
松岡拳紀介:「Alright!!」には“お祈りメール”送っておこう!(笑)
米谷恭輔
三隅一輝
――ベストアルバムは「B GATE」をオープニングに、メジャーデビュー曲「モンスターフライト」で幕を開けます。今の皆さんにとってこの曲はどんな存在でしょう?
三隅一輝:この数年で成長したなと感じる曲ですね。BMKの楽曲の中でもキーが高めで、おまけに僕らはコロナ禍でメジャーデビューをしたので、リリース当時はライヴで披露する機会がほとんどなかったんです。でも制限があるなかでも歌い続けてきたことによって、最近ようやく自分の身体に馴染んできた感覚があるんですよね。4年間この曲と共に走り続けてきたんだなと感じて……全然グッとくる曲調じゃないのにグッときちゃって(笑)。いろんな思い出が詰まっている楽曲です。
米谷恭輔:レコーディングやミュージックビデオの撮影の記憶もすごく鮮明に残っています。「メジャーシーンに飛び込んでまっすぐ突き進む!」という全力投球が込められていて、僕たちの原点であり頂点みたいな曲です。ライヴを重ねるごとにどんなときもこの曲があれば勝負できる、自信を持ってお届けできると感じるようになりました。ラストライヴのタイトルにするくらい思い入れが強いし、身体の一部くらい馴染んだ大切な曲です。
松岡拳紀介:歌うたびにいろんな歌い方が見つかるし、想像もしていなかった歌がライヴで歌えて「こういう歌い方もあったんだ!」と発見が多かったですね。そういう意味でも原点であり頂点であり盲点だなと……。
佐藤匠:「盲点」はちょっと使い方が違くない?(笑)。
松岡拳紀介:うまいこと言ったつもりだったんだけど惜しかった(笑)。僕らもライヴを重ねるにつれて皆さんを応援するような気持ちで歌うようになったり、お客さんが歌うパートも多いから楽しいですね。お客さんの声を聴けるという意味でも良い歌だなと思います。
佐藤匠:グループを旅立った後のこれからの僕たちを描く楽曲を作りたいという思いからラストシングル曲の「BIG MONSTER KITE」が生まれたんですけど、今になってみると「モンスターフライト」がこれからの自分たちの応援歌になりそうな気がするんです。「モンスターフライト」をリリースしたときはBMKがエンディングを迎えるなんて思ってもみなかったから、この曲は終わりを感じさせないんですよね。これからひとりで歩んでいく僕たちに追い風を作ってくれる楽曲になると思ったから、ラストライヴのタイトルにしたんです。
▲『Big Monster Kite』【ベスト盤】
▲『Big Monster Kite』【コンプリート盤】
――デビュー曲がまた違う意味を持って今の皆さんにフィットする。ドラマチックですね。
佐藤匠:僕たちはグループの軸がずっと変わらなかったからこそデビュー曲がとても大切で、この曲のタイトルをラストライヴのタイトルにもしたいと思えたんだと思います。メジャーデビューから4年経って、僕らにとっても応援してくれる皆さんにとっても「行ってらっしゃい」の歌になるのかなと感じています。
――「BIG MONSTER KITE」はミュージックビデオが楽曲の魅力をさらに引き立てている印象を受けました。ここまでの快晴は、グループの軸が変わらなかったからこそ引き寄せられたのかもしれませんね。
佐藤匠:監督のおかげですね。光をすごく大切にする方だったので、僕たち的にはだいぶ晴れてると思うタイミングでも「もうちょっと太陽が欲しい」と言って、太陽光待ちの時間がありました。たくさん空を映してほしいという僕らの要望を叶えてくれて、朝から夕方、夜まですべての空を使ってくれたのもうれしくて。慣れ親しんだスタッフさんたちと少数精鋭で、良い時間を過ごせました。
松岡拳紀介:米ちゃんの運転する車に乗るシーンを撮る前は雨が降っていて、このままずっと雨なんじゃないかと思っていたら天気が空気を読んでくれましたね。
――米谷さんのドライヴシーン、ファンの方からもすごく評判が良くて。国家2級自動車整備士免許をお持ちなだけあります。
米谷恭輔:すっごい緊張しました。僕、めちゃくちゃペーパードライバーなんです(笑)。
佐藤匠:僕たちも米ちゃんは運転余裕だと思ってたら、本番ガチガチで(笑)。
松岡拳紀介:ほんと、最初は石が運転してるのかなと思いました。
米谷恭輔:この世界に入って、車に触れる機会がない生活になったんですよね……。久しぶりの運転がレンタルしたクラシカルなオープンカーで、初めてメンバーを乗せて、ドローンとの掛け合いも考える必要があって、もう心臓バクバクでした(笑)。撮影を終えて駐車場に入れるときに前向き駐車をしたんですけど、クラシックカーだから自分が想像していたよりも鼻が長くて、余裕を持って停めたつもりがスタッフさんから「米谷さん運転うまいですね! ポールまであと10センチぐらいですよ!」と言われて……血の気が引きました(笑)。
松岡拳紀介:計算したうまさじゃないっていう(笑)。
米谷恭輔:他のメンバーは曲や景色に合わせてリアクションしてるけど、僕は前しか向けませんでした(笑)。忘れられないシーンになりましたね……。
松岡拳紀介
佐藤匠
――「BIG MONSTER KITE」は爽やかでありながら熱さもある楽曲で、今のBMKが表現するからこそ説得力が生まれたと思います。
三隅一輝:「BIG MONSTER KITE」は集大成の1曲にしたかったので、今まで歌ってきた曲の歌詞や振り付けをさりげなく散りばめてもらっているんです。だから歌っているといろんな情景が浮かんでくるんですよね。本当は個人的に、どうしてもラストシングルにしたい、ずっと好きで譲れない楽曲があったんです。でも結果的に「BIG MONSTER KITE」で良かったなと感じています。楽曲もMVも素敵に仕上がって大満足です。
松岡拳紀介:ただこの曲はラストシングルだから、ほかの曲と比べて披露する回数、皆さんに聴いてもらえる数はどうしても少ないんですよね。だから1回1回ちゃんと大切に歌いたいです。ラップもあってロック系で、BMKの全部が詰まってるから、堂々と胸を張って最後に残せる楽曲になりました。
米谷恭輔:「モンスターフライト」は地上から空を見上げるようなイメージで、「BIG MONSTER KITE」は上空から地上を眺めるようなイメージなので、曲に負けないように成長した自分たちの姿をパフォーマンスで見せていきたいですね。
佐藤匠:やっぱり「BIG MONSTER KITE」は僕らにとってもお客さんにとってもファイナルラウンドに向かう曲なんですよね。それまでわちゃわちゃ楽しくやっていても、この楽曲がスタートすると一気にみんながラストを意識する空気が出る。
米谷恭輔:うん。お客さんから「一瞬も見逃さない!」っていう気合いを感じる。
佐藤匠:たぶんこの先この曲を聴いたときも、この時期のことを思い出すだろうな。BMKはメンバー全員が曲の主人公になりきって歌うことが多いので、等身大の自分たちで歌うことにちょっと恥ずかしさがあるというか。自分に酔わないように気を付けてきたメンバーなので、僕たちが楽曲の主人公なんてそんなそんな……と思っちゃうんですよね。でもこの楽曲はどうしたって自分たちそのもので歌わないと、伝えたいものが伝わらない。ちょっと恥ずかしいけど、各々が最大にかっこいい自分で、おちゃらけずにパフォーマンスしています。
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