【連載】Hiroのもいもいフィンランドvol.96「今年のユーロビジョンに旋風を期待!フィンランド代表にポストハードコアバンドBlind Channel 決定」
1956年にスタートしてから長い歴史を持つユーロビジョン・ソング・コンテストで、ずっと成績がいまいちだったフィンランドがこれまでに1度だけ優勝したことがあります。2006年に賛否両論が飛び交う中フィンランド代表に決まったモンスターハードロックバンドLORDIがまさかの優勝した時には国中が大喜びで沸き上がり、ヘルシンキのマーケット市場で開かれた祝賀会には9万人以上の人が集まり、その様子はTVで生中継され、彼らがフィンランド代表に決まった時にフィンランドの恥だなどと反対していた人達はどこかへ消え去り(笑)国中でお祭り騒ぎしたのが今でも思い出されます。このユーロビジョンそれまであまりロック・メタルバンドが出ることはなかったようで、LORDI優勝でユーロビジョンそのものが変わるかもと期待したものの、次の年フィンランド代表はポップシンガーに決まり成績いまいち、それならと翌年はメタルに戻りメタルバンドのTerasbetoni(テラスべトニ)が代表になるも結果はいまいち。結局ユーロビジョンに大きな変化が起らないまま現在に至っています。Lordi以外の年は、いつも最後の各国からのポイント数集計で点数が入らずまた今年もか、、、と、しょぼーんとなることが多かったフィンランドですが、今年は若手ポストハードコアバンドBlind Channel が国内大会でダントツの高得点を獲得してフィンランド代表に決定!おぉ、これは期待が高まる!
このBlind Channelはフィンランド北部のオウルで2013年に結成。翌年ドイツで開催されているWacken Open Air出演をかけてフィンランドのWacken Metal Battleに出場し見事優勝!2016年にデビューアルバム『Revolutions』を発売。2018年に発売になったセカンドアルバム『Blood Brothers』はフィンランドのグラミーともいえるEmma Gaalaで年間ロックアルバム賞にノミネート!彼らは自分たちのサウンドをヴァイオレント・ポップと呼んでますが、その名もずばりのサードアルバム『Violent Pop』を昨年2020年に発売しています。
メンバーは
Joel Hokka (ヨエル・ホッカ):ヴォーカル&ギター
Niko Vilhelm(ニコ・ヴィルへルム):ボーカル
Joonas Porko(ヨーナス・ポルコ):ギター&バッキングヴォーカル
Olli Matela (オッリ・マテラ) :ベース
Tommi Lalli(トンミ・ラッリ):ドラム
Aleksi Kaunisvesi (Alex Mattson) アレクシ・カウニスヴェシ(アレックス・マットソン):サンプリング、バーカッション
メンバーの中でアレクシ・カウニスヴェシはアレックス・マットソンという名前でDJ、プロデューサー、作曲などで活躍していて、2019年にリリースされたシングル「Timebomb」でコラボしたのをきっかけに、昨年正式メンバーになりました。
Blind Channelは1度ライブを見る機会があったのですが、第一印象はフィンランドのLinkin Park!ポップ、ロック、メタル、ハードコア、ラップといろんなジャンルが混ざり合って出来上がったのがBlind Channelという感じ。へぇ、どんな?と思ったらまずこちら今年のユーロビジョン出場が決まったこの曲「Dark Side」みてみてください。こちらはリリックビデオ!
そしてこちらは今年のユーロビジョンソングコンテストに出場を勝ち取ったフィンランド代表を決めるUMK21コンテストでのパフォーマンス映像です。
このパーフォーマンスの後、オウルのLinkin Parkという声も見かけたので、Linkin Parkが頭に浮かんだのは私だけではなかったようです。
ちなみにこの曲の作詞作曲はメンバーで、プロデュースにはバンドメンバーに加えて、元Santa Cruzのギタリスト、ジョニーでも知られるヨーナス・パルッコネンもかかわっています。
昨年のユーロビジョンソングコンテストは新型コロナのためキャンセルになってしまいましたが、今年はその前2019年に優勝した国オランダのロッテルダムで5月18日と20日にセミファイナル戦、5月22日にファイナル戦が新型コロナを配慮して行われる予定です。果たして彼らがこの長い伝統を持つユーロビジョンでどのように受け止められるかは正直なところわかりませんが、旋風を巻き起こして、今後のユーロビジョンをロック・メタルファンにももっと楽しむことができる歌の祭典にかえることができたらうれしいです。
Blind Channel アーティスト写真:Mona Salminen
文:Hiromi Usenius
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