【連載】Hiroのもいもいフィンランドvol.137「アポカリプティカが<Plays Metallica Vol. 2>公演を開催」
先月Metallicaのヘルシンキ公演がオリンピックスタジアムで金曜と日曜の2公演あり、その週末Metallica Takeoverなるイベントがヘルシンキで開催された。そのイベントの一つとしてチェロメタルバンドApocalypticaの公演がオリンピックスタジアムのすぐ側にあるアイスホールで行われた。
Apocalypticaは1996年Metallicaのカバーアルバム『Plays Metallica by Four Cellos』でデビュー。今年6月Metallicaのカバーアルバム第2段『Plays Metallica Vol. 2』をリリースし、このニューアルバム発売後初めての公演をMetallicaヘルシンキ公演の間の土曜日にヘルシンキ・アイスホールで行った。
なんとこの最新アルバム『Plays Metallica Vol. 2』の収録曲「The Four Horsemen」には本家Metallicaのベーシスト、ロバート・トゥルヒーヨが、「One」にはジェイムズ・ヘットフィールドとロバート・トゥルヒーヨがゲスト出演している。
さらに「The Call Of Kutlu」にはMetallicaの故ベーシスト、クリフ・バートン本人が演奏したオリジナルのベース・ラインが使用されている。
この日アイスホールに行くのにMetallicaの会場であるオリンピックスタジアムの横を通ってみると、Metallicaのトラックがずらっと並んでるではありませんか。さらにアイスホールそばの駐車場にもずらっと!その数が半端ない。50台ぐらい停まってたかもしれない。ちなみにMetallicaのヘルシンキ2公演ともソールドアウトで2日間の観客動員数10万5千人だったとのことだ。
アイスホールにたどり着くと会場前の庭がMetallicaファンゾーンになっていて、動画が流れるスクリーンがあったり、Metallicaの物販があったりと会場付近はMetallicaで盛り上がっていた。
開場1時間半ぐらい前から並び最前をゲットし、中に入ってさらに待つこと1時間半。ステージ前の白い幕にAPOCALYPTICAの文字が照らし出され、チェロの音色が聴こえてくると3人のチェロ奏者ぺルットゥ・キヴィラークソ、エイッカ・トッピネン、パーヴォ・ロトヨネンのシルエットが見えたり消えたり。演奏に雷音も加わりしばらくすると幕が落とされ歓声が沸き上がった。ニューアルバムのオープニングトラック「Ride the Lightning」でこの日のライブがスタート。「Enter Sandman」そして「Creeping Death」と続き、Apocalypticaにはもちろんオリジナル曲もあるものの、この公演で演奏したのはMetallicaのカヴァー曲のみ。彼らのメランコリックなチェロの音色にはなにかこう心をすごく引きつけられるものがあり、うっとり聞き惚れてしまう。3人座って静かに奏でる曲もあれば、「St. Anger」の時のように立って力強いチェロに加えてロン毛の2人エイッカとぺルットゥが激しくヘッドバンしたりとしっかりメタルな要素もある。Metallicaの故ベーシスト、クリフ・バートンの追悼にと始まった「The Call Of Kutlu」ではスクリーンにクリフが映し出されていた。
ニューアルバムのレコーディングを終えた後ドラマーのミッコ・シレンの脱退が発表になり、この日のライブではフィンランドのロックバンドVon Hertzen Brothers のドラマーだったことでも知られるミッコ・カーックリ二エミが担当。ドラマーの紹介があった時バックスクリーンにグリーンに染まったカーックリ二エミが緑の稲光と共に映し出され、まるでアメリカのコミック『超人ハルク』みたいで、ダイナミックなドラムさばきをみせてくれた。
アンコール1曲目「Nothing Else Matters」演奏中にどうやらエイッカが手を怪我、もしくは手がつったみたいで、ステージから1度降りたもののなかなか戻ってこない。そこでぺルットゥがトークを入れその場をつなぎ、エイッカが戻ってくるとセットリストに入っていたとみられる「Master of Puppets」をとばして、最後の曲「One」が始まった。エイッカを見てるとなんとなく手が痛そうにみえた。それでも演奏を続けるエイッカだったが、この曲は10分近くもあるとても長い曲で、最後の方で我慢できなくなったとみられステージを去りエイッカなしで終わってしまったが、最後の記念撮影のとこで、手をアイスで冷やしながらエイッカが戻ってきてほっとした。
Metallica公演の間ということで、Metallicaのメンバーもヘルシンキ滞在中。もしかして何かサプライズが?と思ってた人も多いと思うが、特にサプライズはなく終わったものの、どうやらロバート・トゥルヒーヨは会場に来ていて、横の方から見ていたらしい。サプライズはなかったもののApocalypticaのチェロの世界に引き込まれ魅了された約2時間で大満足!
Apocalyptica ヘルシンキ・アイスホール公演セットリスト:
2. Enter Sandman
3. Creeping Death
4. For Whom the Bell Tolls
5. Battery
6. Until It Sleeps
7. The Unforgiven II
8. The Call of Ktulu
9. Drum battle
10. Sad but True
11. St. Anger
12. Welcome Home (Sanitarium)
13. The Four Horsemen
14. Blackened
15. Fight Fire With Fire
16. Seek & Destroy
~アンコール~
17. Nothing Else Matters
18. One
Apocalypticaは今年秋2ヶ月半に及ぶヨーロッパツアー、来年1月フィンランドツアー、2月から3月にかけて約1ヶ月の北米ツアーが予定されている。
ApocalypticaはMetallicaのジェイムズ・ヘットフィールドに棺桶に入ってるスキー板をプレゼントした動画を公開!
「Apocalyptica Plays Metallica Vol. 2」のドキュメンタリー映像も公開されていて若かりし頃のメンバーの姿も映っているのでぜひチェックを!
文&ライブ写真:Hiromi Usenius
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