【速レポ】＜LuckyFes'24＞トンボコープ、最終日トップに雨を吹き飛ばす笑顔「急遽セトリを変更して大量に曲を」

＜LuckyFes＞最終日はあいにくの雨。RAINBOW STAGE、トップバッターのライブが始まる11時にはどしゃぶり、横殴り状態だった。そんな状況下で登場したのは、平均年齢22歳、結成2年目の4人組ロックバンド・トンボコープだ。

◆ライブ写真

雪村りん(Vo)は、まず「みんな今日は雨の中、来てくれて手を振ってくれてありがとう。クソみたいに雨降ってるし、なんなら電車も止まっているらしいよ(※午前11時頃までJR常磐線が人身事故のため一部区間で運転見合わせ)」と挨拶。そして「そんな中、喋ってもしょうがないと思うので、今日は急遽セトリを変更して、大量に曲をやって帰ります！」と宣言。「Now is the best!!!」からスタートさせた。“今が最高じゃん だって今が最高じゃん”をシンガロングする姿は、今置かれている状況さえも楽しんでいるよう。





そして、ノンストップで披露されたのは、少し重ための愛を包み隠さず歌う「過呼吸愛」と、「むかしむかし」。曲のラスト“歌えたらいい”という歌詞を雪村が繰り返す場面は、まるで雪村自身の今の気持ちを歌っているようだった。ただ、この曲、雨降りの天気を見て急遽披露することに決めたらしく、曲終わりには「急に決まったから、めっちゃミスったわ」と雪村。お茶目な一面を覗かせた。

1回目のMCでは、でかそ(B)が「雨止んでよかったね！」とボケ。観客からツッコまれると「屋根があってわかんなかった」とジョークを話した。一方の雪村は「みんなばっかり濡れてもと思って、俺らも楽屋から外に出てびしょ濡れになってステージにきました」と楽屋裏からの心意気を明かす。「こんなに雨が降っているのに、こんだけ人が集まってくれるのは嬉しいね」と喜びを露わにした。



そして「しゃべっていてもしょうがないから」と披露したのは、爽快感溢れるアッパーチューン「風の噂」。そらサンダー(G)が手を打って見せると、会場に集まったフレンズたちは楽しそうに手拍子。また、「雨の中、来てくれるお客さん最高だわ！ 歌える？」と雪村が聞くと、大きなシンガロングが。かと思えば“世界で一番幸せ者にするからさ 今はそばにいて”という甘い歌詞では、バンド音も歓声も鳴り止み、ボーカルのみでしっとりと聴かせる姿も印象的。緩急のあるパフォーマンスにオーディエンスは夢中になっていた。

雪村がギターを置き、肘でリズムをとるように煽って始まったのは「くだらないこと」。林龍之介(Dr)も楽しそうにドラミングし、この雨をも吹き飛ばすような笑顔の4人は見ていて気持ちが良い。


「喜怒哀楽」では「手拍子いけるかい？」と語りかけ「歌え！」と絶叫する雪村。「雨晴らそうぜ、雨」と煽ったあと、温かな雰囲気のライティングの中、魅せた。また“もし少しでも違っていたら 君とはきっと出会えてなかった”の歌詞を“ひたちなか、君とはきっと出会えてなかった”とアレンジ。地元民の心をバッチリと掴んだように見えた。

「雨がひどくなって終わるかもしれないから、1秒1秒を大切にして、見たことを心にしまって帰って欲しいと思います」「それがいつかあなたを助けると思うから、その1つにトンボコープがいればいいなと思います」と熱いメッセージを残した雪村。

そして、再びギターを持ち披露したのは7月3日に配信リリースされたばかりのロックチューン「彗星」。これからの季節、夏のフェスにぴったりなラブソングだ。そんな楽曲を、星空感を表現したような青と白のライティングがまた盛り上げる。観客も応えるかのように、激しく手を前後に振る。


「まだまだやるぞ！まだ時間あるから1曲やるぞ！」と再び「Now is the best!!!」を1コーラス披露。最後に再び“今が最高じゃん だって今が最高じゃん”と、その場にいた一同は合唱。大団円を迎えた。

文◎於ありさ
写真◎高田真希子 / team SOUND SHOOTER