【速レポ】<京都大作戦2024> RIZE「帰ってきたぜ、Are you ready?」
次なるアクトをアナウンスする映像で、大歓声を巻き起こしたのはRIZE。今年7年ぶりに再始動し、<RIZE LIVE TOUR 2024 "SOLU">と題したツアーを終えたその足で、ここ<京都大作戦>のステージに立つ。ツアーは全公演がソールドアウトとなったこともあり、勢いよくスタートを切ったばかりのRIZE──JESSE(Vo, G)、KenKen(B, Vo)、金子ノブアキ(Dr)、サポートギター・Rioの荒々しさ、生々しさを目の前にできるとあって、観客の興奮はいちだんと高い。
◆ライブ写真
SEはなしでステージに登場したが、歓声やメンバーの名前を呼ぶ声、拍手や手拍子が混じり合って、じつに賑やかだ。まずは大きく息を吸い込むようにタイミングを合わせ、あいさつがわりの爆音やシャウトをかました4人は、「京都大作戦、いこうか!」というJESSEの声を合図に、「HAVOC」で、ボルテージをあげていく。そのアンサンブルは、気持ちがいい。乾いた抜けのいい音で心地よく跳ねるドラムのビート、それに共鳴し、また饒舌に絡んでいくベース、印象的なフレージングでサウンドを彩り、インパクトのあるリフで観客を湧かせていくギター、そしてステージを縦横無尽に動き言葉そのものもがエネルギッシュに躍動するラップ。それぞれが個性の塊で、それでいて生き物のように鼓動をひとつにしている感覚だ。
改めてメンバーを紹介したJESSEは、「お前らがどれだけが見せてくれますか!」と観客にコブシを上げさせ、シンガロングを大きくしていく。「そんなもんか! 聴こえねえぞ」と煽ると、ドラムのカウントとともにグルーヴィーなギターリフがボリュームを上げ、ドラムとベースの重低音が観客の体をビリビリと痺れさせる。テンションが最高潮のところで「今日もいきますか」と打ち鳴らしたのは「ONE SHOT」。ループ感のあるサウンドが呼ぶ酩酊感と同時に、アグレッシヴなラップや熱いギターソロで激しく覚醒させられるようなアンサンブルが最高だ。「東京から来ましたRIZEです、よろしく」とJESSEは挨拶をすると、ちょっとだけ力を貸してくださいと「TKC」でコール&レスポンスを起こし観客と一体となって、ますます馬力を上げながら突き進んでいった。
汗だくとなったTシャツを脱いだJESSEは、「京都がどんだけか見せてくれ、ここまで溜めてきたんだろお前ら。嫌なこととかあるんだろ? RIZEが帰ってきたぜ、Are you ready? Put your hands up!」と、バンドが生み出すビートと手拍子を大きくしていく。スタートしたのは「PARTY HOUSE」。90’sロック、ミクスチャーロックの香りがするサウンドは、自由で、ヒリヒリもしていて、さらにどデカいエンジンを積んでいるような爆音のアンサンブルが、晴れない思いをダイナミックに吹っ飛ばす。
再始動まで7年という時間があり、その間にはJESSEはThe BONEZとして、KenKenや金子ノブアキもソロやさまざまなバンドでそれぞれ研鑽を積んできたが、再びRIZEとして集まると、スキル云々じゃなく無条件で“楽しい”というプリミティヴなところに返っている感覚がある。「神」でのアンサンブルのノリもまさにその感じで、グルーヴが濃くなってよりトライバルな印象もある。
JESSEは<京都大作戦>について、「“音楽で人生が変わった”ってやつらのパーティーだと思ってます」とMCで語る。またきっと、この日のライブや、この日初めて出会ったバンド、音楽で人生が変わる人もいるかもしれない。ソリッドなバンド感あふれる「日本刀」や、ラストに据えた2000年のRIZE 1stシングル「カミナリ」での興奮は、記憶に残るものになったと思う。
「カミナリ」は途中で多数の観客をステージに上げ、またENTHのメンバーも呼び、それぞれマイクを奪い合うようにしてエネルギッシュに歌い上げる。ライブハウスの、それもフロアライブのような熱気とパンク的なムードで、曲が終わるともはや息も絶え絶えのJESSEがステージに倒れ込み、金子がその腕をとって引っ張り上げていたのは、なんともいいシーンだ。舞台袖で大勢のバンドに拍手で迎え入れられていたのも、また<京都大作戦>とRIZEだからこそだろう。
文◎吉羽さおり
写真◎HayachiN、Yukihide"JON..."Takimoto、青木カズロー
セットリスト
2. ONE SHOT
3. TKC
4. PARTY HOUSE [Intro-long]
5. 神 [Short-intro]
6. 日本刀
7. カミナリ
■<京都大作戦2024 〜翔んで騒いで万々祭゛〜>
7⽉6⽇(⼟) 京都府⽴⼭城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
7⽉7⽇(⽇) 京都府⽴⼭城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
open9:30 / start11:00
〒611-0031 京都府宇治市広野町⼋軒屋⾕1
▼7⽉6⽇出演者 ※50⾳順
【源⽒ノ舞台】Ken Yokoyama / Saucy Dog / サンボマスター / 湘南乃⾵ / dustbox / 10-FEET / FOMARE / HEY-SMITH
【⽜若ノ舞台】炙りなタウン / GUMX / サバシスター / SIX LOUNGE / SHANK / Maki / RED SPIDER
▼7⽉7⽇出演者 ※50⾳順
【源⽒ノ舞台】ENTH / SUPER BEAVER / 10-FEET / 東京スカパラダイスオーケストラ / Dragon Ash / マキシマム ザ ホルモン / RIZE / ROTTENGRAFFTY
【⽜若ノ舞台】アルステイク / Age Factory / THE SKIPPERS / Fire EX. / プッシュプルポット / Paledusk / MAYSON's PARTY
※10-FEETは2⽇間とも出演
【鞍馬ノ間】EGOLA / ⼤阪籠球会 / TEAM ISHIKAWA / TEAM-S / TEAM NICK / TEAM HAPPY LUCKY FROM SOMECITY OSAKA / TEAM FUKUOKA / ちきゅう
京都ハンナリーズ (エキシビションマッチ)
▼チケット
・通常札:2⽇通し券 18,820 円(税込) / 1⽇券 9,410 円(税込)
・童札(わらべふだ):2⽇通し券 9,400 円(税込) / 1⽇券 4,700 円(税込)
※童札は、2024年7⽉時点で⼩学⽣(⽣年⽉⽇が2012年4⽉2⽇〜2018年4⽉1⽇)の⽅が申し込み可能。必ず⼤⼈の⽅(通常札・家族札購⼊者)と⼀緒にご来場ください。童札のみでの⼊場はできません。
(問)公演:サウンドクリエーター 06-6357-4400
(問)チケット:https://ticket.kyoto-daisakusen.kyoto/contact
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