【インタビュー】緑仙、2ndミニアルバムにVTuberの本気「フェスに出たい。お遊びで音楽をやってると思われたくない」
■自分のなかで最大限のかわいい声です(笑)
■もともとアニメソングを歌うのも好きなので
──2曲目の「なんでですか?」は、まずタイトルがすごくキャッチーで。
緑仙:確かに(笑)。今回のアルバムに入ってる曲の歌詞は、スタッフの皆さんと「このフレーズのニュアンスは変えたほういいかも」みたいなやりとりをしながら進めたんですけど、「なんでですか?」はそのままOKだったんです。自分でもビックリするくらいバーッと書けたし、勢いのある歌詞だなって。「なんでですか?」は自分の口癖なんです。マネージャーさんに「緑仙の口癖って何かな?」って聞いたら、「“なんでですか?”ってよく聞かれますね、いい意味で」って(笑)。気になること、納得できないことをグッとこらえることで円滑になるコミュニケーションもあると思うんですけど、そうやって自分の感情を押し殺してしまうのはもったいないなって。せめて歌のなかでは“僕の声をどうか聞いてくれ”って強い気持ちを込めようと思い、この歌詞を書かせていただきました。
──歌にもしっかり感情が乗ってますよね。
緑仙:レコーディングのときも大盛り上がりでした(笑)。この曲も加藤さんが作ってくれたんですけど、Aメロ部分にメロディが入ってなかったんですよ。ガイドのメロディも入ってなくて、「ここは好きに歌ってください」って。「どれだけ文字を詰めてもいいし、逆に抜いてもいいし、緑仙さんにお任せします」と言われたので、「じゃあ詰めます!」と。レコーディングの日に加藤さんが来てくれたんですけど、その場で歌ったら「いいじゃん」って言ってくれました。
──素晴らしい。続く「友達代表宣言」は、結婚する友達に対する気持ちを描いたポップチューン。
緑仙:“最近、幸せだったことって何だろう?”って考えたときに、友達が結婚したことだなと思って。周りの人たちが結婚する第一波が、今ちょっとずつ来てるんですけど、自分の仲がいい人や身内が幸せそうにしているのはいいことだし、それが自分の幸せにもつながってるというか。ただ心のどこかで“家庭ができるってことは、僕と遊んでる暇なんてないってことか”という感じもあって(笑)。そんな思いも伝え方によっては可愛くなるんじゃないかと思って、“これからも遊んでよ”という気持ちを明るいメロディーに乗せて書いたのが「友達代表宣言」ですね。
──「これからも麻雀やってよね」みたいな(笑)。この曲は緑仙さんの音楽制作に欠かせない、ぼっちぼろまるさんとの共作です。
緑仙:今回は“初めまして”のクリエイターさんも多かったんですが、ぼろまるさんは昔からつながりがある方で。この曲に関しては、お互いの結婚観とかも話しながら作っていただきました。リスナーさんにも意見を聞いたんですよ、そういえば。「もし恋人ができてデートしているときに、僕が“重大発表!”とかってライブ配信を始めたらどうするの?」って聞いたら、「配信見るに決まってるんじゃん!」という人がけっこう多くて。それが最近の価値観なのかなって思いましたね。恋人や結婚する人とは趣味も分かち合いたいという人も多いみたいだし。
▲『イタダキマスノススメ』通常盤
──「しあわせクッキー」は、“クッキーを焼けるくらい広いキッチンの部屋に住みたい”という緑仙さんの願望がそのまま歌になっていて。
緑仙:ラジオとかでも散々話してることなので、曲名を発表したとき、「ついに歌になった!」というリアクションがたくさんありました。具体的に言うと平屋の3LDKで猫2匹、クッキーを焼くためのオーブンを置けるキッチンがあって、何ならクッキー屋さんになる!っていう(笑)。猫2匹はクリアしてるので、次はおうちですね。今住んでいるところはオーブンを置くスペースがないんですよ。オーブンを床に置いてクッキーを焼いても味は変わらないんだけど。
──そりゃそうですね(笑)。
緑仙:つらいときでも幸せなときでもクッキーの味は変わらないんで (笑)。すごくつらいときも自分のためにクッキーを焼ける状況にしておきたいという気持ちがあるんでしょうね、たぶん。この曲もぼろまるさんと一緒に作ったんですけど、「自分のために焼くクッキーっていいね」って賛同してくれて。ぼろまるイズムも入って、いい歌詞になりました。
──メロディも幸せいっぱいな雰囲気ですよね。ボーカルもすごくキュートで、“こういう歌声も持ってるんだな”と思いました。
緑仙:自分のなかで最大限のかわいい声です(笑)。もともとアニメソングやキャラクターソングを歌うのも好きなので、わりと出しやすかったですね。
──5曲目の「Blowin’ Wind is blowin’」は、2024年ベガルタ仙台応援ソング。緑仙さんが愛してやまないベガルタ仙台は、今年30周年のアニバーサリーイヤーなんですね。
緑仙:そうです! 「WE ARE YOU」(2023年ベガルタ仙台応援ソング)に続いて、今年も応援ソングを任せていただけて、さらに気合いを入れて作りました。「WE ARE YOU」は“行け!”という感じで強めに背中を押すような気持ちで制作したんですが、「Blowin’ Wind is blowin’」はサポーターとして自分が見ている景色や選手のみなさんへの気持ち、“皆さんは我々の希望で誇りである” “勝てばうれしいし、負ければ悲しい。一心同体です”という思いを込めたくて。自分たちにできるのは応援だけなので、それが追い風になってほしいという、すごく純粋な応援ソングになりました。
──歌声からも強いパワーを感じました。サウンドやメロディに引き出されたところもあるんでしょうか?
緑仙:それもあると思います。前回の「WE ARE YOU」よりもスローテンポなんですが、個人的にはこっちのほうがチャント(サッカーの応援歌)らしいと思っていて。30周年という節目でもあるし、ベガルタ仙台の歴史を振り返ったり、重みを感じてもらえるような曲にしたかったんです。そういう気持ちがボーカルに乗っていたらいいなと思うし、サポーターのみなさんにも“おお!”と思ってもらえたらうれしいです。
──ベガルタ仙台もがんばってますからね。
緑仙:(J1昇格)圏内です! とにかく試合がすごくいいので、見ていて楽しいんですよ。
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