【インタビュー】ACIDMAN、ジャズやプログレを行き交う新曲の革新度と二面性「“白と黒”だからこそカラフルな曲にしたかった」

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■昔なら自分のやりたいことを大事にしていたかも
■でも今なら、誰かのための仕事にやりがいがある


──普段から、白と黒、善と悪、と判断させないようにということは意識しますか?

大木:僕はそういうアイデンティティで生きています。だから変な言い方かもしれないですけど、すべてをあまり信じないようにしているというか。報道や誰かの意見とかもそうですけど、賛成が多ければ多いほど怪しいと思っていて。本当にそうなのかな?って探求する性格なんですよね。何が正しくて何が悪いかは、なるべくジャッジしないように。何が起きているか、という現象だけをとにかく探していきたいタイプですね。

──誰かの白が、誰かにとっては黒かもしれないという。

大木:わかりやすいのは戦争ですよね。両面を冷静に見ないと大衆としては流されてしまう。そこは自分の軸を持たないといけないと思っています。

──今は切り取りによるニュースなども問題になりますし。

大木:それにフェイク動画とかもあるから、何が本当かなんてわからなくなってきてしまった。自分の心に忠実であるということが、一番ブレないでいられることのかなと。

──そして、白と黒という色のほか、「輝けるもの」同様にこの曲にも“金色”というワードが出てきます。

大木:今のツアーが<ゴールデンセットリスト>だからというわけではなく。もちろん、少しはそういう気持ちもあったと思うんだけど。色を扱うときの憧れの色って、僕は金色なんです。一口に金と言っても、鉱物としての金というよりは、夕暮れの黄金色だったり、神々しく天国に降り注いでるような金色だったり、レインボーの世界のひとつだったり。そこに包まれているカラフルな世界観みたいなものが、憧れの色のひとつなので。この曲も白と黒というテーマのなかで、金色を目指しているというか、すべてを肯定してくれるような色でもありたいという感じですね。“白と黒”だからこそカラフルな曲にしたかった。


──ACIDMANでは透明も含め、たくさんの色が象徴的に歌詞に出てきますよね。

大木:そういうものが好きですね。僕はボキャブラリーを特に増やそうとも思っていなくて。金色が浮かんだら金色を使うし、イメージとしてそれでしかないんです。例えば、“これは前に使った表現だからやめよう”って考えると、作品が嘘臭くなっちゃうし、それは芸術としても違うと思う。自分の中にあるものだったら、それを書くしかないという、ある種の諦めに似た覚悟があるので。思えば、“黄金色”という言葉は「赤橙」(2000年)のときから始まっているんですよ。ずっとそこに憧れがあるんです。その金色が示すものが、夕陽なのか朝日なのか、天国なのか違う星の世界なのか。それぞれだけど、金色の光が降り注いで、そこで少年たちが笑っていて、世界が幸福で満たされている。そういう桃源郷のようなものが、僕にはいつも明確にあるんです。それはもしかしたら死後の世界の可能性もありますけど。そこをずっと描きたいと思っているんです。

──今、すでにドラマも進んでいますが、実際に映像と音楽とが合わさってみての感触はどうですか?

大木:放送された映像を見て、結果的に自分でもすごくハマったなと思っています。毎回ドラマで少しずつ使われる曲の場所が違ったりして。ときにはサビだったり、ときには間奏部分だったり、工夫して使っていただけているのもすごく面白いですね。

──確かにドラマで主題歌の間奏パートが流れることってあまりないですよね。

大木:ドラマ制作スタッフにも喜んでいただけたし、「編集しがいがあります」と言っていただけたりしたので。ドラマ制作の士気を上げる一役を担えたことも嬉しいし、取ってつけたような主題歌じゃないって、やっぱりやりがいを感じますね。相乗効果としてその作品を彩ることができてよかったなと思っています。


──映画『ゴールデンカムイ』に続き、テレビドラマでも作品と寄り添いつつ、相乗効果で盛り上がるという、いい仕事が続いていますね。

大木:ありがたいですね、こういう機会をいただけることが。昔だったら、こうしてオファーがあっても自分のやりたいことを大事にしていたかもしれない。でも今なら、その作品のために一肌脱ぎたいと思えてくるというか。誰かのために、何かのためにする仕事は、とてもやりがいがあります。

──ドラマプロデューサーのコメントで、「学生時代に「赤橙」を聴きながら通学していた日々を思い出して、今回の主題歌はACIDMANがピッタリでオファーをした」というものがありました。こうして学生時代に聴いていた人たちが、今クリエイターとなって、ACIDMANと一緒に仕事をしたいと思っていたり。また音楽番組に出れば思った以上の人がそれに興奮してくれたり、このタイミングで新たにバンドの存在を知る人も増えたりというのは、じっくりと自分たちの音楽を紡いできた確かさを感じる瞬間ですね。

大木:まずファンの方々が喜んでくれていることが、すごく嬉しいです。潜在的なACIDMANファンってかなり多いらしく。隠れキリシタンじゃないけど、隠れACIDMANファンがたくさんいるようでして(笑)。隠れる必要はないんですけどね(笑)。やっぱりロック村でできた野菜ってあまり広く世の中に流通はしなくて。でも、美味しいんですよ、ロック村の野菜は。それが世に流通したときに、例えばアイドル村だったり、ダンス村だったり、お笑い村だったりの人たちからも、「美味しい」と言ってもらえる。こういう主題歌とかで注目されたときに改めて、そういう効果が出ると思うんです。私たちが美味しいと思っていたものが、ほかの人たちも美味しいと思ってくれるってことを共有できる。それに対してファンの方が、「誇らしい」と言ってくれるのもまた嬉しいですね。

取材・文◎吉羽さおり
撮影◎TOYO

新曲「白と黒」

2024年5月10日(金) 0時配信開始
配信リンク:https://acidman.lnk.to/blackwhitePR
テレビ東京開局60周年ドラマ8『テレビ東京×WOWOW共同製作連続ドラマ ダブルチート 偽りの警官 Season1』主題歌



【テレビ東京開局60周年 ドラマ8『テレビ東京×WOWOW共同製作連続ドラマ ダブルチート 偽りの警官 Season1』】
▼テレビ放送
放送局:テレビ東京、テレビ大阪、テレビ愛知、テレビせとうち、テレビ北海道、TVQ 九州放送
放送日程:2024年4月26日スタート 毎週金曜 夜8時~8時54分
※初回放送は15分拡大
▼「TVer」でリアルタイム配信
https://tver.jp/
▶広告付き無料配信サービス「ネットもテレ東」(テレ東HP・TVer)にて見逃し配信
https://video.tv-tokyo.co.jp/
※Season2 放送・配信:WOWOWプライム・WOWOWオンデマンドにて
※2024年6月29日放送・配信スタート 毎週土曜夜10時

主演:向井理
出演:内田理央、荒川良々、結木滉星、上川周作、松本若菜、橋本じゅん、梶原善、伊藤淳史
脚本:吉田康弘、丸茂周、いとう菜のは
監督:河野圭太(共同テレビ)、都築淳一(共同テレビ)、下向英輝
音楽:諸橋邦行
主題歌:ACIDMAN「白と黒」(ユニバーサル ミュージック)
チーフプロデューサー:濱谷晃一(テレビ東京)、堤口敬太(WOWOW)
プロデューサー:木下真梨子(テレビ東京)、本間かなみ(テレビ東京)、小髙史織(WOWOW)、元村次宏(東通企画)、藤田結衣(東通企画)
製作:テレビ東京、WOWOW
制作協力:株式会社東通企画
公式HP:https://www.doublecheat.com/
公式X(Twitter)/Instagram:@tx_wowow


©テレビ東京 WOWOW

■全国ホールツアー<ACIDMAN LIVE TOUR “ゴールデンセットリスト”>

5月10日(金) 京都・ロームシアター京都 メインホール
5月19日(日) 北海道・道新ホール
5月30日(木) 埼玉・ウェスタ川越 大ホール
6月16日(日) 石川・金沢市文化ホール
6月28日(金) 愛知・日本特殊陶業市民会館 ビレッジホール
7月12日(金) 宮城・トークネットホール仙台 (仙台市民会館)
7月19日(金) 岡山・岡山芸術創造劇場 ハレノワ 中劇場
8月11日(日) 東京・LINE CUBE SHIBUYA(渋谷公会堂)
8月16日(金) 福岡・ももちパレス



■<This is ACIDMAN>

▼2024年
10月30日(水) 神奈川・ KT Zepp Yokohama
※詳細後日発表


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