【インタビュー】REITA × 戒、『MASS』ツアーを終えて。「the GazettEを信じて待ってくれた人がたくさんいた」

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■今回のツアーで得られたものを、次にまたすごく活かせる

──“03”を経た<MASS TOUR>のファイナルは、2023年7月15日に開催された<the GazettE LIVE TOUR2022-2023 MASS "THE FINAL">日本武道館公演でした。

戒:武道館は空きがほとんど無くて、無理だと言われていたんです。だけど、ツアー中もずっと「なんとかお願いします」とスタッフに言い続けていました。だから、ファイナルを待ってしまう情況になっていましたね。ツアーファイナルに関しては、他にすぐにブッキングできる会場がいろいろあって、そこでやるという選択肢もあったんです。でも、自分達のツアーの最後は自分達がしっかりと見定めて決めた場所で飾りたいということで、バンド内で話がまとまった。「ここに空きがあるからファイナルはここでやろう」という安易な姿勢ではなくて、自分達が思い描いているファイナルのステージというものを絶対に具現化させる必要があったんです。なんて言うんだろう……準備されたものではなくて、自分達で準備していくものという考え方ですよね。それで、もう武道館1択で、とにかく武道館が出るまで待とうということになって武道館をちょっと無理やり出してもらいました。実現させてくれたスタッフ達には、本当に感謝しています。

REITA:武道館は、僕らが1番最初にやった大きい会場だったんです。2006年の5月にツアーファイナルを武道館でライブをしたんですけど、そのツアーはメチャメチャ思い入れがあって、今でも全然忘れていないんですよ。the GazettEにとってものすごく大事なツアーだったので、そのファイナルを飾った武道館という場所には何度でも立ちたいという思いがある。何度でも立ちたいのに、もう8年間も立てなかったから、今回武道館を押さえられたとなった時はメチャメチャ安心しました。“やっと、できる!”と思いましたね。


──数年ぶりのツアーを思い入れのある武道館で締め括ることができて、本当に良かったです。では、8年ぶりの武道館はいかがでしたか?

REITA:ライブ自体は、本当にツラかった(笑)。猛暑の7月に革の衣裳にしてしまったので、とにかく暑くて。当日リハの時に衣裳を着てステージに上がったんですよ。そうしたら涼しくて、これは全然いけるなと思ったけど、いざ本番が始まってステージに立ったら、もうその時点で暑かった(笑)。来てくれたみんなの熱気ですかね。ライブ中はあまりの暑さに、もう武道館がどうとかじゃなくて、自分がどこに立っているのか分からない……みたいな(笑)。

──な、なるほど(笑)。ですが、『LIVE TOUR2022-2023 / MASS "THE FINAL" LIVE AT 07.15 NIPPON BUDOKAN』を観ると分かりますが、REITAさんはツラそうな気配などは全くありません。

REITA:頭は、まわっていないんですけどね(笑)。朦朧としていた。もう、自分の足元の床が汗で池みたいになっていましたから(笑)。

──それでもやり切れるのは過酷な環境でも何度となくライブをされてきたからこそと言えますね。

REITA:まあ、暑いのには慣れているかな。特に、海外とかではエアコンのない会場なんか、いっぱいあったから。

戒:そうだね。久しぶりの武道館は、すごく良かったです。武道館は今回のツアーで初の声出し解禁ライブで、それも相まったのかDRUM LOGOSよりも暑かった。それくらいみんなの熱気が凄くて、とにかくヤバかったですね。でも、ライブ自体はちゃんと問題なくやれたし、武道館が立ち見まで含めて全部埋まったあの景色というのは圧巻なんですよ。だから、すごく気持ち良かったです。

──武道館にこだわった甲斐がありましたね。そして、本公演を収めたこのDVD&Blu-rayは映像、サウンド共に臨場感に溢れていて、同公演の醍醐味をリアルに味わえます。

戒:ライブを映像化する時は、いつも臨場感というところを1番重視しています。それは、今回も変わらなかったですね。

REITA:僕らがキッズだった頃というのはVHSのビデオを、ひたすら観ていたわけですよ。その頃のライブ作品は映画っぽい演出とかはなくて、ライブをそのまま撮ったみたいなものが多くて、臨場感に溢れていた。そこに良さを感じていたので、自分達の映像作品もそういうものにしたいなというのはありますね。


──臨場感を重視することで、the GazettEのスケールの大きさやスタイリッシュさ、驚異的な持久力などがより鮮明に味わえる作品になっています。<MASS TOUR>を通して得られたと感じていることなども話していただけますか。

REITA:僕はドキュメント内でも喋っているかもしれませんが、1本のライブを死ぬ気で使い切るというか。ツアーといえども1本1本がファイナルな訳じゃないですか。お客さんにとっては初めて来るthe GazettEのライブかもしれないし、気を抜いたらその日が最後になるかもしれない。だから、1本1本、本当に総てを出すつもりでやろうという気持ちは年々強くなってきています。それは、なにより自分のためというか。ライブが終わった時にフラストレーションが溜まったら、意味がないんですよね。ストレス発散のためにやっているので(笑)。ライブというのは楽しくて、ストレス解消できるからやる訳じゃないですか、元々は。そこで、ライブが終わった後にイライラしたりするのはもったいないし、自分自身が損をする。だから、<MASS TOUR>では“毎回、完全に出し切る”ということを心がけていました。

戒:今回に限ったことではないかもしれないけど、今回特に思ったのが、今までの自分達が得てきた経験と知識というものを活かす大事さというか。演出関係の話だったりもしますが、いろいろな会場でライブをして来ているので、それぞれの会場の特徴とかも覚えていたりするんですよ。前回こうだったから、ああだったから…というようなことを演出関係も含めて覚えていて、その知識を活かして取り組むことができたなというのがある。それを今回特に感じたから、今回のツアーで得られたものを、次にまたすごく活かせるんじゃないかなと思います。そういうふうに、バンドとして、個人として経験値を積んでいくことの大事さを、あらためて考えさせられたツアーでした。

──the GazettEは豊富な経験値を持ったうえで新しいことに挑戦し続けていますので、ベテランならではの凄みと新鮮さを併せ持っていて、そこが大きな魅力になっています。さて、2年以上をかけて『MASS』を昇華させた期間を経て、the GazettEの2024年はどんな年になるのでしょう?

戒:当然、新作に力を入れた年にはなるかなと思いますが、潜ってばかりでは…というところもあるので、いろいろ考えています。ライブが全くないという年にはしたくないんですよね。なので、情報出しを待っていてもらえたらと思います。

REITA:光があたるところに立つには、暗いところも経験しないといけないというのがあって。今はその期間なのでとことん暗いところでやって、また光があたるところに立って前回以上に盛り上がるツアーをしたいなと思っています。

取材・文◎村上孝之
(取材日:2024/04/10)

『LIVE TOUR2022-2023 / MASS "THE FINAL" LIVE AT 07.15 NIPPON BUDOKAN』

2024年4月17日(水)Release

■初回生産限定盤(Blu-ray)
Blu-ray(1枚組)
価格:¥12,045+TAX / ¥13,250(TAX IN) 
品番:SRXL-475
収録内容:武道館公演(本編+アンコール) / LIVE TOUR2022-2023 MASS DOCUMENTARY
Photo Book / 特製LPサイズ仕様

■初回生産限定盤(DVD)
DVD(2枚組)
品番:SRBL-2245~2246
価格:¥11,136+TAX / ¥12,250(TAX IN)
収録内容:武道館公演(本編+アンコール) / LIVE TOUR2022-2023 MASS DOCUMENTARY
Photo Book / 特製LPサイズ仕様

■通常盤(Blu-ray)
Blu-ray (1枚組)
品番:SRXL-476
価格:¥6,727+TAX / ¥7,400(TAX IN)

■通常盤(DVD)
DVD(2枚組)
品番:SRBL-2247~2248
価格:¥5,818+TAX / ¥6,400(TAX IN)

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