【インタビュー】高瀬統也、アジア圏へ広がる精力的な活動の現在地「『愛℃』で出した人間味をもっと出していきたい」

■ 顔と曲を一致させないといけない

──「タイムレス feat. 茉ひる」は、「どうして feat. 野田愛実」の第2弾という印象もありました。茉ひるさんも野田さんと同じく三重県出身の女性シンガーソングライターで、「タイムレス」の歌詞には《どうして》というワードが出てきます。



高瀬：茉ひるがずっと路上ライヴで「どうして」をカヴァーしてくれていて、それきっかけで知り合ったんです。実は1年半前に彼女からコラボ依頼があったんですけど、僕はそれを断ったんですよね。当時の茉ひるはまだシンガーとしても未熟だった。でも自分の強みを自分で生かして自力で上り詰めて、僕との関係値からRINZOさんとも曲を出すようになってヒット曲を生んで、急激に成長したんです。やると決めたら絶対にやるところも僕と似ているし、自分の分身のような感覚なんです。そういう背景もあって自分からオファーして、「どうして」とリンクさせた「タイムレス」を制作したんですよね。

──ふたりの物語が、曲にも反映されている。

高瀬：だから今回は茉ひるやれんのように、妹や弟みたいな存在ともタッグが組めたんです。これまで目上の人に可愛がってもらっていた自分が、そういう立場にもなったんだなと。そんな自分の人生も『愛℃』には表れていますね。だからこのアルバムは2023年の高瀬統也。今年はまた全然違う曲が生まれてくるんだと思います。

──5月6月に開催される『愛℃』を引っ提げた＜高瀬統也 JAPAN TOUR 2024 - 愛℃ -＞を経ると、また新しい高瀬統也になっているでしょうね。

高瀬：自分が作ってきたレールを一つひとつ見直すツアーになると思いますね。たぶんきっとこのツアーを終えたらまた抜け殻になるんだろうな（笑）。活動を重ねるごとにつながりも増えてきたので、今後は後輩のアーティストのサポートができる瞬間も増えてくると思うんです。自分なりのエッセンスで何かをサポートしていくというアウトプットにも目を向けていきたいですし、アーティストとしては『愛℃』で出した人間味をもっと出していきたいとも思っています。顔と曲を一致させないといけないなと思って、最新アー写でしっかり顔を出したんです。

──以前のインタビューでも、ご自身の楽曲の知名度にご自身のそれが追いついていないという旨をおっしゃっていましたよね。

高瀬：それもあってInstagramのストーリーズとかで明け透けに人柄を出し始めたんですよ。そしたらお客さんが面白がってどんどんコメントを送ってくるようになったんですよね。そうやってキャッチボールする場所を設けたことが、フォロワー数の増加にもつながったのかなと思っています。昔は会場のキャパシティを大きくすることを重要視していたんですけど、最近は“ライヴって楽しいよね”という気持ちが原動力になっているんです。無理をすると活動がつらくなってしまうから……僕が無理するのは呑むことだけで充分ですね（笑）。また海外ツアーを回るべく水面下で動いていますし、今後もトライアンドエラーをしながら活動を続けていきたいです。

取材・文◎沖さやこ

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