【インタビュー】ENTH、セルフタイトルを掲げた3rdアルバムに新機軸「やっとENTHになれました」

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■ENTHは遅咲きなんですよ(笑)
■ようやく咲き始めたから、最高です


──特に面白いなと思ったのが「Voyuer (Taihei Remix)」です。デジタルリリースのときはグランジ色強めな渋いナンバーでしたけど、リミックスでまた新たな息吹が吹き込まれてて。

ナオキ:これができたときはアガりましたね。

ダト:「リミックスをやりたい」っていう話が仲間内で出たときに、名古屋のTaiheiってDJが「やりたい」と言ってくれたんです。

──ENTHとTaiheiさん、それぞれ主戦場は違うんでしょうけど、交わるのが名古屋っぽいというか。他の土地にはないクロスオーバーが起こる印象が名古屋にはあります。

ダト:たぶん東京や大阪みたいに街が大きくなると、シーン毎にまとまるじゃないですか、いい意味でも悪い意味でもね。名古屋はいろんなところへ顔を出せば、自然と繋がりが広がっていくんですよ。

──音楽的な広がりも名古屋だからこそかもしれない。

ダト:めちゃくちゃデカいっすね。

ナオキ:今回、ブリスターパックのCDを作ったのもそう。名古屋で遊んでるところ界隈にギャラリーがあって、そういう人たちと仲良くなったことで、“こういうの作りてえな”と思ったんです。


▲タクミ(Dr, Cho)

──生活の中で生まれるアイデアはリアルですから。

ダト:自分ら的にもそれを意識してるところがあって。たとえば、カッコいいことをやろうとしたら、“今の時代は誰々と組むのがいい”とか“この人がキテるから”ってことになっていくのが普通だと思うんです。だけど、オレらはほとんどのクリエイティヴをご近所で成立させてて。時代の流れ云々っていうより、自分らが遊んでる中で出てきたアイデアをこのチームでどう世の中へ出していくかって考えるんですよ。

──なるほど。「I’m the Fool」は張り詰めたテンション感とゆったりしたレゲエビートの抑揚がいい1曲ですね。

ダト:そもそも、言いたいことを言うには歌詞としての尺が足りなくて(笑)。歌詞的にはめちゃくちゃなんですけど、メッセージはしっかりある。コロナ禍で思った“オレら、バカやってるけど、ホントにオレらがバカなのか?”みたいな風刺も一応入ってます。

──続く「☆愛♡醒☆」はどういった立ち位置の楽曲ですか?

ダト:配信曲「I’m the Fool」としてリリースしたときは、(「☆愛♡醒☆」になった)後半の打ち込み部分も込みの曲だったんですよ。ただ、自分らの企画<SUPER HIGH>で「I’m the Fool」をやったときに、曲後半でバニーガールが登場して酒を配ったんですけど、打ち込み部分をそれ用に変なリミックスをしてて(笑)。CDのボーナストラックとして収録した「☆愛♡醒☆(鬼ボンバイエMix)」がそれなんですけど。

──あぁ、なるほど。

ダト:だから、打ち込み部分を別の曲(「☆愛♡醒☆」)として収録したら、お客さんもオレらのマネをして酒を飲んだりするのかなとか。

ナオキ:もしくは、飲ますときに流す(笑)。

──飲酒のテーマソングとして。

ダト:そんなつもりで作ったわけではなかったんですけど、ライヴでそうなっちゃって(笑)。ライヴ現場に来てるお客さんならクスッとなるだろうし、面白いかなと思ってトラックも分けました。



──「☆愛♡醒☆」の後に続くのが、緊張感のあるイントロが長尺なハードコアナンバー「P.T.E」ですが、その落差のせいか鮮烈に聴こえるんですよね。

ダト:曲順を考えたときも、「この情緒不安定さがいいでしょ」って(笑)。ENTHらしいっていうか、脈絡がないというか(笑)、飽きさせないための緩急として効果的ですよね。

──4月からはリリースツアー<Doggy Walky>も始まりますが、今のライヴの雰囲気がさらに加速するようなイメージはありますか?

ダト:して欲しいですね。新曲とか新しいことをするといつも、それが浸透するまですごく時間がかかってたんです。だけど、今の感じのフロアだったらすぐに“こういう遊び方ができたら楽しいな”って思ってくれるだろうから。

ナオキ:感度が高いヤツが増えた感じがありますからね、いろいろと遊んできて。

ダト:しかも、僕らが“こういう風に踊ってくれたらな”って思うとかじゃなくて、勝手に楽しんで何かやってくれそうな気がしてるんです。そういう意味でも早くリリースして、ライヴで新曲をやりたいってなってます。

──ということは、めっちゃ練習してるんですか?

ナオキ:そうなんですよ。

ダト:3人でスタジオなんてマジで入ってなかったんですけど、何年かぶりに今、練習してます。

タクミ:僕はひとりではスタジオに入ってきたんですけど、久しぶりに3人でやってみて楽しかったですね(笑)。


──ライヴへ向けての仕上がりという意味ではどうですか?

ダト:まだまだ過ぎて、全然楽しくないです(笑)。でも、ナオキも言ってましたけど、ライヴは頑張らずに楽しむし。楽しむためにめっちゃ準備をしたいってところですね。

ナオキ:やっぱり、考えずにやれたほうが気持ちいいんで。“次のフレーズがどう”とか考えないように身体に染み込ませたいし。

──音楽的には、今後アルバム『ENTH』がひとつの基準になっていくんでしょうか?

ダト:そうですね。完結編って意味でこのセルフタイトルをつけたわけじゃなくて。名刺代わりじゃないですけど、“やっとENTHになれました”って感じなんで。新曲たちもそうだけど、シングルカットされてる曲にこそ、コロナ禍で固まった自分らの意思を歌詞で指し示してたりするし。意味がありそうでないとか、なさそうでホントにないとか。

──ん? 結局ないんですか(笑)?

ダト:いや、前はそうだったんですけど(笑)。最近は内容がなさそうではあるっていうのがほとんどなんで。そういう部分でも今のENTHは掘り下げ甲斐があるだろうな。

ナオキ:ENTHは遅咲きなんですよ(笑)。ようやく咲き始めたから、最高だし楽しいっすよ。

取材・文◎ヤコウリュウジ

■3rdフルアルバム『ENTH』

2024年3月27日(水)リリース
【Blister Pack ver (CD+ロゴソフビ+56Pブックレット)】
RCGB-1006 ¥8,800(tax in)
※1st Ed 500 Limited
【Normal ver (CD+56Pブックレット)】
RCGB-1007 ¥3,300(tax in)
▼収録曲
01. Intro (When It Ends,It Starts)
02. "EN"
03. SCUM DOGS FART
04. A FLY (dedicated to RELAX ORIGINAL®)
05. I’m the Fool
06. ☆愛♡醒☆
07. P.T.E
08. Voyuer (Taihei Remix)
09. Gentleman Kill (Re:rec)
10. BOW!!
11. Urge
12. DESTINE
13. DEPART
CD only Bonus track
14. ☆愛♡醒☆(鬼ボンバイエMix)



▲<Blister Pack ver>取扱店舗

■<3rd Full Album『ENTH』Release Tour「Doggy Walky」>

04月15日(月) 愛知・名古屋CLUB QUATTRO
 w/ coldrain
04月25日(木) 京都・京都MUSE
 w/ Paledusk
05月09日(木) 兵庫・神戸太陽と虎
 w/ KOTORI
05月10日(金) 奈良・奈良NEVERLAND
 w/ KOTORI
05月29日(水) 東京・渋谷Spotify O-WEST
 w/ Paledusk / The BONEZ
05月30日(木) 千葉・千葉LOOK
 w/ Paledusk
06月06日(木) 北海道・札幌Bessie Hall
 w/ Age Factory
06月08日(土) 北海道・旭川CASINO DRIVE
 w/ Age Factory
06月09日(日) 北海道・苫小牧ELLCUBE
 w/ Age Factory / FREE KICK
06月13日(木) 神奈川・横浜F.A.D
 w/ Paledusk
06月18日(火) 静岡・静岡UMBER
 w/ Dizzy Sunfist
06月19日(水) 愛知・豊橋club KNOT
 w/ Dizzy Sunfist
06月29日(土) 熊本・熊本Django
 w/ dustbox
06月30日(日) 鹿児島・鹿児島SR HALL
 w/ dustbox
07月02日(火) 福岡・福岡The Voodoo Lounge
 w/ dustbox

07月10日(水) 宮城・仙台MACAMA
07月11日(木) 山形・酒田hope
07月13日(土) 岩手・the five Morioka
07月14日(日) 青森・八戸ROXX
07月23日(火) 埼玉・HEAVEN’S ROCK さいたま新都心VJ-3
07月25日(木) 栃木・HEAVEN'S ROCK 宇都宮VJ-2
07月26日(金) 茨城・水戸LIGHT HOUSE
08月02日(金) 山口・周南LIVE rise
08月04日(日) 鳥取・米子AZTiC laughs
08月15日(木) 石川・金沢vanvanV4
08月16日(金) 岐阜・柳ヶ瀬ANTS
08月21日(水) 新潟・新潟CLUB RIVERST
08月23日(金) 長野・松本MOLE HALL
09月03日(火) 岡山・岡山CRAZYMAMA KINGDOM
09月05日(木) 広島・広島Reed
09月16日(祝/月) 愛媛・松山WStudioRED
09月17日(火) 香川・高松DIME

【FINAL SERIES】
09月25日(水) 大阪・GORILLA HALL OSAKA
10月18日(金) 東京・Zepp Shinjuku
10月30日(水) 愛知・Zepp Nagoya

▼チケット
ADV:¥4,000
FINAL:¥4,800
●前半日程:一般発売中
https://w.pia.jp/t/enth-tour/
●後半日程:オフィシャル先行
受付期間:3/27(水)20:00〜4/7(日)23:59
https://w.pia.jp/t/enth-tour/
※各公演GUEST有り


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