【速レポ】<響都超特急2023>SiM、「俺は生きているうちに崇められたい」
緊張感と緊迫感を煽り立てるサイレンと、点滅するストロボライト。そのステージに不敵な笑みも浮かべながら現れたのはSiM。GODRi(Dr)、SIN(B)、SHOW-HATE(G)の3人がまずバンドサウンドを一発轟かせ、直後、MAH(Vo)が姿を現わした。
◆ライブ写真
間髪なく歌い始めたのは「Blah Blah Blah」。イントロに合わせ、すでに肩車で待ち受けていた血の気の多い野郎たちは飛び、コーラスも巻き起こり、そこらじゅうでモッシュも。まさしく狂乱の渦。ライブが始まって、一瞬でクライマックスのような状況がここにある。
それでも一切満足しないのがSiM。SINは煽るように腕を振りながらベースを弾きまくり、SHOW-HATEも鋭利な刃物を振り回すようにリフで攻撃。GODRiの鳴らすドラムやリズムは、身体も脳も叩き起こす。日本はもちろん海外でも精力的に ライブやツアーを行なっている実力をまざまざ見せつけていく。
そうした中で披露された新曲のひとつが「KiSS OF DEATH」だ。激しいセクションもありながら、レゲエ要素をたっぷりと含んだメロディや展開もあるというSiMらしい曲だ。アリーナクラスの会場でも威力を発揮しそうなスケール感が、レゲエのリズムと共に描き出されていく。そこにメンバーに合わせて歌うオーディエンスの歌声も加わって、スケール感はさらに拡大。レゲエのリズムに合わせてヘドバンまで生まれるという、SiMにしか成しえない凄まじき景色も広がっていくことに。
「我々は今、アルバムのツアーの真っ只中で、京都でライブやったばっかり。その前は九州ツアーをROTTENGRAFFTYと廻らせてもらって、めちゃくちゃいいツアーにしてもらったんで、今日はロットンのために京都に戻ってまいりました」
そんな仲間思いの言葉に歓喜の拍手と歓声もあがるフロア。2024年もSiMのツアーは続くことになっていて、日本はもちろん、ヨーロッパやアメリカ、オーストラリアなども予定されている。ツアーの話題にも触れ、MAHは言葉をさらに続けた。
「今年はいろんな人を失って、俺らもオマエらもいつ死ぬか分かんないってのを痛感した一年だったと思います。俺は生きているうちに“MAH様、MAH様”って崇められたいなと思います。死んでからじゃ遅い。生きてるうちに1回でも多く、SiMのライブ、好きなバンドのライブ、観に行ってください」
バンドマンの気持ちを代弁するようなコメントだ。が、それじゃ済まないのが“MAH様”でもある。
「今日もカッコいいバンドがいっぱい出てる。昨日もそうだった。でもさ、格が違うんだな。世界で戦っているバンドの曲を聴かせてあげよう!」
これだ。だが言うだけあって、「The Rumbling」は世界で鳴らし続ける楽曲のひとつだ。ドラマティックであり、メロディも芳醇。それでいて力強い。激しいパフォームなどせずに、スッと立って演奏しているメンバーの存在感も絵になる。
しかし、である。<ポルノ超特急>から<響都超特急>に名前が変わって、イベントのスポンサーが倍以上増えたという余計な話もしてしまうMAH。さらにケータリングに海鮮丼が増えたという話もポロり。
「ライブ終わったら食べに来ますって言ってたら、サラダがないッ! 去年、あれだけ野菜を食わせろと言ったにも関わらず。やれやれだぜ。そういうところだよな、ありえへんわ」
曲でもいろんな側面を打ち出してくるSiMだが、MAHも様々な表情を素直に、そして自ら勝手に出すという開放感。そして野菜がないゆえか、野生的なエネルギーでビーストと化したSiMがライブ半はむき出しに。「みんな、生きてる? じゃあ、死ねー!」と中指を立てながら「KiLLiNG ME」へ突入。強烈なバンドサウンドと歌詞が、ひたすらオーディエンスを駆り立てる。
そしてトドメは「f.a.i.t.h」。真ん中を開けろ、と手つきで指示しながら曲が始まったとき、激しいウォールオブデスやモッシュ、ダイバーの狂乱と化す。ステージではベースを振り回して弾くSIN、ギター回しするSHOW-HATE、激烈なリズムで攻め立てるGODRi。そして曲のエンディングになったときだ。両手でハートマークを作ったと思ったら、パックリと二つに割り、割ったハート(心臓)を食べ、悪魔のツノのように指を頭にやるMAH。大歓声が起こる中、中指を立ててニヤリと笑う。どこまでも不敵な存在感が、実に頼もしいSiMのライブだった。
文◎長谷川幸信
写真◎かわどう
セットリスト
M2. TxHxC
M3. KiSS OF DEATH
M4. The Rumbling
M5. DO THE DANCE
M6. PANDORA
M7. KiLLiNG ME
M8. f.a.i.t.h
ライブ・イベント情報
12月16日(土)、17日(日) 京都パルスプラザ
乗車時刻(開場時間) 各日 10:00
発車時刻(開演時間)各日 11:00
【出演アーティスト】
■12/16(土)
[金閣]
UVERworld / G-FREAK FACTORY / 10-FEET /ハルカミライ / MY FIRST STORY / MUCC / ヤバイTシャツ屋さん / ROTTENGRAFFTY
[銀閣]
アルカラ / INKYMAP / ジャパニーズマゲニーズ / NEMOPHILA / NOISEMAKER / HERO COMPLEX / Paledusk
■12/17(日)
[金閣]
coldrain / The BONEZ / THE ORAL CIGARETTES / SiM / Dragon Ash / Fear, and Loathing in Las Vegas / HEY-SMITH / ROTTENGRAFFTY
[銀閣]
ANARCHY / OAU / THE冠 / 四星球 / TENDOUJI / TOTALFAT / FOMARE
MC(両日):やべきょうすけ
【イベント特設サイト】
https://kue.rotten-g.com/23/
【券種】
・1日券 ¥8,610・2日券 ¥16,610 (税込) ※SOLD OUT
※全自由・整理番号無し
※会場にて、リストバンドと引き換えになります。
・金色シート:1日券 ¥16,100 (税込) ※SOLD OUT
※全席指定
※購入特典:金色シート専用PASS/お土産
※事前配送のみ
(席番入りラミパス / リストバンド / おみや引換券)
※2日券ご購入のお客様は両日同じ席でのご用意となります。
※お席は金閣のみご用意しております。
※おみやは当日会場にてお渡しとなります。
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