【インタビュー】Ken Yokoyama、2023年第3弾シングルに魔法の言葉「愛情深くて、人間らしくて、大切なこと」

■訃報を受けた中でRECを続けたんですけど
■影響は少なくない。すごい精神状態でやったんで

──ところで、アルバムを見据えた第三弾シングルを発表したからには、アルバムもほぼ見えている段階ですか？

横山：未知数なところもあります。シングルはバラエティに富んでいるし、歌詞の世界観も去年暮から今年に掛けて集中的に書いたものが多いんです。あと2月にシングル3枚のレコーディングをしたんですけど、その時期、ツネちゃん(恒岡章 / Hi-STANDARD)が亡くなったんですね。レコーディング中、訃報を受けたんですよ。影響は少なくないと思うんです。例えば歌い方、ちょっとしたギターのフレーズ、すごい精神状態でやったんで。アルバムは6月に録ったんだっけ？

Jun Gray：そうだね。ツネの件があった上で、その後に書いた歌詞もいっぱい入ってくるっていう。

横山：だから、シングルでこういう手応えを得た、じゃあアルバムっていうことで言えば、またちょっと異質なんですよね。シングルはツネが亡くなったという訃報を受けた中でレコーディングを続けたんですけど、その後にアルバムの歌詞を書いたりして。それに引っ張られている自分と、そこから影響されないようにしている自分が、混在しているような気がする。明らかにシングル群とは違う温度で録れている気がするんですね。曲はいいものが揃っているはずです。でもちょっと予想がつかないですね。早く聴いてもらいたいんですけどね。


Jun Gray：やっぱり歌詞は、ツネの件があったからこの歌なんだろうなって気もしたし。でも健が言うように、感傷に浸っているということもでもなく。アルバムは別に追悼盤ではないけど、避けて通れない出来事っていうのもうちらにはあるし。

横山：6月はレコーディングしながら、＜SATANIC CARNIVAL 2023＞にも出たんです。初日にKen Yokoyamaでも出させてもらって、2日目にHi-STANDARDでも出たんですね。ツネちゃんの件で悲しんでいるのはお客さんだから、僕は気を張っていなきゃいけないって、すごく思っていたっぽいんです。しかもハイスタは止まらないぜってところを見せなきゃいけなかった。だから＜SATANIC CARNIVAL＞のライブが終わってから、ツネちゃんの件はきましたね。改めて寂しいなって思ったり。6月のアルバムのレコーディングは、すごくハイテンションでやっていたと思います。俺は俺で、やるべきことをやるんだぜっていう気持ちで。

──いろんな人生を背負った感じですね。

横山：まあ、この歳になったら、みなさん、僕に限らずそうだと思うんです。こうですよって客観視はできないですけど、自分のタイムラインを遡って考えると、そういう心境の中でアルバムの制作をやっていたなと思います。

取材・文◎長谷川幸信
撮影◎森好弘





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